イース - 銀の灯が消えた国(冒険の書&シナリオデータ)
マップ/設定資料ダウンロード
オフラインで参照したい方はこちらから(PDF版)
プロローグ
「親父さん、ありがとう。じゃ、行ってくるよ」
「気をつけるんだぜ、坊や」
ペンタウァ西端プロマロックの港、《パイプと煙》亭である。繁華街から少々外れ、やや垢抜けない装いではあるものの、宿泊費も手ごろで冒険者には人気がある店だ。
宿屋の主人トニーは、赤毛の少年を見送るとほっと息をついた。
まだ年端もいかぬ…と表現した方が良い少年だ。重い旅の荷物も苦にならぬかのように、意気揚々と船着き場に消えていった。
エステリアへの船が出るのだ。
「またかい、トニー」
酒場のカウンターで人の悪い笑みを浮かべたのは、昼間から自分の店を放り出してしけこんでいた常連のボブだ。
「まただよ。あたら若い命を散らすこともねぇのにな…」
「そう言ってやりゃあいいじゃねぇか」
「言ったさ。エステリアは…銀の国は、もう以前のとおりじゃねぇ、魔物に巣食われちまったってな」
トニーは、もうひとつため息をついた。
「エステリアに行った奴は、誰一人として帰ってきやしねぇ。
そう言ったって聞く奴なんていやしねぇ。
鼻で笑うか、今の坊やみたいに、純粋な、未知への憧れにうかされた目で言うんだぜ。
『それでも僕は行きたいんです、エステリアに』
そうまでいわれて、たかが宿屋のおやじに止める権利があるものかね」
「ちげぇねぇ」
ボブが酒臭い息で笑った。
彼とて別に本気で説得すれば良いと思っているわけではない。それが無駄であることを、トニーと同じく知っているのだ。
「冒険者なんて言やぁ聞こえはいいが、つまるところは山師だしな。
ひと山当てれば気前も良くなるが、だいたいはツケも払わずに何年もいなくなっちまう奴らばかりだ。心配してやる義理もねぇ」
「ま、お前さんの言うとおりではあるんだがね。
しかし、死んでいくとわかってる若いのを見送るってのは、あまり気分のいいもんじゃねぇな。…ところでボブよ」
「ん?」
「お前さん、ツケはいつになったら払ってもらえるのかね」
冒険の目的
ペンタウァ西方、ドゥアール海を隔てたエステリアは、銀鉱の発見によって近年急速に栄えた小国である。しかし、そのエステリアに突如、あまたの魔物が出没し、町や村を蹂躙しているという。銀鉱の灯は落ち、貿易路は封鎖され、エステリアの人々は魔物の来襲に怯えた。
魔物が拠点としているのは<ダームの塔>と呼ばれる古代の遺跡だ。色めきだった冒険者たちは、次々と魔物の塔を登攀せんとエステリアに向かったが、彼らが戻ってくることはなかった。そう、骸さえも、形見さえも。
被害の深刻さを重く見たペンタウァ国王は、主だったソーサリアンたちを集め、命じたのである。魔物の塔に赴き、エステリアの魔を断て、と。
- 本シナリオでは、パーティは3人編成である必要があります。
- 想定難易度は、シナリオレベル 5(最高)を想定しています。
- プレイ時間は2H程度を想定しています。
本シナリオのポイント
- 主に、Ys 1の世界をソーサリアンの世界に合わせてアレンジしたシナリオです。ただし、様々な要素を詰め合わせていますので、設定などは適宜変更しています。あくまでパラレルワールドとお考え頂ければと思います。
- Ys 1〜2で登場した地名、人物、モンスターなどを鏤めていますので、Ys 1〜2をプレイしたことのある方は、それぞれの人物との絡みも楽しめると思います(もちろん、知らない人でも大丈夫であるように伏線は厚めにとっています)。
- <イースの書>によって6神官の魔法(力)を得ながら、塔の仕掛けをクリアしていきます。ミッションをどの力で解決できるかを考える、一種のパズル型シナリオです。
- 別シナリオ「脱出」と同様、iOS版ならではのシカケを鏤めています。ただし、それらの機能が実装できなくても、シナリオの流れそのものには影響は及ぼさないように配慮しています。
舞台
全体マップ(map.ppt P.1)を参照してください。
以下に、それぞれの舞台のポイントとなる点をまとめます。
個別マップ(map.ppt P.2〜10)の見方は、以下のとおり。
- 四角ひとつで1マップを表しています(繋がっている四角はスクロール移動)
- それぞれのマップのつながりは赤丸の数字(ページ連番)
- ステージを跨ったつながりは緑丸の数字(PPT全体で連番)
- イベントなどの発生場所は、青菱形の数字(PPT全体で連番)。ストーリ側のマップ番号と対応しています。
- マップ内の網掛け&モンスター名は、その場所での登場モンスター
ダームの塔下層部(map.ppt P.2)
冒険のスタート地点(塔1層)。スタンダードな塔のスタイルで、際立った仕掛けもない序盤の拠点。ゴーバンやルタ、アドルなどの主要な登場人物と出会える。
ノルティア氷壁、ラスティン廃坑に繋がる道がある。
ノルティア氷壁への扉を開くには、力の神官<トバの書>が必要。
ノルティア氷壁(map.ppt P3)
ダームの塔2層。氷に包まれた極寒のエリア。
鏡をワープしながら進む構造となっており、広さの割に複雑。
- 光の神官<ダビーの書>によって、ラミアの村への隠し扉を発見可能。
- 時の神官<メサの書>によって、バーンドブレス溶岩地帯へ迎えるようになる。
- 心の神官<ファクトの書>によって、水路を通って<銀のハーモニカ>を入手可。
ラスティン廃坑/サルモン地下神殿(map.ppt P4〜5)
ダームの塔地下に広がるラスティン廃坑。かつては栄えた銀鉱も、今は灯りが消え、通過には光の神官<ダビーの書>が必要。
廃坑を抜けると、地下神殿サルモンに出られる。サルモン神殿の外は崖上となっており、崖の先端にはロダの老樹が静かに生い茂っている。
ラミアの村(map.ppt P6)
ノルティア氷壁とバーンドブレス溶岩地帯の狭間に隠された人里。魔物から逃れた人々がひっそりと隠れ住む、ダームの塔2.5層。
ダームの塔上層部へ抜けられる道もあるが、物語序盤では橋が壊れており渡れない。
バーンドブレス溶岩地帯(map.ppt P7)
ダームの塔3層。溶岩降り注ぐ灼熱のエリア。
時間によって、溶岩が地面を満たしたり、間欠泉が噴き出たりするため、マップが刻々と変化する。ルートは一本道ではないので、その時どきの状況で進むべき道を判断する必要がある。
塔上層部への扉もあるが、最初は閉ざされており、進むことはできない。ラミアの村経由で上層部に向かい、裏側からロックを外すことで行き来が可能となる。
ダームの塔上層部/ラドの塔(map.ppt P8〜10)
ダームの塔4層。
連絡橋経由でラドの塔に入れる。侵入には時の神官<メサの書>が必要。
最上階には、魔の元凶ダルク=ファクトが待ち受ける最終決戦の舞台。