新時代のソーサリアンを提案する

30周年を越えたソーサリアンの夢と妄想を語り続ける

はじまりのゼロ TS「ゼロの創造」(冒険の書&シナリオデータ)

プロローグ

 この地には、古くからの言い伝えがある。
この世のあらゆるモノは、たった一人の神が創造したという伝説だ。
人々がそう考える根拠は確かにある。

 - 複雑に絡み合った動植物の生態。
 - 数式で表現可能な宇宙の姿。
 - そして、その全てを知覚する人類の存在。

 多くの賢者が、これらを偶然の産物と呼ぶには無理があると考えた。
何者かが緻密に設計し、意図的に創り上げたと考える方が自然なのだ。
その何者かの存在を、人々は創造神と呼び、信仰の対象としてきた。

 かつて、創造神がこの世に大いなる恵みを与えていた時代があったという。
常に世界には新しい発見があり、人々は新天地の開拓に乗り出していった時代だった。
人々は創造神を信じ、その光臨を願っていた。
それを創造神信仰と呼ぶ。
しかし、願いも虚しく、創造神は姿を見せる事はなく、影響も薄れていった。
世界には久しく新しい発見は無い。
創造神信仰そのものが人々の記憶から消えていった。

 時代は流れ、混迷の時代。
世界には虚無が広がり、人々は滅びゆく世界を感じていた。
連動するように、創造神信仰は再び復活の兆しを見せていた。

冒険の目的

 神の祝福を受けた「金の卵」というアイテムが存在するという。
 これは、崩壊間際のこの世界を横断する力を持つという。
 エティスは、ソーサリアンにこの「金の卵」を探すよう命じた。

登場人物

エティス 時空を超え、ソーサリアンに助言を与える魔法使い
宣教師エンシャ 辺境の村で布教活動を行っている。ユーデリアの弟子
赤毛の剣士 異世界から来た<絆人>の一人(「イース」より)
ロキア 魔女の弟子(「深き森の魔女」より)
預言者ユーデリア 自らを救世主と名乗る男。創造神と会話ができるという
ドギ 元盗賊。<金の卵>捜索に協力する(「イース」より)
フリージ 森に住む魔女。(「深き森の魔女」より)

登場アイテム

ベニテングタケ 幻覚作用のある毒キノコ。宗教儀式に利用される
金の卵 神から授けられた鶏が産む卵(「深き森の魔女」より)
信者の証 ユーデリアの信者であることを証明するもの
英雄の絵本 読者を異世界にいざなう魔法の本(「少女は英雄を語りて」より)

登場モンスター

ヒポグリフ グリフォンと馬の間に生まれた魔法生物
マンティコア 人の顔、ライオンの胴、鷲の翼、サソリの尾を持つ魔法生物。尾の毒に注意
ダーク・ユニコーン ユニコーンが魔法によって怪物と化した姿
コカトリス 蛇の王とよばれる怪物。石化の視線に注意
ブザッティ 混沌の力を操る巨大な獣人。トカゲのような頭部を持ち、二本の剣で攻撃する(「ザナドゥシナリオ?」より)

作者からひとこと

 「ソーサリアンの創造神」は、いつか作品に登場させてみたいと思っていました。
 「はじまりのゼロ」は崩れた世界を舞台にしているので、破壊と創造というテーマがぴったり当てはまると感じ、このテーマにチャレンジしてみました。ただ、登場させるといっても現実世界の神様が目に見えないのと同じで、ソーサリアンの創造神も「目に見えないけど存在を感じるもの」という位置づけにしています。

 ソーサリアンの創造神は言うまでもなく木屋善夫さんの事です。

 ファルコム全盛期を知るファンの方々は、木屋さんの信奉者が多いと思います。私たちの神と呼ぶにふささしいでしょう。でも、木屋さんのネットでの発言の節々には、過去の作品への思い入れよりもむしろ、それにこだわらず、現代に適合した斬新なモノを求めていると感じます。もし、今後木屋さんがゲームを製作したら、これまでのファンの期待を(いい意味で)裏切る作品になると私は思います。創造神の考えは我々凡人の思考の及ばぬところにあるのです。

 本シナリオは最終ステージという事で、雰囲気はシリアスに徹しています。また、Web(ブログ)での公開方法もゲームブック的な要素を取り入れていますので、その部分も楽しんでいただけたらと思っています。

このシナリオの楽しみ方

 このシナリオは、2通りの読み方ができます。

(1)ゲームブック風に楽しむ

 各ポイントの「どこに行きますか?」の下にあるリンクを選択しシナリオを進めることができます。ソーサリアンをプレイしている気分を味わってください。

(2)読み物として楽しむ

 各フェイズ・ポイントを上から順に読み、シナリオの全貌をお楽しみ下さい。

→TS「ゼロの創造」(ストーリー前編へ)