世界名作童話ソーサリアン 第2話:魅惑の舞踏会(灰かぶり姫)
プロローグ
古城にて毎夜のごとく行われる舞踏会。
その豪華絢爛な宴と館の主に女性たちは虜にされていた。
そこへ通う女性たちは仕事も家事も忘れ、挙句の果て帰らなくなる者まで出てきた。
事態を重く見た王宮はソーサリアンに調査を依頼した。
※このシナリオは女性しか参加できません。
※このシナリオは3人までです。
ストーリー
古城の建つ城下町へ訪れたソーサリアン。
城へ向かう道中で、着飾った母娘が家を出ようとする場面に出くわす。
「いいかい。あんたはしっかりと家の用事をしておくんだよ」
そう家の中へ言い放つと、そそくさと母娘は足早に出かけて行った。
そのまま城へ向かってみるも、ソーサリアンは正装で無い事から門番に追い返され中には入れない。どうしたものかと城下町へと戻っていると、先ほどの娘、シンデレラが話しかけて来た。「いったいどうなされたのですか」と。
事情を話すと衣装など一式を貸してくれるとの事。ただし、彼女から頼まれ仕事を幾つかこなす事と、お城へは彼女も同伴する事を条件に。
凶暴な野獣や魔物が住む森の奥へと往復し、一連のお使い用事を無事終えると、衣装一式と共にシンデレラがパーティーに加わった。
夜空には大きな満月が輝いている。
今度は難なく場内へ入る事が出来た一行。
シンデレラより、舞踏会場へ行く前に城内探査を頼まれ同行。
城の地下にはなぜか魔物が多く巣食っていた。
魔物と幾重にも仕掛けられたカラクリをくぐり抜けた先の部屋で、シンデレラはある確信をする。
「ただの噂話かと思っていたけど、本当に復活していたとはね…」
「おっと、いけませんね。勝手に人様の部屋に入り込んでは。」
いつの間にか部屋の出入り口に執事風の男が佇んでいた。
「悪い子にはお仕置きの必要がありますね。」
そう言うと空中に大きなカマを出現させ、ソーサリアンを攻撃してきた。
大小、数々のカマを操る執事風の男を倒すと、シンデレラは城主の元へと急ごうとうながしてきた。
舞踏会場へたどり着いた時に12時を告げる鐘が鳴り響いた。
「伯爵。もう魔法は解ける時間よ。」
シンデレラはそう言うや否や、ソーサリアンに集めさせた朝露の入った小瓶にハーブを浸し、周囲に撒き散らした。
するとそれまできらびやかだった室内の様相は様変わり。
朽ち果てた古城の姿を現した。
また、魅入られた表情だった女性たちも正気を取り戻し、シンデレラの指示通り退出して行った。
怒りをあらわに伯爵はこう告げる。
「おのれ。小賢しい小娘らめ!私を誰だと思っておるのだ!?」
「ふふふ。高貴な眷属の者、とでも言いたいんでしょ?
あなたこそこの紋章を知ってるかしら?」
そう言うとシンデレラは手に持つ鞭の握り手にある紋章を高々と掲げて見せた。
「!?…その紋章は…貴様!」
バンパイアロードは先程とはうってかわり余裕を失ったように見える。
「うふふ。うちは分家筋なんだけどね。それでも由緒正しい"ベルモンド家"の血族よ!」
死闘の末、ようやくバンパイアロードを倒したかのように見えたが、奴は「まだまだ!」と怖ろしい気迫を見せ再び襲いかかってこようとした。
「しかし…魔法は終わりの時間よ」
シンデレラが柱に一撃を与えると、壁面が崩れ落ち朝陽が差し込んで来た。
「この時期には太陽はいっときしか沈まないの」
バンパイアロードは声も無く灰と化して行く中、シンデレラはそう告げる。
辛くもバンパイアロードを倒したソーサリアン。
街は平穏を取り戻した。
「さて、私もここにいる必要がなくなったわ。またどこかで出会えたらよろしくね」
そう言うとシンデレラはパーティーを外れ、ソーサリアンとは別の道を1人旅立って行ったのであった。