はじまりのゼロ SS「五稜郭炎上 - 没:物語消ゆ」(1)
作者より
もともとは、[承]函館燃ゆ(デュエル編)として用意していたシナリオです。ご覧いただくと判るように、最初は、かなりお気楽?道中だったのですが、
- ちょっと唐突感があるかな〜
- 五稜郭の他の面々が全然活躍できないな〜
などとストーリーを練り直した挙句に、本編は一挙、ダークファンタジーの世界へ。
内部査読では、他作者の方々からの反応も良かったため、なんとか「[結]巨神醒む」で再利用できないかとも思ったのですが、あまりにテイストが異なるため、ボツと決断。また、どこか別のシナリオで復活できればと企んでいます。
[1]五稜郭のどこか。夢?(スタート地点)
五稜郭の室内らしきどこか。
悪魔のような風体の妖(収集家グリメルム・地)が目の前に立ちはだかっている。
グリメルム「まだ早い、まだ早いのだよ……」
無条件に戦闘開始。敵詳細は、「少女は英雄を語りて」(http://www.web-deli.com/sorcerian/spe5.zip)設定資料を参照のこと。
グリメルムには勝てないが、一定時間戦い続けると……
グリメルムがひときわ大きな次元の裂け目を作りだし、デュエル吸い込まれる。
画面暗転。
[2]地下ダンジョン(真のスタート地点)
地下水が滴り落ちる湿った地下ダンジョンで目覚めるデュエル。
デュエル「夢……?」 解説「ここはどこだろう。 五稜郭で榎本と相まみえたこと。 函館市街地に、新政府軍が押し寄せたとの報告があったこと。 そして、榎本に出撃を求め…… 記憶がボンヤリして、その後、どこでなにをして、 どうしてここにやってきたのかが思い出せない」 デュエル「これは……?」 解説「気が付くと、手には両刃の大剣がしっかりと握られていた。 自分の持ち物ではないことは確かだが、どこで手に入れたのだろう。 いずれにせよ、この場でこうしていても埒があかない。 先に進んだ方が良さそうだ」
以降、地下ダンジョンの探索。
兵士の屍
解説「兵士たちの屍がそちこちに放置されている。 どの屍も骨と皮ばかりに痩せ細り、苦悶の末に朽ち果てたことが伺える。 中には、同胞同士で食い散らかした跡もあるようだ。 彼らは……餓死したのだ」
金属プレート
ダンジョンのそちこちで<金属プレート>を見つける。
解説「白金に光る、薄い金属の板を見つけた。 掠れてはいるが、『しるひとにせむ』と読み取れる。 <金属プレート・しるひとにせむ>を手に入れた」 解説「白金に光る、薄い金属の板を見つけた。 掠れてはいるが、『みをばおもはず』と読み取れる。 <金属プレート・みをばおもはず>を手に入れた」 解説「白金に光る、薄い金属の板を見つけた。 掠れてはいるが、『ちかひてし』と読み取れる。 <金属プレート・ちかひてし>を手に入れた」
魔物の群れる道
魔物が溢れかえっている道がある。
しばらく戦うが、一向に魔物の数は減らず、先にも進めない。
解説「魔物の数が多すぎる。 無理せず、いったん引き返した方が良さそうだ」
エティスとの再会
餓鬼のように痩せこけた少年が倒れている。
少年「おぉおぉ、お主か…儂としたことが、なんと不覚なことか」 デュエル「……!?」 解説「聞き覚えがある、脳裏に直接響くような声は…… どうやら、エティスのようだ」 エティス「なにをしている、とは情けのない申しようではないか……! ぬしのことが気になってのぅ。 踏み込んでみたらば、なんということじゃ。 この忌々しい体に絡み取られて、抜け出られなくなってしもうた。 藁にも縋る、とはよく言ったものじゃな。 まさか霊体にまで縋りよるとは思わなんだ。 魔導士になってよりこちら忘れておったが、 俗人における食欲のなんと浅ましきことよ。 そして、ぬしよ…… その、なんだ、儂は腹が減ってならぬのじゃが」 デュエル「……!?」 エティス「うむむ……腹が減って、どうにも動けぬ。 そうじゃ、こんな時はフワフワの<プレーンオムレツ>を 食したいぞ。 ま、待て、断じて儂ではないぞ。 この卑しき体が、そう申しておるのだ」 解説「魔導士の言葉の真偽はどうあれ、放っておくわけにはいかないようだ。 見ている間にも、どんどん顔色も悪くなっているし、 とにかく材料を調達しよう」 エティス「調理のことは心配するでないぞ。 儂の召喚魔<クック・コッケ>がおれば、 どんな料理でも自由自在だでな」
煙と共に、鶏のような悪魔が現れる。
クック・コッケ「オレ、ナンデモ ツクル。 コムギコ、パンコ、コメハ モッテキテ ヤッタゾ。 アトノ ザイリョウ ハ オマエ モッテコイ」
[3]食材探しミッション
以降、ダンジョン内のモンスターを斃すことで食材を得られるようになる
ダンジョン内部で発見できるモンスターと、得られる食材の関係は以下のとおり。
- ポテトン(ジャガイモ)
- オニオンズ(タマネギ)
- ミノタウロス(牛肉)
- ペリュトン(卵)
それぞれのモンスターに遭遇すると、ミニゲームが発生。
ポテトン(ジャガイモ)
ポテトンのいるマップに入ると、ポテトンが次々と転がってくる。
解説「あの勢いでぶつかられたら、生身ではひとたまりもないぞ! とにかく躱して躱して、躱しまくれ」
避けると、ポテトンは背後の壁にぶつかって、ジャガイモになる。
ただし、時としてバウンドしてくるので、ジャンプするだけでなく、そのままでやりすごす必要も。時間と共に、スピードも増してくるので要注意。
一定数を避けると…
解説「このくらいで十分だろう。 <ジャガイモ>を手に入れた」
一度でも失敗すると、画面暗転。
直前のマップから再開。
オニオンズ(タマネギ)
入り組んだ洞窟内でミニオニオンズが一定の時間間隔で毒液を噴き上げている。
最奥部には、オニオンズが輪になった<オニオンリング>がいるので、毒液を避けながら、一定時間以内に<オニオンリング>を倒すこと。ただし、ミニオニオンズは次第と複雑な位置関係となり、毒液が噴き上げるパターンが読みにくくなってくるので、要注意。
解説「オニオンズが吹き上げる毒液は、かなり強力なものだ。 触れればひとたまりもないぞ!」
オニオンリングを斃すと…
解説「<タマネギ>を手に入れた!」
毒液に触れてしまうと、画面暗転。
デュエル「目が、目がぁ……!」
直前のマップから再開。
また、毒液に触れなかった場合にも、一定時間を経過してしまうと…
解説「<しなびたタマネギ>を手に入れた… これでも、大丈夫だろうか…?」
クック・コッケのところへ持っていくと…
クック・コッケ「テヤンディ、コンナ タマネギ ガ ツカエルケィ!」
タマネギを投げつけられ、小ダメージを受ける。
ペリュトン(卵)
上空を旋回しながら、岩、子鬼、もしくは卵を落としてくる。
解説「ペリュトンが落としてくる卵を下で受け止めろ。 ただし、落としてくるのは卵だけではないようだ。 岩や子鬼を受け止めてしまわないよう、注意だ」
岩に当たると、大ダメージ。
子鬼に当たると、それまでに集めた卵はすべて奪われてしまう。
時間と共に、スピードも増してくるので要注意。
一定数を入手すると…
解説「このくらいあれば、十分だろう。 <卵>を手に入れた」
[4]調理ミッション
無事に調達して、エティス(クック・コッケ)のところまで戻ってくると…
クック・コッケ「オイ オマエ、 <**料理名**>、ホントニ ツクルノカ?」
上のように訊かれるので、[はい]とすると、
続いて、料理に加えるべき食材を選択できるようになる。
選択すると……
クック・コッケ「コレデ イインダナ?コウカイ シナイカ?」
[いいえ]を選択すると…
クック・コッケ「テヤンデェ。 オトトイ デナオシテ キヤガレ、コンチクショウ」
[はい]を選択すると
クック・コッケ「オイ、ボケッ ト フンゾリ カエッテンジャネェゾ。 ココカラガ ジュウヨウ ダ。 ナベノ ザイリョウ、オレノ アイズデ カキマゼロ。 カケゴエハ <くっく・こっけ・ぴよー>ダ。 マチガエルナヨ、コノ ボケナス メ」
掻き混ぜ方の詳細は、以下の図(未稿)を参照。
以下の図(鍋の表面)がランダムに表示されるので、何度かクック・コッケが掻き混ぜた後に、<くっく・こっけ・ぴよー>の掛け声がかかったら、直前に描かれたものと同じように混ぜる。一定時間内に、先ほど表示された紋様を指タッチで正しく描ければ成功!食材が正しく、かき混ぜ方もあっていると…
エティス「うむ、美味じゃのぅ…」
食材を間違えた、混ぜ方を間違えた、<くっく・こっけ・ぴよー>の掛け声が掛かっていないのに混ぜてしまった、などの場合は…
エティス「なんと、こんなものも作れぬとはなさけない…!」 クック・コッケ「ドウシ、モウシワケ アリマセヌ。 ボケナス ニハ ヨク イイキカセマス ユエ」
同じ料理で3度間違えると…
解説「エティスは餓死したようだ。冒険に失敗した……」
クック・コッケに激しく突かれながら、Game Over
以下は、それぞれ要求される食べ物と、必要な食材。
- プレーンオムレツ=卵
- ハンバーグ=牛肉+玉ねぎ
- 牛丼=卵+牛肉+玉ねぎ
- コロッケ=卵+牛肉+玉ねぎ+ジャガイモ
[5]調理ミッション終了
(発生条件)要求された全ての料理に成功すると……
クック・コッケ「ボケナス、オマエ ナカナカ ガンバッタナ…… コノ オレ ノ リョウリ ニ ツイテクルトハ タイシタ ヤツ。 コンゴ <ヒヨ・コッケ> ト ナノルノヲ ユルシテヤロウ。 コケーーッ!」
クック・コッケの姿は薄れて消えていく……
エティス「おぉ、そちのおかげで、儂の… いやいや、この忌々しい俗人の腹も朽ちたようだ。 これで、儂も無事に解放されると… なに、地上まで自分も連れてゆけ、だと…!?」 解説「どうやら体の持ち主と揉めているようだ。 しばらくエティスの奇妙な<言い争い>を眺めていると、 やがてエティスが溜息を吐いた」 エティス「……ぬしよ、しばらく同行させてもらうぞ」 解説「どうやらエティスが押し切られたらしい。 エティス(?)が仲間になった」
[6]魔物の通路
(発生条件)エティスを仲間として連れていること
エティスを連れて、先ほど通れなかった魔物の通路へ…
相変わらず、魔物が大量に発生して通れない。
解説「ダンジョンの道は、既に調べつくした。 先に進むには、おそらく、この道を突破するしかなさそうだ」
戦闘継続。敵の数は一向に減らず、体力が次第とそぎ落とされていく……
ちなみに、この時点でエティスはあまり役に立たない。
(発生条件)体力が半減するか、武器の損耗度が50%を超えた場合(ただし、エティスが死亡していないこと)
エティス「なんと、雑魚どもがちょこざいことよのぅ……」 エティスが前に出ると呪文を唱え、GOD THUNDER。魔物たちを一掃! エティス「……なんだ、なにを驚く。ぬしや、儂を誰だと思っておったね」
(End)