日本昔話ソーサリアン(ストーリー後半)
上様さん執筆作品
上様(@uesaman000)さんがiOS版ソーサリアンシナリオコンテスト(ザックリ投稿)で応募された作品です。コンテスト終了後に書き下ろされたプロローグ、あらすじ等を、ご本人の許可を頂いて、掲載させていただいております。掲載のご快諾、本当にありがとうございました!
シナリオ No.1〜5 目次
シナリオ SPECIAL No.1〜8(みんなの応募作品)目次
日本昔話ソーサリアン(肆:三枚のお札の章)
プロローグ
人里離れた深い山奥にあるとあるお寺には、邪念をはらうお札(木札)が存在するらしい。これまでにも、多くの災厄を鎮めてきた霊験あらたかなお札である。
そのような効力を持つお札は、数年に一度剪定されるご神木から出る、大きめの枝からのみ作られる。"魔"の波動をはらうのに一役買うかも知れぬと、エティスの助言により、ソーサリアン達はそのお寺を訪れてみた。
※このシナリオは3人までです
登場人物
小坊主 | 寺に仕える見習い僧 |
---|---|
和尚 | 強力な神通力の使える高僧 |
新右衛門 | 侍 |
敵モンスター
- 鬼婆:人を喰らう神通力を持つ妖怪
アイテム
お札 | 法力を秘めたお札(木札) |
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神木の枝 | お札の材料 |
お経の大風呂敷 | 妖の目をあざむく法衣 |
琵琶 | 楽器 |
ストーリー
道中で獣に襲われていた小坊主を助けている侍・新右衛門に遭遇。
小坊主は目的地の寺の者だったため、一緒に寺へ。
ソーサリアン達の話を聞いた和尚は、ちょうど明日、新たなお札を制作するとの事。
小坊主に、材料となる神木の枝を取りにお使いへ行かせる。
しばらく後、慌てた様子で新右衛門が寺へやって来る。
小坊主がモノノケに山へ連れて行かれるのを見た者がいると。
小坊主を助けるため、山奥へ向かうソーサリアン一行だが、厳戒態勢なため入山が出来ず。寺へ戻り、和尚にその旨を伝えると、裏表びっしりとお経の書かれた大風呂敷を手渡される。これを頭からかぶっておけば、モノノケの目をくらます事が可能なのだと。
大風呂敷のお陰で入山でき、山小屋へ到着。
囚われの小坊主を助け出す。
小坊主の話によると、他にも坊主をさらっては喰らっていて、自分も今夜あたり喰われそうだったと。
小坊主を連れて出たが、鬼婆がそれに気付き追いかけて来る。
小坊主を連れているため、戦闘はできない。
危うく捕まりそうになるも、小坊主が和尚より念のためと預かっていたお札により砂山、大川、業火を起こすものの、どれも突破して来てしまう。
お寺に駆け込み一安心するも、坊主を喰らった身の鬼婆には、お寺も脅威ではなく、内側にまで入り込んで来た。それに便乗して、数種類のモノノケも境内に乗り込んで来た。
小坊主を奥へ逃がし、和尚と共に対峙するも、攻撃がやはり効かない。
一休の法力により、屏風絵の虎が実体化し鬼婆を襲い、その間にお寺の宝具である琵琶を取りに向かう。小坊主は琵琶の名手なので、彼に手渡し演奏させたところ、鬼婆が叫び声をあげて苦しみ出す。弱ってきたチャンスを狙い、鬼婆を退治。
倒した鬼婆からは、沐浴の香りに包まれた玉が解き放たれ、JUPITER(木星)の効果が元に戻る。
玉とお札を城へ持ち帰りエンド。
日本昔話ソーサリアン(伍:笠地蔵の章)
序章
吹雪の荒れ舞う北国。
遠征帰りのソーサリアン達は、エティスの報告によりこの地を調査していたが、結果が出ずに一時帰還しようとしていた。
その際に見かけ、助けた老夫婦より不思議な話を耳にする。
毎夜のごとく贈られてくる宝の数々。
一体、誰が何の目的で置いて行くのか?
また、それはエティスの報告と何かしら関係しているのだろうか?
登場人物
お爺さん | 町外れに住む老夫婦 |
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お婆さん | 町外れに住む老夫婦 |
娘 | 老夫婦の娘 |
敵モンスター
ストーンゴーレム | 動く石像 |
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土蜘蛛 | 巨大な蜘蛛の妖怪 |
アイテム
三度笠 | 頭にかぶるかさ |
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着物 | 老夫婦が娘へ贈った物 |
ストーリー
吹雪の中を老夫婦が立ち往生しているのを見かけたソーサリアン達は、雪をかき分け彼らの家まで送り届ける。
老夫婦の元に、毎夜、食料や衣服宝の数々が届けられると言う。
ありがたがると同時に一体これらの品はどこから、誰が届けてくれるのか、気にする老夫婦。
ソーサリアン達が夜中、品物が届けられた際に後をつけると、街へと通じる道端にある地蔵達だと判明し老夫婦につげる。
そのお地蔵さん達は先日、老夫婦吹雪の中、雪をかぶっており、寒いだろうと三度笠をかけてあげた地蔵達だとの事。
しかし、そのお宝はどこから持ってくるのかと、不思議がる老夫婦。
よく見ると、街へ嫁いで行った娘へと持たせた着物が含まれていた。
それを持って娘の元へ行くと、確かに奪われた物との事。
しかし、着物を含めた財産は巨大な怪物により奪われたと娘は言う。
老夫婦の元へ戻り、娘から聞いた話をする。
時を見計らって地蔵達の元へと盗み見に行くと、動き出した地蔵達は連れ立って街の方へ。街の手前で地蔵達は合体し、大きな石の巨像へと変化を遂げ、街を襲い出した。
老夫婦にその事を告げるも、信じたくない心からか事実を受け入れてくれない。
何か証拠でもあれば、と探りに出ると襲われた街中で、地蔵がかぶっていた笠を見つける。
その事実を知ったお爺さんの願いにより、ソーサリアン達は街で暴れている地蔵ゴーレムを退治。
すると、地蔵達の影から悔しがる声が聞こえてきた。
地蔵達の恩返しをしたいと言う願いにつけ入り、悪事を働かせていたのは巨大な土蜘蛛だったのだ。
粘着性のある糸攻撃を避けながら、土蜘蛛を退治。
その中から小さめの蜘蛛が出て来て、お爺さんを襲おうとした際に、一番小さい地蔵が体当たりして蜘蛛を倒す。
倒した土蜘蛛からは土の玉が解き放たれ、SATURN(土星)の効果が元に戻る。地蔵達を元の場所へ運び、壊れた地蔵達を拝みつつ、老夫婦は地蔵達とソーサリアン達にお礼とお詫びを告げる。
玉を城へ持ち帰りエンド。
制作秘話
物悲しいお話を1本入れたくて。
ただ、これをゲーム化するなら、もうちょっと何かが必要な気がします。
第4章に続き、しっくりこない章になってしまった。
もっと街中をうまく扱えれば、厚みが増すと思うのですが力量不足です。
先のざっくり投稿でネタバレしてるので、かなり苦労しました。
日本昔話ソーサリアン(陸:ツルの恩返しの章)
プロローグ
最近、街で評判のきらびやかな織物。
その美しさ故に、多くの町人が買い求め着飾っている。
ただ、流行りと言うには尋常でない人気ぶり。
さらに、その織物を着た人は、どことなく様相がおかしくなり、忽然と行方をくらます者も現れだした。
エティスの調べによると微弱ながら邪念が感じられるとの事。
ソーサリアン達は謎を解明すべく、現場へ直行した。
敵モンスター
金狐 | 全身金色な狐 |
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銀狐 | 全身銀色な狐 |
アイテム
反物 | おツルが織った反物 |
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きつねうどん | つるっつるで温かい |
ストーリー
ソーサリアン達は街中での異変を確かめた後、着物屋、反物屋と元をたどって行き、村はずれにある家から納められる反物が怪しいと目星をつける(さっと書いてますが、ここはあちらこちら行かされ情報収集する場面です。異変の事はまだ世間に広くは知れ渡っていない)。
そこに住む老夫婦の話によると、養女であるおツルが織った反物を街へ卸しているとの事。反物自体については、老夫婦は「機織りの際はその作業を覗かないで」と言われているため、どのような材料でどう織られているかは知らないと言う。
本人に話を聞こうにも、おツルは不在であった。
一度、街へ戻ってみると、雲隠れしていた人が見つかったと騒ぎになっていた。
どこへいたのかは分からないが、非常にやつれて精気を失っているようだ。
街へ行くたびに、たびたび声をかけてくる、屋台のうどん屋。
どうやら彼も嫁のために話題の着物を買うべく商売に勤しんでいるらしい。
「おいしい、おいしいうどんだよー。つるっつるのうどんだよー」
が売り口上。
夜になり、ソーサリアン一行は再びおツルの家へ向かう。
老夫婦に頼んでみても、作業中の室内へは行かせてもらえない。
外へ回ると、確かに機織りをしている人影が見える。
しかし、これと言って怪しいところは察知できない。
そうこうしていると。屋台のうどん屋がやって来た。
この町だけでは売り上げが上がらないので、隣町へ出向くところなのだと。
ちょうど、お腹が減ってきたソーサリアン一行は、その場で、名物のきつねうどんを頼む。
うどんを食べようとした際、家の方から騒がしい物音が。
おツルが血相を変えて出てきたのだ。
私にも一杯おくれ、と注文する姿が、どことなくおかしいことに気付くソーサリアン達。
「本日最後のきつねうどんだよ」
と大将が出すと、
「わしにも食わせろー!」
と叫び声と共におツルの部屋の窓が割れ、中から機織り機が飛び出してきた。
それは見る間に銀色の狐に変わり、おツルに襲いかかる。
攻撃をかわすため、空高く舞い上がったおツル。
しかし、その正体も金色の狐であった。
不覚の事態で正体をあらわにしてしまった金銀の妖狐は、おツルの正体である鶴を喰らい、それぞれおツルと機織りの一部に化け、反物を作っていたのだ。その反物で作られた着物を着ると、着用者の精気を奪い続けていくのだと言う。
正体を知られた両狐との戦闘が始まる。
妖狐を倒す事で、街の人達は正気に戻り、体調も回復に向かい出す。
倒した金・銀狐からは、金色に輝く玉が解き放たれVENUS(金星)の効果が元に戻る。
玉を城へ持ち帰りエンド。
制作秘話
狐のモノノケをどこかで出したい、と思い、案をひねり出してここへ。
白面九尾は強大すぎるので、風神&雷神のごとく二体一対にしました。
最初は白狐単体で考えていたのですが、調べていると、白狐は善、金銀狐は悪、と言う記述を見つけ、それにならいました。
人の念を吸収する、と言う部分が、幾分「浦島太郎の章」とかぶってしまうのがちょっと不満なのですが、それ以上のアイデアがしぼり出せなかったんです。
食べ物の恨みは怖いお話(うそ)。
日本昔話ソーサリアン(終:桃太郎の章)
プロローグ
エティスの感じ取った"魔"。
その元凶とも言える念が発せられる場所が特定された。
名は「鬼ヶ島」、強靭な鬼が住まう島。
街へ降りては財宝をせしめ、無益な殺生を繰り返すと言う。
鬼を影で操っている者がいる。
その正体をつかみ、平和を取り戻せ。
※このシナリオは3人までです
登場人物
桃太郎 | 侍。鬼退治に向かうも返り討ちにあう |
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犬 | 桃太郎の家来の1匹 |
猿 | 桃太郎の家来の1匹 |
キジ | 桃太郎の家来の1匹 |
お爺さん | 桃太郎の父親がわり |
お婆さん | 桃太郎の母親がわり |
その他 | たくさん |
敵モンスター
- 暗黒神 邪鬼:復活した邪神
ストーリー
鬼ヶ島へ向かうソーサリアン一行。
道中で、老夫婦から危険なのでやめろと言われる。
夫婦のせがれ、桃太郎も勇んで仲間たちと共に鬼退治へと向かったが、行き着くまでに邪念により、生ける屍のような状態に追いやられてしまっていたのだ。
鬱に陥った桃太郎を戻すのには、邪気を払う必要がある。
それを聞いたお婆さんは、「高名な彼の方ならば…」とつぶやき家を出て、引き連れて来たのが一休だった。一休の話によると、邪念を払うには、桃が必要との事なので、山の中で桃の木を探して実を取ってくる。
桃太郎の正気を覚まし、散りぢりになってしまった家来を探し集め、ソーサリアン+桃太郎で鬼ヶ島決戦へ(仲間がそろわない内でも鬼ヶ島へは行ける)。
海を渡る際には船が全て破壊されていて、困りながら浜辺を歩いていると声が聞こえ、そこへ向かうと竜宮の使いである亀がいて、鬼ヶ島へと渡してくれる。
道中、鬼の罠にかかり閉じ込められてしまうも、微かに聞こえる声を頼りに無事脱出。
声の主は法師と四天王の一行であった。
各地の鬼を退治していて、ここへもたどり着いたのだと言う。
それぞれ、邪魔をしてくる鬼を足止めしてくれ、ソーサリアン達をサポートしてくれる。
実は人の言葉をしゃべる犬、猿、キジはそれぞれ神の息吹がかかった神具の化身。
犬はアメノムラクモノツルギ、猿はヤサカノマガタマ、キジはヤタノカガミへと本来の姿を現す。通常攻撃の効かぬ邪鬼を倒すためには、彼らの力が必要(攻撃無効時は逃げ去る)。
邪鬼は、初出の「戦国ソーサリアン」よりもイヤラシイ動きと攻撃パターンでプレイヤーを翻弄する。日の本の国のモノノケに七惑星のカケラを与え、吸収させていた張本人。全ての力が集まった時、自分の手中におさめ、最強の神になる事を目論んでいた。
それでも自身の持つ太陽の力だけで、より強力な姿へと変身を遂げる。
倒した邪鬼からは陽の輝きに似た玉が解き放たれ、APOLLO(太陽)の効果が元に戻る。
玉を城へ持ち帰りエンド。
三種の神器は当然の事ながら、持ち帰り不可。
制作秘話
最後を飾らせるには、ネームバリューのある桃太郎しかないでしょう。
そして定番ネタではあるが、やはり邪神復活かなぁ、と。
最初は酒呑童子で当てはめていたけど、それじゃどうもインパクトにかけると、上記の案を採用。空中を動き回り、分身、弾幕攻撃など攻撃を当てにくいようにすれば強敵な感じが出るかな、と。もちろん、石化弾も飛ばします。
元ネタからすれば、戦国以前のお話になるので「邪神復活」はおかしいのですが、そこはゲームシナリオとしての考えで進めました。
洋風ファンタジーも絶対、ご当地の方々からすればツッコミどころ満載だろうし。
ソーサリアン1人とお供じゃゲームとして難しいので、3人パーティーと桃太郎で。
ではお供をどうするか?
数が3だし、最終決戦だからいっその事、三種の神器にしてしまえ。
そうすりゃ、人語を話す説明もつくし。
と安易な発想に着地。
桃太郎が正気になっただけでは勝てず、3匹の家来を見つけ出すのが必要。
そのため、かなり広範囲なマップになってしまうのかも。
「かも」ばっかりだ。
「最後の大決戦」なので、盛り過ぎてとっちらかる危険ははらんでいるものの、オールスター大集結にもしてみました。