§1-5 魔法について(ソーサリアンNext案)
ソーサリアンNext案 目次:[id:sorcerian:20120605]
魔法の独立で七惑星魔法の複雑さを解消
[問題]
七惑星の星の組み合わせパターンは複雑であり、攻略まとめなどなしで目的の魔法を作成するのは困難であった。
実際、後には「魔法学院」が設けられ、直接に目的の魔法をかけてもらう救済策が提供されている。
七惑星魔法組み合わせの副産物としての魔法は廃止する(魔法は成長ツリーの中で習得できるスキルとして位置づけを変更)。
それに伴い、七惑星魔法の位置づけを以下のように改める。
- 武器/防具にかけられた七惑星魔法は、以下のパラメータに影響する。
- 装備したキャラのパラメータを向上(従来と同じ。たとえば火星魔法はSTRをUpなど)
- 五元素の魔物に対する攻撃/防御力補正(たとえば土星魔法は霊属性に対する攻撃を高めるなど)
- 七惑星魔法組み合わせの副産物として、新たに120種類の英雄石(後日公開)を設置
- ただ、スキルとしての魔法を切り離しただけでは、七惑星魔法の位置づけがあまりに弱くなるため、新たな蒐集要素として再構成
- 七惑星魔法の「干渉」も維持し、組み合わせを研究する楽しみは残す
七惑星魔法を装備に課すには?
七惑星魔法をかけるには、一定数の<七惑星の欠片>を<魔法使いの家>に持っていき、Goldを支払う必要がある。
- たとえば<火星の欠片>100個で、火星(STR)+1など
- 必要数に満たない場合も、火星0.85のような形で維持され、蓄積できる(将来的に0.15分を追加可能)。ただし、パラメータ計算などでは小数点以下は切り捨て
- 装備に付与された星の数に比例して、以下の数値も変動する。これは、装備を強くしすぎないようにするための措置である*1。
- 必要な欠片(増加。たとえば火星1、水星2が既にかかっているのであれば、次に必要な欠片は3×100など)
- 付与にかかる日数(増加)
- 消費Gold(増加)
- 失敗率(増加)
- 装備そのものの耐久度(減少)
ただし、耐久度の減少は、<裏・七惑星の欠片>を用いることで相殺できる(<裏・〜>は、他の要素には影響しない)。
七惑星魔法と五元素の関係
七惑星魔法は、それぞれ以下の元素に対して影響を持つ(武器であれば攻撃力がUp、防具であれば防御力がUp)。
元素 | 効果のある惑星 |
---|---|
地 | 木星、太陽 |
火 | 火星 |
水 | 水星 |
風 | 月、金星 |
霊 | 土星 |
具体的には、以下のような効果がある。
*1:失敗によって装備が破壊されるなどの設定も考えたが、ロードしてしまえば済むし、オートセーブなどのしくみを設けるのはペナルティとして大きすぎるので、本案では単に「失敗」のみとした。
120種類の魔法を整理し、より分かりやすく
[問題]
120種類の魔法は、現実的にあまり利用できているとは限らない。
原因は、以下のとおりだ。
- 攻撃魔法は、すべての属性に効果があるNOILA-TEM、LIGHT CROSS、GOD THUNDERなど、動きが異なるいくつかがあれば、その他の魔法は必要ない
- 治癒魔法もHEAL、RESURECTがあれば、STONE FRESH、MELTなどは不要(詳しくは後述)
- 防御/変換魔法に至っては、戦闘システムが大味なため、利用局面そのものがない(=防御力を高めても、さほど戦闘が有利にならない)
- 種類が多すぎて、そもそも把握できない
以下の方策に従って、30〜40種類くらいまで絞り込む。
(1)攻撃魔法
五元素に対して、それぞれ有効度合いの異なる魔法5種類程度に絞り込む。
オリジナルのNOILA-TEMのように、すべての属性に同等に効力を発揮する魔法は設けない。
(2)防御魔法
物理防御、地/火/水/風/霊象の魔法防御Upなどにまとめ、用途を明確にする。
(3)治癒魔法
HEAL、RESURECT、MELT、STONE FLESH、UN-CURSE。REJUVENATEを除くほとんどを現状維持*1。
ただし、RESURECT、MELT、STONE FRESHなどには成功率も設け、場合によっては効果を得られない場合もある。
(4)補助魔法
自分の素早さUp、敵の攻撃力Downなど、パラメータに直接影響を与えるものに限定(=用途を明確にする)。
(5)全魔法共通
- 魔法スキルにはLv.を設け、Lv.が上がるごとに機能が向上する(Lv.は1〜5の範囲)
- Lv.の上昇に応じて、消費MPは増えて、詠唱時間も増える(発動までのタイムラグが増える*2)。
- レベルまで加味すると、実質的な魔法の数はむしろ増えるが、目的が明確になるので、魔法の使い分けにもつながるはずだ。
以下は、魔法Lv.による変化の例。
攻撃魔法 | 攻撃範囲の拡大、貫通/追尾などの追加など。 |
---|---|
Ex. FRAME Lv.1:火の玉(前方) Lv.2:火の槍(複数)、Lv.3:火の槍(複数&貫通)、Lv.4:ブーメラン(前後)、Lv.5:嵐(全体) | |
防御魔法 | 防御率、持続時間の向上 |
治癒魔法 | 復活、石化解除などであれば成功率の向上、治癒等であれば回復率の向上 |
補助魔法 | パラメータの上昇/下降率の向上、持続時間の向上 |
[試案]
治癒/防御魔法についてはキャラ同士の親密度(同じパーティでシナリオをクリアした回数)によって、効果に変動があっても良いかもしれない。
特にプレイヤー間でキャラの貸し借りを行う際に、特定のキャラをやりとりしたいという動機づけにもなり、プレイヤー同士の新密度にもつながるのではないか。
魔法一覧
以上の方針に基づく、具体的な魔法は、以下の別資料config.pdfを参照。
表の見方は以下。
習得できるクラス | ○はLv.Maxまで習得可。数字は習得可能な最大Lv.を表す |
---|---|
属性への効果 | 攻撃魔法の各属性への効果。100〜:効果増大、1〜99:効果減退、0:無効、-1未満:逆効果 |
魔法の拡張
- 魔法については、後々のシステムアップデートで拡張できる余地を残しておく。
- ただし、FLYなどゲームバランスを崩す魔法については要注意。またMP0で利用できる魔法なども原則として認めない。
石化/凍結状態の見直しで、治癒魔法の位置づけを改善
[問題]
現在は、凍結や石化などでも画面を切り替えると死亡扱いになってしまうため、MELT、STONE FRESHなどの必要性が弱かった(=RESURECTがあれば十分)
凍結、石化の扱いを改める。
- 凍結、石化の状態を画面切り替え&ペンタウァ帰還時も維持する
- MELT、STONE FRESHを利用するか、あるいは、<魔法使いの家>で解除しなければならない)
- 凍結、石化のキャラは操作切替不可となる(死亡の扱いについては後述)
魔法の影に隠れたポーションを活かせるように
[問題]
ポーション(ハーブ)には、以下のような問題があった。
アイテム≒ポーションの関係を切り離す
汎用的な<アイテム>の概念を設け、ポーションはあくまでその一部とする。アイテムとは、以下のようなパラメータをもつしくみである*1。
名前 | アイテムの名称 |
---|---|
標準価格 | アイテムの売買価格。ただし、PCのKRM値、<信用品>フラグの有無によって価格は変動 |
効果の対象 | 味方 or 敵モンスター、単独 or 全体 |
影響するパラメータ | HP、MP、STR、INTなど… |
効果(値) | アイテム利用で影響する値 |
効果(単位) | 値の単位(絶対値 or パーセンテージ) |
その他の特殊効果 | ペンタウァへ帰還などの特殊機能を表す |
重量 | アイテムの重さ(PCの敏捷性に影響) |
副作用 | アイテムを利用することで一定確率で発生するマイナス効果 |
副作用(発生タイミング) | 副作用の発生するタイミング(使用した時、効果が切れた時など) |
有効期限 | アイテムが有効である期限(残り時間) |
信用度 | アイテムの品質がどの程度信用できるものであるか(%) |
耐久度 | アイテムがどの程度破損しやすいか(高い程壊れにくい) |
<有効期限>で時間の概念を有効活用
<信用度>で、アイテム購入戦略にも選択肢を
- <信用度>とは、どの程度、そのアイテムの品質が信用できるかを示す割合
- ペンタウァの街で素材から合成/購入したアイテムなどは信用度が高い
- 効能の高いアイテムは、副作用の可能性がある(=信用度は低い)
- シナリオ内部で登場する<怪しい>店で購入したもの(ただし、安く購入可能)、もしくは、ダンジョンで拾ったものは、信用度は低いと見なされる
- <信用度>に応じて、アイテムの効果が不安定になる
- 利用しても、なにも起こらない or 効果が極端に弱い
- 副作用が発生する
- AGLを大幅アップする薬は、効果が持続している間、PRTをダウンさせる
- INTを大幅アップする薬は、効果が切れた時にINTを一時的にダウンするなど
- 素材であれば、合成依頼時に利用できない旨を告げられる、など
<信用度>によって、以下のような効果が期待できる。
- プレイヤーに対して、できるだけペンタウァの街で信用品を揃えるか、多少のリスクはあっても安物/拾い物で賄うかの選択を委ねられる(戦略幅の広がり)
- 本来、冒険で得られるものの品質は、それほど一定しているわけではないはず。時として不良品を掴ませられるのはごく自然(リアリティの追及)
<耐久度>で、戦闘により緊張感を
- キャラの防御力をある一定度合以上超える「強い」攻撃を受けた場合、アイテムは破損する可能性がある
- 破損のしやすさは、耐久度によって変化する
- 破損したアイテムは効力が極端に減るか、利用不可となる(売価は限りなくゼロに)
- 破損したアイテムは、街で修復可能(ただし、アイテムによっては不可)
<耐久度>によって、以下のような効果が期待できる。
- 耐久度の低いアイテムを所有している場合は、回避重視の戦闘スタイルに(緊張感の増加)
- 少々高価でも耐久度の高いアイテムを購入(戦略幅の拡がり)
汎用的な<合成>システムを新設
いくつかの素材を組み合わせることで、アイテムを合成できるしくみを設ける。素材は、主に以下のようなものに分類できる。
分類 | 素材(例) | 対応スキル |
---|---|---|
ハーブ | ラベンダー、ベルベーヌ、ヒソップ、マンドラゴラなど | 調合 |
金属 | 銀、黒金、亜鉛など | 鍛冶 |
木材 | メープル材など | 木材加工 |
毛皮/羽根/骨 | 竜骨、悪魔の牙、銀狼の毛皮など | 加工 |
食材 | リザードマンの肉、黄金の酒、ハチの巣など | 調理 |
その他 | 大木の樹液、塩酸、ジャックの炎など | なし |
従来のハーブは素材の一部として格下げし、素材/合成アイテムなどの蒐集要素を強化する。
<合成>システムの基本ルール
(1)素材を入手する
合成のためには、まず<素材>が必要となる。
- 素材の入手方法は、以下
- 街、シナリオのショップで購入
- ドロップアイテムとして倒した敵から入手
- 従来のハーブ同様、ダンジョン内の任意の場所を調べることで入手できる
- 高級な素材は一般的に入手しにくい
購入 | シナリオ内のショップで稀に店に並ぶ、など |
---|---|
ドロップアイテム | ドロップ率が低い、敵のステータスが高い、など |
ダンジョン内 | 探しにくい場所、何度か探さないと発見できない、入手には特定のアイテムが必要、など |
- <素材>蒐集を支援するためのアイテムもあり
- 支援アイテムは、<素材>の発見率を高めるもの、<素材>を入手するために絶対必要なものなどにわかれる。具体例は以下(マイナス効果のあるアイテムも)
アイテム | 機能 | 効果 |
---|---|---|
ツルハシ | 鉱物系の素材を掘り出すのに必要 | 必須 |
肉切りナイフ | 一度に入手できる毛皮/肉の量が増加 | 入手量Up |
魔法の鍵+X | 鍵のかかった宝箱を空ける(魔法の強さに応じて+1、+2) | 必須 |
瓶 | 樹液や酒などを持ち運ぶのに必要 | 必須 |
網マント | ハチの巣を入手する際に保有しているとダメージを受けずに済む | 軽減 |
ブラウンポーション | 強力な匂いを発し、魚などの獲物を発見しにくくなる | 悪影響 |
(2)素材の合成方法を教えてくれる<レシピ>
合成には、必要な素材と数を記した<レシピ>が必要
- <レシピ>はドロップアイテムとして入手可能
- <レシピ>と必要な<素材>を、街のギルド(新設)に持っていくことで合成が可能に
- <レシピ>にはレベルがあり、レベルに比例して以下のパラメータがUp
- 効果
- 合成期間
- 費用
- 失敗率
- 自PCが職業スキルとして「調合」「鍛冶」「加工」「木材加工」「調理」スキルを持っており、合成のための<素材>を持っている場合には、冒険中に補充も可能
- ただし、補充は冒険中でひとつ程度に限定し、街での合成をメインとする
- そもそも街での合成だけの方がシンプルかも(要検討)
(3)特別ルール(七惑星の欠片)
- <合成>に際しては、<七惑星の欠片>を任意の数だけ掛け合わせられる
- <七惑星の欠片>の効果は、以下のとおり。発生確率は掛け合わせる<欠片>の数に比例してUp
惑星 | 効果(例) | 確率 |
---|---|---|
火星 | 一定確率で攻撃系アイテムの威力が向上 | 中 |
水星 | 一定確率で治癒/防御系アイテムの効果が向上 | 中 |
木星 | 一定確率でアイテム合成の成功確率がUp | 中 |
月 | 一定確率でアイテムが変化(本来とは異なるアイテムを生成) | 低 |
太陽 | 一定確率でアイテムの消費期限が伸びる | 高 |
金星 | 一定確率でアイテムの合成期間が短縮される | 中 |
土星 | 一定確率でアイテムが複数生成される | 低 |
- <七惑星の欠片>の効果は、あくまで確率のUpに留め、合成の必須要件とはしない
- つまり、<欠片>を投入してもなんら効果を得られない場合もあるし、ごく稀に強力なアイテムを得られることも。ガチャ的?なオマケ要素として楽しんでもらえればと思う
アイテム(ポーション)の役割を向上
本項での新たな提案はない。
以下の理由から、Next案ではアイテムの役割は自ずと改善していると期待している。
- 成長ツリーの導入によって、魔法がすべてのキャラで扱えるものではなくなった(=魔法を使えないキャラも、アイテムで同等の効果を得られる)
- MPの自動回復を廃止(後述)したことで、魔法そのものが無制限に利用できるものではなくなった