新時代のソーサリアンを提案する

30周年を越えたソーサリアンの夢と妄想を語り続ける

世界名作童話ソーサリアン 第1話:偽りの仮面(カエルの王様)

プロローグ

 近隣の国王から依頼が寄越された。娘をカエルの姿から元に戻して欲しい、と。カエルの姿から人の姿を現した王子の元へ嫁いで行ったのだが、まさか娘がそんな姿になるとは思っていなかったらしい。そもそもなぜ娘はそのような姿になったのであろうか?

ストーリー

 ソーサリアンはロロ王子の住む城へと向かう事にした。

 道中の小さな村で老人に呼び止められる。
「それ以上先へ進んでも廃城しかないぞ」と。

 たどり着いた城は廃城ではなく豪華なたたずまいをしていた。
 しかし、人の気配は感じられない。
 ロロ王子が出て来て、二人慎ましく暮らしているだけだ、とソーサリアンを追い返す。

 城の裏側には沼地が広がっているだけであった。
 ふと見ると巨大なカエルが鎮座していた。頭には王冠が!
 その正体はゾマーシェーン王女であった。

 ロロ王子の元へ嫁ぎ、一夜明けるとこのような姿になっていた。
 この姿でも王子は変わらず愛情を注いでくれるので、このままでも良いかも、と。
 そう話すと、もう私の事は放っておいて、と取り合ってくれない。

 おずおずと引き返して来たソーサリアンを見かけた老人が話しかけてくる。
「なんと!修復され人も住んでいたとな!?」

 老人は語る。
 以前、あそこを含めここらは蛇神様の恩恵を受けた土地であったと。
 何もなかったこの土地に白蛇が現れ、人が住める土地にしてくれたと言う伝承が残っており、先の城にはそれを受けて蛇の紋章が伝わっていたと言う。また、沼地の奥には祠もあったはず、だとも。

 沼地の奥へと行ってみると、ただ岩が点在しているだけと思っていた場所は、破壊された祠が散らばっていたのであった。そして、その先はけもの道から通じる洞窟が広がっていた。

 入り口の方こそ動物や魔物が巣食っていたが、奥は広間になっており、ソーサリアンが部屋に足を踏み入れると声が聞こえてきた。
「おやおや、こんな所にまでお客さんとは珍しいね」
 そこには年老い傷付いた白い大蛇が寝そべっていた。

 突如現れた王子に傷つけ追いやられたんだそう。
 奴はただの人にあらず、もう老い先短いわが身、力を集約したこれを持ってお行き、と自らの左眼を差し出して来た。

 もう一度、王宮へと向かい、姫の事など話しかけると、
「うるさい奴らめ!これでも喰らえ!」
 そう言うと火柱をあげて攻撃してきた。

 あまりの火炎攻撃に何の手立ても無いうちは引き下がるを得ないが、「白蛇の瞳」を持っている場合は瞳が光を放ち、ロロが悲鳴をあげる。苦しみ倒れたかと思ったら、次第にその姿は巨大なアカガエル(ジャイアントトード)へと変わっていった。

「おのれ!あのくたばりぞこないめ…!」
 そう言いながらもジャイアントトードは飛び跳ね周りながら火炎を吐き出して攻撃をしてくる。火炎は着地点を中心に広がり周辺をも焼き尽くす威力を持っていた。

「ははは!不思議だろう?なぜカエルが火炎を操るのか!死ぬ前に教えてやろう!俺様はあの老レッドドラゴンフラジオレが倒される際、そばにいて血を浴び、この力を得たのだ!」
 また、この沼地はカエルにはもってこいの土地なので、蛇には勿体無く奪ってやったとの事。一眼見かけた王女気に入り彼女こそ自分の妻に相応しいと思い迫った事なども語り出し、さらなる攻撃を繰り出してきた。

 激闘の末、ソーサリアンはロロを倒す。

 場内へ向かうと、ロロが放っていた魔力が切れたため、城は廃墟の姿をさらし、姫は人間の姿を取り戻していた。
「私の力で村の人々と共にこの土地を再興してみるわ」