はじまりのゼロ SS「五稜郭炎上 - 承:函館燃ゆ」(ゴルカス編)
[1]スタート地点。函館市街地・郊外
炎上する函館市街。
炎の中で警備隊が避難済みの住民を守って、集まっている。
ケイリス「なんということだ!なんということだ! 官軍め、函館市街地は非戦地域であったはず……! 同胞たちの失われた命と財産、本国が…本国が黙ってはおらぬぞ… おい、お前、いったい何をしているのだ…!?」 クラウド「不眠不休で、部下たちを酷使したことが祟っているのです。 肝心な時に見張りの者が居眠りをしていたようで…… 警備隊が動くのも、決定的に遅れてしまいました。 今さら、ケイリス隊長が……と言っても詮無いことですが…… いえ、なんでもありません」 クラウド「残った者も、連日の警備で疲れ果てていて、 住民の救助も芳しくありません。 どうでしょう、 見たところ、あなたには戦の経験がありそうだ。 同胞の命に免じて、 市民の避難を手伝ってはいただけませんでしょうか?」 ▲[いいえ]を選択した場合 クラウド「無理を申し上げているのは承知の上。 なれど、いま一度、考え直してはいただけませぬか」 再度、[はい][いいえ]の選択肢。 ▲[はい]を選択した場合 クラウド「それはかたじけない…! 大部分の住民たちは避難させているのですが、 敵に最初に侵入された病院地区をはじめ、 火の回りが早かった商業地区などで 逃げ遅れている者がおるようで。 あなたにはどうか、彼らの救助をお願いしたい」 クラウド「おい、メテオロイド、お供をするんだ!」 メテオロイド「へい、へ〜い……」
額にお札を貼られたメテオロイドがやってくる。
解説「額のお札からは、微かに魔法の薫りが漂ってくる」 クラウド「この男、実は、新政府軍が函館に入った途端に 逃亡を図りましてな…… 本来ならば給金だけ返上させて、 さっさと放り出したいところですが、 なにせこの人手不足の折。 函館市街から出られないように封印の魔法をかけた上で、 とりあえずは、給料分くらいは働いてもらっているわけですよ。 これで、剣も魔法もそこそこ使える奴ですので、 足手まといにはならんと思いますよ」 解説「メテオロイドが仲間になった」 クラウド「住民が見つかったら、ここまで連れてきてください。 わが国民であるとそうでないとに関わらず、 私が責任を持って保護しますので」
[2]市街地探索。土の封印まで
クラウドと別れて、市街地に入っていく。市街地では、新政府軍の敵兵がおり、戦いながら先に進んでいくことになる。
メテオロイド「まったく……なっちゃいねぇ、なっちゃいねぇよ…!」 メテオロイド「お前さん、俺が臆病風に吹かれて逃げようと思ってんだろ? んなわけねぇ、 土星神ダームのこぎたねぇ運命の腕(かいな)にかけてな! じゃあ、なぜ逃げたかって? 決まってる。 この戦は、函館側の敗けだからさ。 傭兵はな、金のために闘いはするが、 金で命を売ってるわけじゃねぇのさ。 命あっての物種、 ケイリスの旦那やクラウドのカッチン玉のために どうして死ななくちゃならねぇのかね」 メテオロイド「あぁあぁ、あの嬢ちゃんらにさえ、見つからなきゃあなぁ」
市街地の一角
敵兵に混じって、明らかに魔物らしきものが襲い掛かってくるようになる。
- マンティスマン(地)
- クリスタルゴーレム(地)
- グール(霊)
メテオロイド「おいおいおい、なんなんだよ、こいつらは……! 化け物相手は、契約の範囲外だぜ??」 解説「よくよく見ると、人間の兵士たちも動きはぎこちなく、 その眼には何者も映っていないようだ」
茶屋の中
茶屋の中で、兵士の一群と戦闘。勝利すると……
解説「<蛇紋岩の腕輪>を手に入れた」
部屋の奥で、腰を抜かして座り込んでいる老女を見つける。
媼「あの爺さん、鬨の声が上がったと思ったら、 曲がってたはずの腰がしゃんと伸びて、一目散ですよ。 長年の連れであるあたしを見捨てて、ですよ。 あぁあぁ、このまま死んだら、化けて枕元に立てますかねェ」 解説「<媼>を手に入れた。 住民は、クラウドのもとに連れて帰っても構わないし、 このまま他の住民を探して回っても構わない。 ただし、連れて歩く住民は<重量>として換算されるので 要注意だ。 また、敵の攻撃によって<破損>してしまう可能性もあるぞ。 住民がひとり<破損>する都度、KRMがひとつ減る」
以降、クラウドのところに住民を連れていくと……
クラウド「おぉ、ご無事でなによりです。確かにお預かりしますぞ」 解説「<●○>をクラウドに引き渡した」
商家
茶屋の中で、兵士の一群と戦闘。勝利すると……
解説「<蛇紋岩の腕輪>を手に入れた」
番台の裏で隠れている番頭を見つける。
番頭「お、お侍さんが戦に命を賭けるのと同じく、 商売人にとっては商売が命、そして、手前の店が戦場に、 ほ、他なりませぬ。 手前は命を賭しても、この店からは一歩も出ませぬぞ…!」 メテオロイド「うるせぇよ」 解説「言うが早いか、メテオロイドの鉄拳が飛び、番頭はのびてしまった」 番頭「キュゥ……」 メテオロイド「侍でも商売人でも、命がなくなったらそれで終わりなんだよ」 解説「<番頭>を手に入れた」
路地裏
大きな穴に荷車が嵌まっている男を見つける。
荷物を抱えた男「荷物が…荷物が……! おいおい、あんた方、いいところにきてくれたぜ。 どうだい、荷物を引き上げてくれたら、 10両、い、いや、20両出すからよぉ、 この荷車を市街地の外まで運んじゃぁくれねぇか? どうせ給金なんざ、はした金しかもらってねぇんだろ? わ、悪い話じゃないと思うぜぇ」 解説「男を助けますか?」
▲[はい]を選択した場合
男「よっしゃ、頼むぜ……!」 荷車を一緒に押して、クラウドのところまで行く。 ただし、途中で敵兵が大量に発生し、死亡の可能性も高い。 クラウドのところまで行きつくと…… 男「おかげで助かったぜ。 ほれ、給金だ。おめぇらもしぬんじゃねぇぞ」 解説「<20両>…を換金して、1000 Goldを手に入れた」 メテオロイド「ありがてぇ!」 クラウド「お前は給金を貰っておろう。これはゴルカスさまのものだ」 メテオロイド「……いつか殺す」
▲[いいえ]を選択した場合
メテオロイドが魔法弾で荷車を破壊する。
男「う、うぎゃあああああぁぁぁ!」 メテオロイド「はした金しか貰ってねェのは事実だけどよ、」 男「……あわ、…あわ…」 メテオロイド「他人から言われると、無性に腹が立つんだよ、畜生め!」 解説「<放心した男>を手に入れた」
路地裏(2)
荷車がはまり込んでいた穴を調べると…
解説「どうやら下には地下道が伸びているらしい。 もしかしたら、表通りの<土の結界>を抜けられないだろうか?」
穴に入っていくと、行き止まり。調べると…
解説「こんなところに<石英の壁>がある。 石英の壁は脆く、なにか道具があれば、掘り進めることもできそうだ」
商家(2)
(発生条件)<番頭>を入手していること&<石英の壁>を発見していること
商家の中を調べると…
解説「<つるはし>を見つけた」 メテオロイド「なんでぇ、この際、かまやしねぇ、もらっていこうぜ」
路地裏(3)。穴の奥
石英の壁を調べると…
解説「<石英の壁>に<つるはし>を当てると、壁は脆くも崩れていく」 メテオロイド「いい感じだな!いい感じだぜぇ!」
掘れる部分が限られているので、上り下りして掘れる場所を探しながら進んでいく(一種の迷路)。間違った道からは大量にグールが湧いてくるので、斃していく。
しばらく先に進んでいくと……
メテオロイド「うぉ?」
突然、穴が震動し、瓦礫が落ちてくる。
メテオロイド「うおおおぉぉぉ、逃げろ〜〜!」
瓦礫で穴が完全に埋まってしまう前に、路地裏まで脱出すること(時間制限)。
脱出に成功すると、穴には二度と入れない。
商家の前(2)
(発生条件)地下の穴が瓦礫で埋まっていること
土塁がなくなっている。
解説「土塁がなくなっている。 先ほどの落盤で、地下に沈んでしまったようだ」 メテオロイド「……計算通りだぜ(ウインク)」
[3]市街地探索。火&雷の結界まで
先に進んでいくと、メテオロイドとの会話。
メテオロイド「なに、さっきの嬢ちゃんてなんだ、だって? あぁ、診療所の隣の屋敷に住んでた……なんだったっか、 こしゃまっくれたエレイアに、 あのちんまいのはレーシャって言ったか。 俺が逃げようとしてるところに来て、 病院の患者が気になるから連れてけってぬかしやがる。 放っていったら、大声出しそうになりやがるんで、 仕方なく連れてったんだがなぁ。 ところが、そこでバッタリとクラウドのカッチン玉と 出くわしちまってな……封印のお札をペタリというわけよ。 まったく忌々しい餓鬼どもだぜ」 メテオロイド「診療所には、 さすがの政府軍も手はださねぇとは思うがよ…… ん、なんだなんだ、あんな忌々しい餓鬼どもなんざ、 心配してねぇんだからな!」
絢爛な仏閣の外
解説「仏閣は、炎に包まれている」 メテオロイド「魔法の匂いがするぜ…<炎の結界>だな」
仏閣の上の方から声が聞こえてくる。
ブラウン「おい、そこの者、い、いや、そのお人、そこのお方、 た、た、た、助けてくれ……!」
ブラウン/ナリス/セシルらが仏閣の頂上で逃げ遅れている。
メテオロイド「おいあれって、この仏閣の似非宗教者どもだろ? 無視しちゃダメなのか?」
診療所に向かう道
解説「中空を雷(いかずち)が飛び交っている。 どうやら魔法の力で作られた<雷の結界>のようだ」 メテオロイド「<蛇紋岩>にはエレキを絶縁する力が 秘められているっていうぜ。 兵士たちは、この結界を行き来するために <蛇紋岩の腕輪>を持たされてるんだろうがな。 だが、これだけ大きな結界になると、ひとつじゃあ無理だ。 最低でも、4個はいるんじゃねぇか」
仏閣の中
炎の隙間から仏閣の中に入っていくと……
兵士の一群と必死に戦っている<乞食>に遭遇。
乞食「おめぇら余所もんに、こんなお宝の山を奪われてたまるだか! 金のかかった乞食を甘く見るでねぇだぞ〜〜」 メテオロイド「あれも……助けた方がいいのかよ…」
とりあえず参戦して兵士の一群に勝利すると……
乞食「あれ、おらも助けてくれるだか。 でも、ちょっと待っててけろ? お宝の山を集めてくるでな」
掻き集めて戻ってきた乞食。
乞食「お待たせしただな。さ、いくべいくべ」 解説「<お宝で重くなった乞食>を手に入れた」 乞食「お前さんらには助けてもらったでな、特別にこれだけくれてやるべ。 乞食からモノを貰えるなんぞ、貴重な機会だかんの。 大切にするべよ」 解説「<蛇紋岩の腕輪>を手に入れた」
<乞食>をクラウドのところまで連れて行くと……
クラウド「おぉ、ご無事でなによりです。確かにお預かりしますぞ」 解説「<乞食>をクラウドに引き渡した」 クラウド「ん、これはお前のモノではないな?」 乞食「お、お宝はオラのものだだよ。 仏閣で命がけで集めた、大切なお宝だ」 クラウド「それを火事場泥棒というのだ。……没収」 乞食「乞食から身ぐるみ剥ぐなんぞ、あんたは鬼だか〜〜」 メテオロイド「……同情するぜ」
クラウドのところ
(発生条件)<火の結界>を見た後&<乞食>を助けた後
クラウド「なんと、<火の結界>に阻まれて民間人が……」 メテオロイド「あいつらが民間人て言…むぎゅ」 クラウド「魔法の力で作られた結界であれば、あるいは、 <聖水>があれば祓えるやもしれませぬ…… おぉ、丁度良いところに <聖水の入った壺>があるではないか……」 乞食「あ、それはおらの……むぎゅ」 クラウド「お役にたつかは判りませんが、お持ちください」 解説「<聖水の入った壺>をもらった」
仏閣の外(火の結界)
(発生条件)<聖水の入った壺>を手に入れていること
メテオロイド「似非仏閣の聖水で、ホントに効果があるのかねぇ… どうだい、かけてみるかい?」 ▲[いいえ]を選択した場合 メテオロイド「傭兵にとって、時に慎重なのも悪いことじゃねぇ、 うん、ちげぇねぇ」 ▲[はい]を選択した場合 解説「聖水を<火の結界>にかけた」 聖水によって炎が四散し、炎の位置が変化する。 立っている位置によっては、炎が当たって大ダメージ&下まで弾き返される。 メテオロイド「あち、あち、あちょ〜〜!」
聖水によって、炎は以下の図のように変化する(仏閣の外壁をタイル状に割ったもの。外壁には庇が付いており、登ることが可能。S=スタート/G=ゴール)。
メテオロイド「どうやら<聖水>では、 結界を完全に取り除くのは無理そうだぜ。 炎をどかしながら、あそこまで辿りつくしかねぇなぁ。 でも気を付けな、聖水はせいぜい3回分しかねぇぜ。 もう1回使っちまったから、あと2回だな」
頂上に辿りつく前に<聖水>がなくなると……
メテオロイド「しゃあねぇなぁ、カッチン玉のところへ戻って 補充してくるべ」
炎を移動させながら、仏閣の頂上に辿りつくと……
ブラウン「カ、カディアンさまが祀っていたものは、 <絶望の女神>――恐ろしい悪魔だったのだ……」 ナリス「<哀しみの波動>が、絶望が……やってくる……!」 シュナイダー「(失神状態だ)」 セシル「私たちは、とんでもないものをこの世界に招き入れてしまったのだ。 甦った<絶望の女神>と、カディアンさまは、 新政府軍を傀儡として、診療所に向かったようだ…」 解説「<ブラウンたち>を手に入れた」
クラウドに引き渡すと……
セシル「そうだ、逃げ出す時に拾ったものです。お役に立てばよいのですが…」 解説「<蛇紋岩の腕輪>を手に入れた」
<雷の結界>にて
(発生条件)<蛇紋岩の腕輪x4>を入手していること。
※アイテムは敵の攻撃によって破損する可能性がある。もしも<蛇紋岩の腕輪>が破損した場合には、市街地の敵兵を斃すことで破損分を上限に入手可能。
解説「<蛇紋岩の腕輪>で結界に触れると、雷の勢いが弱まっていく……」 メテオロイド「これで(ビリビリ)なんとか(ビリビリ) 通れそうだな…(ビリビリ)」
[4]診療所以降の戦い
診療所前は、新政府軍の兵士たちが犇めいている。
メテオロイド「おいおい、ここは非戦地域じゃなかったのかよ…!」 兵士たちを斃しながら、先に進んでいくと、無残に殺されている傷病者の山。 メテオロイド「嬢ちゃん……嬢ちゃんらは、いねぇな?」 ……おい、いったん、 クラウドのカッチン玉のところへ戻るぜ……」
避難所(クラウド)
(発生条件)メテオロイドに戻るよう促されていること
メテオロイド「おい、副官殿、頼みがあるんだ…!」 クラウド「なんだ、給金の値上げには応じんぞ!?」 メテオロイド「そんなんじゃねェよ! これだ、この封印の札を外してほしいんだ! ベリッとな!」 クラウド「おいおい、それはまた芸のない頼みごとを。 それを外したら、お前はたちまち逃……」 メテオロイド「逃げねぇよ!逃げられるわけがねぇ!」 クラウド「………」 メテオロイド「剥がせよ、おい… このままじゃあ、俺の魔力は7割がた削られっちまう…… これじゃあ、戦えねぇんだよ!」 クラウド「………」 メテオロイド「俺を、…信じろ!」 クラウド「良かろう」 解説「言うや、クラウドはメテオロイドの額の札を剥がした」 メテオロイドのHP/MP&各種ステータスがいずれも3倍に。 メテオロイド「恩に着るぜ、カッチン玉!」
再び診療所前
新政府軍の兵士たちを斃しながら、診療所奥へ。カディアンが立っている。
カディアン「タ、タスケ、テ…… メ、メガミハ……<マ>ノ…セン、ペ、イ…… アクマ、シュリョウ、ハ、<ゴリョウ、…>…ぐはぁぁぁぁ!」 メテオロイド「似非救世主め、自分が何を呼び出しちまったかも わかっちゃいなかったってェわけか…!」 カディアンの体からどす黒い瘴気のようなものが浮き上がり、 ゴルカス&メテオロイドに襲い掛かる! 瘴気は実体を伴いはじめ、中ボス<絶望の女神>(火)発生。 メテオロイド「おい、あんた!ゴルカス! 俺が、この一帯に結界を張っておく! こいつだけは……絶対に逃がすな!」
メテオロイド、パーティから離脱&<絶望の女神>戦開始。
敵詳細は、「こえるべきもの」(http://www.web-deli.com/sorcerian/spe4-3.pdf)設定資料を参照のこと。結界を張り続けるメテオロイドを守りながら、女神(カディアン)に攻撃を加える必要がある。
絶望の女神「オノレ、オノレ、クチオシヤ……」 瘴気の塊となって、天井から逃げようとする<絶望の女神>。 メテオロイド「逃がすものかよ…!」 光の球が<絶望の女神>を押し包み、 そのまま握りつぶすように球が一点に収束していく。 絶望の女神「ギャアアアアァァァ!」 光球から火柱があがり、絶望の女神はゆっくりと消えていく… カディアンはその場に倒れる。 メテオロイド「……俺を本気にさせんな、馬鹿野郎」
以上、ゴルカス編&[承]函館燃ゆ(完)