はじまりのゼロ TS「ゼロの創造」(冒険の書&シナリオデータ)
プロローグ
この地には、古くからの言い伝えがある。
この世のあらゆるモノは、たった一人の神が創造したという伝説だ。
人々がそう考える根拠は確かにある。
- 複雑に絡み合った動植物の生態。
- 数式で表現可能な宇宙の姿。
- そして、その全てを知覚する人類の存在。
多くの賢者が、これらを偶然の産物と呼ぶには無理があると考えた。
何者かが緻密に設計し、意図的に創り上げたと考える方が自然なのだ。
その何者かの存在を、人々は創造神と呼び、信仰の対象としてきた。
かつて、創造神がこの世に大いなる恵みを与えていた時代があったという。
常に世界には新しい発見があり、人々は新天地の開拓に乗り出していった時代だった。
人々は創造神を信じ、その光臨を願っていた。
それを創造神信仰と呼ぶ。
しかし、願いも虚しく、創造神は姿を見せる事はなく、影響も薄れていった。
世界には久しく新しい発見は無い。
創造神信仰そのものが人々の記憶から消えていった。
時代は流れ、混迷の時代。
世界には虚無が広がり、人々は滅びゆく世界を感じていた。
連動するように、創造神信仰は再び復活の兆しを見せていた。
冒険の目的
神の祝福を受けた「金の卵」というアイテムが存在するという。
これは、崩壊間際のこの世界を横断する力を持つという。
エティスは、ソーサリアンにこの「金の卵」を探すよう命じた。
登場人物
エティス | 時空を超え、ソーサリアンに助言を与える魔法使い |
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宣教師エンシャ | 辺境の村で布教活動を行っている。ユーデリアの弟子 |
赤毛の剣士 | 異世界から来た<絆人>の一人(「イース」より) |
ロキア | 魔女の弟子(「深き森の魔女」より) |
預言者ユーデリア | 自らを救世主と名乗る男。創造神と会話ができるという |
ドギ | 元盗賊。<金の卵>捜索に協力する(「イース」より) |
フリージ | 森に住む魔女。(「深き森の魔女」より) |
登場アイテム
ベニテングタケ | 幻覚作用のある毒キノコ。宗教儀式に利用される |
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金の卵 | 神から授けられた鶏が産む卵(「深き森の魔女」より) |
信者の証 | ユーデリアの信者であることを証明するもの |
英雄の絵本 | 読者を異世界にいざなう魔法の本(「少女は英雄を語りて」より) |
登場モンスター
ヒポグリフ | グリフォンと馬の間に生まれた魔法生物 |
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マンティコア | 人の顔、ライオンの胴、鷲の翼、サソリの尾を持つ魔法生物。尾の毒に注意 |
ダーク・ユニコーン | ユニコーンが魔法によって怪物と化した姿 |
コカトリス | 蛇の王とよばれる怪物。石化の視線に注意 |
ブザッティ | 混沌の力を操る巨大な獣人。トカゲのような頭部を持ち、二本の剣で攻撃する(「ザナドゥシナリオ?」より) |
作者からひとこと
「ソーサリアンの創造神」は、いつか作品に登場させてみたいと思っていました。
「はじまりのゼロ」は崩れた世界を舞台にしているので、破壊と創造というテーマがぴったり当てはまると感じ、このテーマにチャレンジしてみました。ただ、登場させるといっても現実世界の神様が目に見えないのと同じで、ソーサリアンの創造神も「目に見えないけど存在を感じるもの」という位置づけにしています。
ファルコム全盛期を知るファンの方々は、木屋さんの信奉者が多いと思います。私たちの神と呼ぶにふささしいでしょう。でも、木屋さんのネットでの発言の節々には、過去の作品への思い入れよりもむしろ、それにこだわらず、現代に適合した斬新なモノを求めていると感じます。もし、今後木屋さんがゲームを製作したら、これまでのファンの期待を(いい意味で)裏切る作品になると私は思います。創造神の考えは我々凡人の思考の及ばぬところにあるのです。
本シナリオは最終ステージという事で、雰囲気はシリアスに徹しています。また、Web(ブログ)での公開方法もゲームブック的な要素を取り入れていますので、その部分も楽しんでいただけたらと思っています。
このシナリオの楽しみ方
このシナリオは、2通りの読み方ができます。