新時代のソーサリアンを提案する

30周年を越えたソーサリアンの夢と妄想を語り続ける

はじまりのゼロ SS「五稜郭炎上 - 承:函館燃ゆ」(ゴルカス編)

[1]スタート地点。函館市街地・郊外

炎上する函館市街。
炎の中で警備隊が避難済みの住民を守って、集まっている。

ケイリス「なんということだ!なんということだ!
     官軍め、函館市街地は非戦地域であったはず……!
     同胞たちの失われた命と財産、本国が…本国が黙ってはおらぬぞ…
     おい、お前、いったい何をしているのだ…!?」

クラウド「不眠不休で、部下たちを酷使したことが祟っているのです。
     肝心な時に見張りの者が居眠りをしていたようで……
     警備隊が動くのも、決定的に遅れてしまいました。
     今さら、ケイリス隊長が……と言っても詮無いことですが……
     いえ、なんでもありません」

クラウド「残った者も、連日の警備で疲れ果てていて、
     住民の救助も芳しくありません。
     どうでしょう、
     見たところ、あなたには戦の経験がありそうだ。
     同胞の命に免じて、
     市民の避難を手伝ってはいただけませんでしょうか?」

▲[いいえ]を選択した場合

クラウド「無理を申し上げているのは承知の上。
     なれど、いま一度、考え直してはいただけませぬか」

再度、[はい][いいえ]の選択肢。

▲[はい]を選択した場合

クラウド「それはかたじけない…!
     大部分の住民たちは避難させているのですが、
     敵に最初に侵入された病院地区をはじめ、
     火の回りが早かった商業地区などで
     逃げ遅れている者がおるようで。
     あなたにはどうか、彼らの救助をお願いしたい」

クラウド「おい、メテオロイド、お供をするんだ!」

メテオロイド「へい、へ〜い……」

額にお札を貼られたメテオロイドがやってくる。

解説「額のお札からは、微かに魔法の薫りが漂ってくる」

クラウド「この男、実は、新政府軍が函館に入った途端に
     逃亡を図りましてな……
     本来ならば給金だけ返上させて、
     さっさと放り出したいところですが、
     なにせこの人手不足の折。
     函館市街から出られないように封印の魔法をかけた上で、
     とりあえずは、給料分くらいは働いてもらっているわけですよ。
     これで、剣も魔法もそこそこ使える奴ですので、
     足手まといにはならんと思いますよ」

解説「メテオロイドが仲間になった」

クラウド「住民が見つかったら、ここまで連れてきてください。
     わが国民であるとそうでないとに関わらず、
     私が責任を持って保護しますので」

[2]市街地探索。土の封印まで

クラウドと別れて、市街地に入っていく。市街地では、新政府軍の敵兵がおり、戦いながら先に進んでいくことになる。

メテオロイド「まったく……なっちゃいねぇ、なっちゃいねぇよ…!」

メテオロイド「お前さん、俺が臆病風に吹かれて逃げようと思ってんだろ?
       んなわけねぇ、
       土星神ダームのこぎたねぇ運命の腕(かいな)にかけてな!
       じゃあ、なぜ逃げたかって?
       決まってる。
       この戦は、函館側の敗けだからさ。
       傭兵はな、金のために闘いはするが、
       金で命を売ってるわけじゃねぇのさ。
       命あっての物種、
       ケイリスの旦那やクラウドのカッチン玉のために
       どうして死ななくちゃならねぇのかね」

メテオロイド「あぁあぁ、あの嬢ちゃんらにさえ、見つからなきゃあなぁ」
商家の前

土塁ができており、先に進むことができない。

メテオロイド「魔法の匂いがするぜ…<土の結界>だな」
市街地の一角

敵兵に混じって、明らかに魔物らしきものが襲い掛かってくるようになる。

  • マンティスマン(地)
  • クリスタルゴーレム(地)
  • グール(霊)
メテオロイド「おいおいおい、なんなんだよ、こいつらは……!
       化け物相手は、契約の範囲外だぜ??」

解説「よくよく見ると、人間の兵士たちも動きはぎこちなく、
   その眼には何者も映っていないようだ」
茶屋の中

茶屋の中で、兵士の一群と戦闘。勝利すると……

解説「<蛇紋岩の腕輪>を手に入れた」

部屋の奥で、腰を抜かして座り込んでいる老女を見つける。

媼「あの爺さん、鬨の声が上がったと思ったら、
  曲がってたはずの腰がしゃんと伸びて、一目散ですよ。
  長年の連れであるあたしを見捨てて、ですよ。
  あぁあぁ、このまま死んだら、化けて枕元に立てますかねェ」

解説「<媼>を手に入れた。
   住民は、クラウドのもとに連れて帰っても構わないし、
   このまま他の住民を探して回っても構わない。
   ただし、連れて歩く住民は<重量>として換算されるので
   要注意だ。
   また、敵の攻撃によって<破損>してしまう可能性もあるぞ。
   住民がひとり<破損>する都度、KRMがひとつ減る」

以降、クラウドのところに住民を連れていくと……

クラウド「おぉ、ご無事でなによりです。確かにお預かりしますぞ」

解説「<●○>をクラウドに引き渡した」
商家

茶屋の中で、兵士の一群と戦闘。勝利すると……

解説「<蛇紋岩の腕輪>を手に入れた」

番台の裏で隠れている番頭を見つける。

番頭「お、お侍さんが戦に命を賭けるのと同じく、
   商売人にとっては商売が命、そして、手前の店が戦場に、
   ほ、他なりませぬ。
   手前は命を賭しても、この店からは一歩も出ませぬぞ…!」

メテオロイド「うるせぇよ」

解説「言うが早いか、メテオロイドの鉄拳が飛び、番頭はのびてしまった」

番頭「キュゥ……」

メテオロイド「侍でも商売人でも、命がなくなったらそれで終わりなんだよ」

解説「<番頭>を手に入れた」
路地裏

大きな穴に荷車が嵌まっている男を見つける。

荷物を抱えた男「荷物が…荷物が……!
        おいおい、あんた方、いいところにきてくれたぜ。
        どうだい、荷物を引き上げてくれたら、
        10両、い、いや、20両出すからよぉ、
        この荷車を市街地の外まで運んじゃぁくれねぇか?
        どうせ給金なんざ、はした金しかもらってねぇんだろ?
        わ、悪い話じゃないと思うぜぇ」

解説「男を助けますか?」

▲[はい]を選択した場合

男「よっしゃ、頼むぜ……!」

荷車を一緒に押して、クラウドのところまで行く。
ただし、途中で敵兵が大量に発生し、死亡の可能性も高い。
クラウドのところまで行きつくと……

男「おかげで助かったぜ。
  ほれ、給金だ。おめぇらもしぬんじゃねぇぞ」

解説「<20両>…を換金して、1000 Goldを手に入れた」

メテオロイド「ありがてぇ!」

クラウド「お前は給金を貰っておろう。これはゴルカスさまのものだ」

メテオロイド「……いつか殺す」

▲[いいえ]を選択した場合

メテオロイドが魔法弾で荷車を破壊する。

男「う、うぎゃあああああぁぁぁ!」

メテオロイド「はした金しか貰ってねェのは事実だけどよ、」

男「……あわ、…あわ…」

メテオロイド「他人から言われると、無性に腹が立つんだよ、畜生め!」

解説「<放心した男>を手に入れた」
路地裏(2)

荷車がはまり込んでいた穴を調べると…

解説「どうやら下には地下道が伸びているらしい。
   もしかしたら、表通りの<土の結界>を抜けられないだろうか?」

穴に入っていくと、行き止まり。調べると…

解説「こんなところに<石英の壁>がある。
   石英の壁は脆く、なにか道具があれば、掘り進めることもできそうだ」
商家(2)

(発生条件)<番頭>を入手していること&<石英の壁>を発見していること

商家の中を調べると…

解説「<つるはし>を見つけた」

メテオロイド「なんでぇ、この際、かまやしねぇ、もらっていこうぜ」
路地裏(3)。穴の奥

石英の壁を調べると…

解説「<石英の壁>に<つるはし>を当てると、壁は脆くも崩れていく」

メテオロイド「いい感じだな!いい感じだぜぇ!」

掘れる部分が限られているので、上り下りして掘れる場所を探しながら進んでいく(一種の迷路)。間違った道からは大量にグールが湧いてくるので、斃していく。
しばらく先に進んでいくと……

メテオロイド「うぉ?」

突然、穴が震動し、瓦礫が落ちてくる。

メテオロイド「うおおおぉぉぉ、逃げろ〜〜!」

瓦礫で穴が完全に埋まってしまう前に、路地裏まで脱出すること(時間制限)。
脱出に成功すると、穴には二度と入れない。

商家の前(2)

(発生条件)地下の穴が瓦礫で埋まっていること

土塁がなくなっている。

解説「土塁がなくなっている。
   先ほどの落盤で、地下に沈んでしまったようだ」

メテオロイド「……計算通りだぜ(ウインク)」

[3]市街地探索。火&雷の結界まで

先に進んでいくと、メテオロイドとの会話。

メテオロイド「なに、さっきの嬢ちゃんてなんだ、だって?
       あぁ、診療所の隣の屋敷に住んでた……なんだったっか、
       こしゃまっくれたエレイアに、
       あのちんまいのはレーシャって言ったか。
       俺が逃げようとしてるところに来て、
       病院の患者が気になるから連れてけってぬかしやがる。
       放っていったら、大声出しそうになりやがるんで、
       仕方なく連れてったんだがなぁ。
       ところが、そこでバッタリとクラウドのカッチン玉と
       出くわしちまってな……封印のお札をペタリというわけよ。
       まったく忌々しい餓鬼どもだぜ」

メテオロイド「診療所には、
       さすがの政府軍も手はださねぇとは思うがよ……
       ん、なんだなんだ、あんな忌々しい餓鬼どもなんざ、
       心配してねぇんだからな!」
絢爛な仏閣の外
解説「仏閣は、炎に包まれている」

メテオロイド「魔法の匂いがするぜ…<炎の結界>だな」

仏閣の上の方から声が聞こえてくる。

ブラウン「おい、そこの者、い、いや、そのお人、そこのお方、
     た、た、た、助けてくれ……!」

ブラウン/ナリス/セシルらが仏閣の頂上で逃げ遅れている。

メテオロイド「おいあれって、この仏閣の似非宗教者どもだろ?
       無視しちゃダメなのか?」
診療所に向かう道
解説「中空を雷(いかずち)が飛び交っている。
   どうやら魔法の力で作られた<雷の結界>のようだ」

メテオロイド「<蛇紋岩>にはエレキを絶縁する力が
       秘められているっていうぜ。
       兵士たちは、この結界を行き来するために
       <蛇紋岩の腕輪>を持たされてるんだろうがな。
       だが、これだけ大きな結界になると、ひとつじゃあ無理だ。
       最低でも、4個はいるんじゃねぇか」
仏閣の中

炎の隙間から仏閣の中に入っていくと……
兵士の一群と必死に戦っている<乞食>に遭遇。

乞食「おめぇら余所もんに、こんなお宝の山を奪われてたまるだか!
   金のかかった乞食を甘く見るでねぇだぞ〜〜」

メテオロイド「あれも……助けた方がいいのかよ…」

とりあえず参戦して兵士の一群に勝利すると……

乞食「あれ、おらも助けてくれるだか。
   でも、ちょっと待っててけろ?
   お宝の山を集めてくるでな」

掻き集めて戻ってきた乞食。

乞食「お待たせしただな。さ、いくべいくべ」

解説「<お宝で重くなった乞食>を手に入れた」

乞食「お前さんらには助けてもらったでな、特別にこれだけくれてやるべ。
   乞食からモノを貰えるなんぞ、貴重な機会だかんの。
   大切にするべよ」

解説「<蛇紋岩の腕輪>を手に入れた」

<乞食>をクラウドのところまで連れて行くと……

クラウド「おぉ、ご無事でなによりです。確かにお預かりしますぞ」

解説「<乞食>をクラウドに引き渡した」

クラウド「ん、これはお前のモノではないな?」

乞食「お、お宝はオラのものだだよ。
   仏閣で命がけで集めた、大切なお宝だ」

クラウド「それを火事場泥棒というのだ。……没収」

乞食「乞食から身ぐるみ剥ぐなんぞ、あんたは鬼だか〜〜」

メテオロイド「……同情するぜ」
クラウドのところ

(発生条件)<火の結界>を見た後&<乞食>を助けた後

クラウド「なんと、<火の結界>に阻まれて民間人が……」

メテオロイド「あいつらが民間人て言…むぎゅ」

クラウド「魔法の力で作られた結界であれば、あるいは、
     <聖水>があれば祓えるやもしれませぬ……
     おぉ、丁度良いところに
     <聖水の入った壺>があるではないか……」

乞食「あ、それはおらの……むぎゅ」

クラウド「お役にたつかは判りませんが、お持ちください」

解説「<聖水の入った壺>をもらった」
仏閣の外(火の結界)

(発生条件)<聖水の入った壺>を手に入れていること

メテオロイド「似非仏閣の聖水で、ホントに効果があるのかねぇ…
       どうだい、かけてみるかい?」

▲[いいえ]を選択した場合

メテオロイド「傭兵にとって、時に慎重なのも悪いことじゃねぇ、
       うん、ちげぇねぇ」

▲[はい]を選択した場合

解説「聖水を<火の結界>にかけた」

聖水によって炎が四散し、炎の位置が変化する。
立っている位置によっては、炎が当たって大ダメージ&下まで弾き返される。

メテオロイド「あち、あち、あちょ〜〜!」

聖水によって、炎は以下の図のように変化する(仏閣の外壁をタイル状に割ったもの。外壁には庇が付いており、登ることが可能。S=スタート/G=ゴール)。


メテオロイド「どうやら<聖水>では、
       結界を完全に取り除くのは無理そうだぜ。
       炎をどかしながら、あそこまで辿りつくしかねぇなぁ。
       でも気を付けな、聖水はせいぜい3回分しかねぇぜ。
       もう1回使っちまったから、あと2回だな」

頂上に辿りつく前に<聖水>がなくなると……

メテオロイド「しゃあねぇなぁ、カッチン玉のところへ戻って
       補充してくるべ」

炎を移動させながら、仏閣の頂上に辿りつくと……

ブラウン「カ、カディアンさまが祀っていたものは、
     <絶望の女神>――恐ろしい悪魔だったのだ……」

ナリス「<哀しみの波動>が、絶望が……やってくる……!」

シュナイダー「(失神状態だ)」

セシル「私たちは、とんでもないものをこの世界に招き入れてしまったのだ。
    甦った<絶望の女神>と、カディアンさまは、
    新政府軍を傀儡として、診療所に向かったようだ…」

解説「<ブラウンたち>を手に入れた」

クラウドに引き渡すと……

セシル「そうだ、逃げ出す時に拾ったものです。お役に立てばよいのですが…」

解説「<蛇紋岩の腕輪>を手に入れた」
<雷の結界>にて

(発生条件)<蛇紋岩の腕輪x4>を入手していること。
※アイテムは敵の攻撃によって破損する可能性がある。もしも<蛇紋岩の腕輪>が破損した場合には、市街地の敵兵を斃すことで破損分を上限に入手可能。

解説「<蛇紋岩の腕輪>で結界に触れると、雷の勢いが弱まっていく……」

メテオロイド「これで(ビリビリ)なんとか(ビリビリ)
       通れそうだな…(ビリビリ)」

[4]診療所以降の戦い

診療所前は、新政府軍の兵士たちが犇めいている。

メテオロイド「おいおい、ここは非戦地域じゃなかったのかよ…!」

兵士たちを斃しながら、先に進んでいくと、無残に殺されている傷病者の山。

メテオロイド「嬢ちゃん……嬢ちゃんらは、いねぇな?」
       ……おい、いったん、
       クラウドのカッチン玉のところへ戻るぜ……」
避難所(クラウド

(発生条件)メテオロイドに戻るよう促されていること

メテオロイド「おい、副官殿、頼みがあるんだ…!」

クラウド「なんだ、給金の値上げには応じんぞ!?」

メテオロイド「そんなんじゃねェよ!
       これだ、この封印の札を外してほしいんだ!
       ベリッとな!」

クラウド「おいおい、それはまた芸のない頼みごとを。
     それを外したら、お前はたちまち逃……」

メテオロイド「逃げねぇよ!逃げられるわけがねぇ!」

クラウド「………」

メテオロイド「剥がせよ、おい…
       このままじゃあ、俺の魔力は7割がた削られっちまう……
       これじゃあ、戦えねぇんだよ!」

クラウド「………」

メテオロイド「俺を、…信じろ!」

クラウド「良かろう」

解説「言うや、クラウドメテオロイドの額の札を剥がした」

メテオロイドのHP/MP&各種ステータスがいずれも3倍に。

メテオロイド「恩に着るぜ、カッチン玉!」
再び診療所前

新政府軍の兵士たちを斃しながら、診療所奥へ。カディアンが立っている。

カディアン「タ、タスケ、テ……
      メ、メガミハ……<マ>ノ…セン、ペ、イ……
      アクマ、シュリョウ、ハ、<ゴリョウ、…>…ぐはぁぁぁぁ!」

メテオロイド「似非救世主め、自分が何を呼び出しちまったかも
       わかっちゃいなかったってェわけか…!」

カディアンの体からどす黒い瘴気のようなものが浮き上がり、
ゴルカス&メテオロイドに襲い掛かる!
瘴気は実体を伴いはじめ、中ボス<絶望の女神>(火)発生。

メテオロイド「おい、あんた!ゴルカス!
       俺が、この一帯に結界を張っておく!
       こいつだけは……絶対に逃がすな!」

メテオロイド、パーティから離脱&<絶望の女神>戦開始。
敵詳細は、「こえるべきもの」(http://www.web-deli.com/sorcerian/spe4-3.pdf)設定資料を参照のこと。結界を張り続けるメテオロイドを守りながら、女神(カディアン)に攻撃を加える必要がある。

絶望の女神「オノレ、オノレ、クチオシヤ……」

瘴気の塊となって、天井から逃げようとする<絶望の女神>。

メテオロイド「逃がすものかよ…!」

光の球が<絶望の女神>を押し包み、
そのまま握りつぶすように球が一点に収束していく。

絶望の女神「ギャアアアアァァァ!」

光球から火柱があがり、絶望の女神はゆっくりと消えていく…
カディアンはその場に倒れる。

メテオロイド「……俺を本気にさせんな、馬鹿野郎」

以上、ゴルカス編&[承]函館燃ゆ(完)

→SS「五稜郭炎上 - 転:宮古朱く」(ゴルカス編)へ