新時代のソーサリアンを提案する

30周年を越えたソーサリアンの夢と妄想を語り続ける

魔法の影に隠れたポーションを活かせるように

[問題]
ポーション(ハーブ)には、以下のような問題があった。

  • 種類がほぼ魔法と重複しているため、特に治癒系の魔法が揃ってくるゲーム中盤以降では、ほとんど利用しなくなってしまう
  • ソーサリアン世界ではいわゆるアイテムは存在せず、すべてがポーションの別名であった。そのため、アイテムの広がりを自ずと限定していた
    • たとえば<肉>というアイテムがあったとしても、その実体はHEALという薬の別名にせざるをえなかった
  • ポーションのもととなるハーブは一種の蒐集要素である。しかし、5種類だけのごく限定された組み合わせであり、現代の蒐集要素としてはあまりに不足している

アイテム≒ポーションの関係を切り離す

 汎用的な<アイテム>の概念を設け、ポーションはあくまでその一部とする。アイテムとは、以下のようなパラメータをもつしくみである*1

名前 アイテムの名称
標準価格 アイテムの売買価格。ただし、PCのKRM値、<信用品>フラグの有無によって価格は変動
効果の対象 味方 or 敵モンスター、単独 or 全体
影響するパラメータ HP、MP、STR、INTなど…
効果(値) アイテム利用で影響する値
効果(単位) 値の単位(絶対値 or パーセンテージ)
その他の特殊効果 ペンタウァへ帰還などの特殊機能を表す
重量 アイテムの重さ(PCの敏捷性に影響)
副作用 アイテムを利用することで一定確率で発生するマイナス効果
副作用(発生タイミング) 副作用の発生するタイミング(使用した時、効果が切れた時など)
有効期限 アイテムが有効である期限(残り時間)
信用度 アイテムの品質がどの程度信用できるものであるか(%)
耐久度 アイテムがどの程度破損しやすいか(高い程壊れにくい)
<有効期限>で時間の概念を有効活用
  • <有効期限>は、時間の概念を持つソーサリアンならではのしくみである
  • アイテムはそれぞれに寿命(有効期限)を持っており、寿命を経過したアイテムは消滅する
  • これによって、(たとえば)肉/薬草は回復効果が高いが寿命も短い、一方、保存食は効果は低いが寿命は長い、など、アイテムの特性をより出しやすくなる*2
<信用度>で、アイテム購入戦略にも選択肢を
  • <信用度>とは、どの程度、そのアイテムの品質が信用できるかを示す割合
    • ペンタウァの街で素材から合成/購入したアイテムなどは信用度が高い
    • 効能の高いアイテムは、副作用の可能性がある(=信用度は低い)
    • シナリオ内部で登場する<怪しい>店で購入したもの(ただし、安く購入可能)、もしくは、ダンジョンで拾ったものは、信用度は低いと見なされる
  • <信用度>に応じて、アイテムの効果が不安定になる
    • 利用しても、なにも起こらない or 効果が極端に弱い
    • 副作用が発生する
      • AGLを大幅アップする薬は、効果が持続している間、PRTをダウンさせる
      • INTを大幅アップする薬は、効果が切れた時にINTを一時的にダウンするなど
    • 素材であれば、合成依頼時に利用できない旨を告げられる、など

 <信用度>によって、以下のような効果が期待できる。

  • プレイヤーに対して、できるだけペンタウァの街で信用品を揃えるか、多少のリスクはあっても安物/拾い物で賄うかの選択を委ねられる(戦略幅の広がり)
  • 本来、冒険で得られるものの品質は、それほど一定しているわけではないはず。時として不良品を掴ませられるのはごく自然(リアリティの追及)
<耐久度>で、戦闘により緊張感を
  • キャラの防御力をある一定度合以上超える「強い」攻撃を受けた場合、アイテムは破損する可能性がある
  • 破損のしやすさは、耐久度によって変化する
  • 破損したアイテムは効力が極端に減るか、利用不可となる(売価は限りなくゼロに)
  • 破損したアイテムは、街で修復可能(ただし、アイテムによっては不可)

 <耐久度>によって、以下のような効果が期待できる。

  • 耐久度の低いアイテムを所有している場合は、回避重視の戦闘スタイルに(緊張感の増加)
  • 少々高価でも耐久度の高いアイテムを購入(戦略幅の拡がり)

汎用的な<合成>システムを新設

 いくつかの素材を組み合わせることで、アイテムを合成できるしくみを設ける。素材は、主に以下のようなものに分類できる。

分類 素材(例) 対応スキル
ハーブ ラベンダー、ベルベーヌ、ヒソップ、マンドラゴラなど 調合
金属 銀、黒金、亜鉛など 鍛冶
木材 メープル材など 木材加工
毛皮/羽根/骨 竜骨、悪魔の牙、銀狼の毛皮など 加工
食材 リザードマンの肉、黄金の酒、ハチの巣など 調理
その他 大木の樹液、塩酸、ジャックの炎など なし

 従来のハーブは素材の一部として格下げし、素材/合成アイテムなどの蒐集要素を強化する。

<合成>システムの基本ルール

(1)素材を入手する

 合成のためには、まず<素材>が必要となる。

  • 素材の入手方法は、以下
    • 街、シナリオのショップで購入
    • ドロップアイテムとして倒した敵から入手
    • 従来のハーブ同様、ダンジョン内の任意の場所を調べることで入手できる
  • 高級な素材は一般的に入手しにくい
購入 シナリオ内のショップで稀に店に並ぶ、など
ドロップアイテム ドロップ率が低い、敵のステータスが高い、など
ダンジョン内 探しにくい場所、何度か探さないと発見できない、入手には特定のアイテムが必要、など
  • <素材>蒐集を支援するためのアイテムもあり
    • 支援アイテムは、<素材>の発見率を高めるもの、<素材>を入手するために絶対必要なものなどにわかれる。具体例は以下(マイナス効果のあるアイテムも)
アイテム 機能 効果
ツルハシ 鉱物系の素材を掘り出すのに必要 必須
肉切りナイフ 一度に入手できる毛皮/肉の量が増加 入手量Up
魔法の鍵+X 鍵のかかった宝箱を空ける(魔法の強さに応じて+1、+2) 必須
樹液や酒などを持ち運ぶのに必要 必須
網マント ハチの巣を入手する際に保有しているとダメージを受けずに済む 軽減
ブラウンポーション 強力な匂いを発し、魚などの獲物を発見しにくくなる 悪影響
(2)素材の合成方法を教えてくれる<レシピ>

 合成には、必要な素材と数を記した<レシピ>が必要

  • <レシピ>はドロップアイテムとして入手可能
  • <レシピ>と必要な<素材>を、街のギルド(新設)に持っていくことで合成が可能に
  • <レシピ>にはレベルがあり、レベルに比例して以下のパラメータがUp
    • 効果
    • 合成期間
    • 費用
    • 失敗率
  • 自PCが職業スキルとして「調合」「鍛冶」「加工」「木材加工」「調理」スキルを持っており、合成のための<素材>を持っている場合には、冒険中に補充も可能
    • ただし、補充は冒険中でひとつ程度に限定し、街での合成をメインとする
    • そもそも街での合成だけの方がシンプルかも(要検討)
(3)特別ルール(七惑星の欠片)
  • <合成>に際しては、<七惑星の欠片>を任意の数だけ掛け合わせられる
  • <七惑星の欠片>の効果は、以下のとおり。発生確率は掛け合わせる<欠片>の数に比例してUp
惑星 効果(例) 確率
火星 一定確率で攻撃系アイテムの威力が向上
水星 一定確率で治癒/防御系アイテムの効果が向上
木星 一定確率でアイテム合成の成功確率がUp
一定確率でアイテムが変化(本来とは異なるアイテムを生成)
太陽 一定確率でアイテムの消費期限が伸びる
金星 一定確率でアイテムの合成期間が短縮される
土星 一定確率でアイテムが複数生成される
  • <七惑星の欠片>の効果は、あくまで確率のUpに留め、合成の必須要件とはしない
  • つまり、<欠片>を投入してもなんら効果を得られない場合もあるし、ごく稀に強力なアイテムを得られることも。ガチャ的?なオマケ要素として楽しんでもらえればと思う

アイテム(ポーション)の役割を向上

 本項での新たな提案はない。
 以下の理由から、Next案ではアイテムの役割は自ずと改善していると期待している。

  • 成長ツリーの導入によって、魔法がすべてのキャラで扱えるものではなくなった(=魔法を使えないキャラも、アイテムで同等の効果を得られる)
  • MPの自動回復を廃止(後述)したことで、魔法そのものが無制限に利用できるものではなくなった

*1:新たな提案というよりも、ごく一般的なアイテムの概念に導入したにすぎないが…

*2:そもそも、生ものを年単位で保存できるのが不自然