新時代のソーサリアンを提案する

30周年を越えたソーサリアンの夢と妄想を語り続ける

奪われし我が友よ(ストーリー前半)

スタート/廃墟・入り口

ナレーション
 此処は「ソーサリアンの墓場」と呼ばれ、
 ペンタウァの民から恐れられている北の廃墟。
 足を踏み入れたソーサリアンのことごとくが仲間を失い、
 その仲間が亡霊となって現れる事から呪われた館とも呼ばれている。

 10年ほど前は貴族と思しき一家が暮らしていたと言われ、
 広大な敷地や目の前に佇む大屋敷がそれを肯定しているかのようであった。
 しかし、手入れなどされていない庭の草木は伸び絡み、
 雨風で薄汚れた外壁は所々が崩れ落ち、
 全ての窓のガラスが無残にも割れてしまっている。

 かつては誰もが羨むほどの屋敷だったであろうこの廃墟で、
 一体なにがあったと言うのだろうか?
 そして何故、廃墟に足を踏み入れた者が消え、
 亡霊となって出てくるのだろうか?

 君達ソーサリアンは血塗られた謎を解き明かすべく、
 廃墟へと歩みを進めるのであった。

 ※廃墟の入り口から中へ入る。

廃墟・玄関(1階)

ナレーション
 まだ昼間だというのに建物の中は薄暗い。

 部屋のあちこちに蜘蛛の巣や埃が見え、
 部屋を仕切る壁も崩れてはいるが、
 噂ほど酷い荒れようという訳でもないようだ。

ソーサリアン「外観はかなり酷かったが、
       内装は思ったより荒れてはいないな。
       とはいえ、あまり長居はしたくない。
       早速事件の手がかりを探そう」

 ※入り口が見えなくなる辺りまで離れるとSEと共に戸が閉まる。

ソーサリアン「なんだ、扉が閉まったぞ。風が強いのだろうか?」

 ※入り口を調べる。

ナレーション
 ソーサリアンは扉を開こうと試みたが開かない。
 どんなに力を込めて扉を押そうとも、
 体当たりをしようとも扉はびくともしない。
 気が付けば背筋も冷たく、低く呻く声のようなものまで聞こえてきていた。
 どうやらこの場に何か奇妙な力が働きだしたようだ。

ソーサリアン「これは…!
       いよいよ幽霊屋敷みたいになってきたな…
       気を引き締めて進もう」

※クリア後まで玄関の扉はずっと閉じたままで、調べても「扉は開きそうにない」というメッセージが入る。

廃墟・大広間(1階)

 ※大広間の中央まで行くと……

ナレーション
 突然頭上から錆びた金属の擦れる鈍い音が聞こえた。
 ソーサリアンは反射的にその場から飛び退く。

ソーサリアンが後方へ飛び退く。
 それからすぐに中央の天井から吊り下げられていたシャンデリアが落下する。

ソーサリアン「うわぁ!!」

ナレーション
 派手な音を立ててシャンデリアが砕け、ガラスの破片が辺りに飛び散る!
 しかし、咄嗟に盾や外套で身を覆ったソーサリアンには
 幸い怪我はなかった。

ソーサリアン「あ、危なかった…
       こんなものが直撃していたらひとたまりもないぞ…。
       んっ、今度は何だ!?」

 ※ソーサリアンの亡霊(2種類)が襲ってくる。
  暫く戦っていると
  「ダメだ、攻撃が通じない! ここは一旦退却しよう!」
  というメッセージが入る。
  だが、別に戦わずにすぐ大広間から逃げ出しても、
  上記のメッセージがないだけでイベントは進行する。

 ※シャンデリアが邪魔して進めないので、玄関へ戻る。

廃墟・玄関(1階)

ソーサリアン「はぁ、はぁ…あれがソーサリアンの亡霊か…。
       私達もこの屋敷の呪いに囚われれば何れは…
       いや、今は考えまい。
       弱気になればこちらがやられてしまう。気を強く持とう…」

ナレーション
 扉越しに大広間から何か重たい物が動くような低い音が聞こえてくる。
 暫く様子を窺うように聞き耳を立てていたが、
 その内に音は聞こえなくなってしまった。

 ※大広間へ戻る。

廃墟・大広間(1階)

 ※落下して壊れた筈のシャンデリアが元の状態・位置に戻っている。
  ソーサリアンの亡霊(2種類)も消えている。
  (イベントが終わって大広間に戻るとまた出現する)

ソーサリアン「こ、これは一体…!
       まるで何事もなかったかのように
       元通りになっているじゃないか!
       飛び散ったはずのガラスの破片すら見当たらないなんて…」

廃墟・廊下(2階)

 ※大広間を抜けた先に階段があり、
  階段を上がると廊下が真っ直ぐに伸びている。
  部屋がいくつもあるが、特定の部屋以外は
 「本棚が倒れて扉を押している。
  扉は少ししか開かず、とても入れそうにない」
 「壁が崩れ落ち、天井も抜け落ちている。既に部屋とは言えない有様だ」
 「魔法の力が働いているのか、扉はぴくりとも動かない」
  というメッセージが表示され、中へは入れない。

 ※寝室Aに入る。

廃墟・寝室A(2階)

ナレーション
 この部屋は不思議と埃も少なく、家具の状態も良い。
 他の部屋に比べて比較的綺麗に見える。

 ※部屋を暫く調べていると、画面が若干白っぽくなる。

ソーサリアン「うっ…なんだこの匂いは…! か、体が重い…急に眠気も…」

 ※画面暗転。画面が元に戻ると最後尾の仲間が消えている。

ナレーション
 どのくらいの時間が経ったのだろうか。
 目を覚ますと霧のようなものもスッカリ晴れていた。
 どうやら眠り込んでしまっていたようだ。
 頭はまだ重いが、意識は次第にハッキリとしてくる。

 …と、そこで仲間が1人いなくなっている事に気が付いた!

ソーサリアン「○○(消えた仲間の名前)がいない!?
       おーい! いるなら返事をしてくれー!!」

 ※部屋を調べていると、壁に小さな穴が開いているのを発見する。

ナレーション
 慌てて辺りを見回すが、近くに○○がいる様子はない。
 だが、壁に不自然な穴が開いているのに気が付いた。
 注意深く穴を調べてみると、
 穴は人為的に開けられたように綺麗な丸型で、
 微かに異臭が漂ってきている事が分かった。

ソーサリアン「これは自然に開いた穴じゃないな。
       それに、気絶する直前に嗅いだ匂いが
       この穴に少し残っている…。
       全ての事件は呪いの仕業じゃなかったという事なのか…?
       ううむ、無事でいてくれよ!
       ○○!(消えた仲間の名前)」

廃墟・廊下(3階)

 ※階段を上がると2階の廊下と同じように通路が真っ直ぐに伸びている。
  部屋がいくつもあるが、特定の部屋以外は
 「本棚が倒れて扉を押している。扉は少ししか開かず、
  とても入れそうにない」
 「壁が崩れ落ち、天井も抜け落ちている。既に部屋とは言えない有様だ」
 「魔法の力が働いているのか、扉はぴくりとも動かない」
  というメッセージが表示され、中へは入れない。

 ※寝室Bの扉を調べる。

ナレーション
 扉を開けようとした途端、手元に小さな稲妻が走って手が弾かれた。
 どうやらこの扉には強力な魔法が掛かっているようで、
 このままではとても開けられそうにない。

ソーサリアン「いてて…一体どうなっているっていうんだ…」

 ※扉を開けるのを諦めて廊下を歩いていると、突き当たりに行き着く。
  赤い落書きのようなものが書いてある壁を調べる。

ナレーション
 突き当たりの壁に赤黒い塗料で何か書かれている。
 調べるとそれは塗料ではなく血である事が分かった。
 壁には子供が書いたような拙い文字で「ココダヨ タスケテ」
 と書かれている!

ソーサリアン「これは誰かが助けを求めているという事か!
       しかし、此処は突き当たりで何もないし…」

 ※壁を更に調べる。

ナレーション
 血文字の書かれた壁をよく見てみると、そこには亀裂が入っていた。
 微かに風の流れを感じる。

ソーサリアン「この壁の向こうに部屋が続いている…?
       何か道具があれば壁に穴が開けられそうだな」

廃墟・倉庫(1階)

 ※大きな工具箱を調べる。

ナレーション
 木で出来た古ぼけた箱の中に、ツルハシが何本も入れられている。
 どれも柄や金属部分が傷んでいたが、その内の1本だけはまだ使えそうだ。
 『ツルハシ』を手に入れた!

 ※ツルハシ入手。

廃墟・廊下(3階)

 ※血文字が書いてある壁を調べる。

ナレーション
 壁の亀裂に力いっぱいツルハシを食い込ませると、
 壁は意外なほど呆気なく崩れた。
 中は暗くてよく見えなかったが、
 手持ちのランプに火を点してかざすと下り階段が見えた。

廃墟・地下室への階段

 ※地下室への階段を下り切った部屋の中央まで移動すると、
  前後からリビングアーマー2体が襲い掛かってくる。
  リビングアーマー撃破後、
  地下室の扉に掛かっていた魔法が解けて地下室に入れるようになる。

廃墟・地下室

 ※古びたベッドを調べる。

ナレーション
 日の当たらない真っ暗な部屋には不釣合いだと思えるほど
 豪華なベッドが置かれている。
 大きなベッドの中央には白骨化した小さな遺体が寝かされており、
 薄汚れたぬいぐるみが沢山飾られていた。
 子供と思しき小さな遺体に、ソーサリアン達は思わず顔をしかめる。
 …とその時、遺体からぼんやりとした光が浮かび上がったではないか!

ソーサリアン「うわあぁ!?」

ナレーション
 ソーサリアン達は慌てて武器を身構えて光を見据える。
 だが、光が1人の少女を形作り、
 その少女の悲しげな顔を見ると自然と焦りは消え失せた。
 少女に敵意がない事を直感的に悟ると、
 ソーサリアン達は武器を静かに納める。

少女「ごめんなさい、驚かせてしまって…」

ソーサリアン「いや、こちらこそすまない…しかし、君は一体…?」

少女「私の名前はレーシャ。
   20年前にこの屋敷で死んで、ずっとこの部屋に縛られているの」

ソーサリアン「君は、幽霊なのか…?」

レーシャ「はい…親友と遊んでいた時、誤って階段から落ちてしまって…
     あれは、事故だったわ…。
     それなのに、それなのにエレイアは…!」

ソーサリアン「あぁ、泣かないでおくれ。
       私達はこの屋敷で起こる事件を解決する為に来た
       ソーサリアンなんだ。
       もし君が私達に助けを求めていたのなら、
       君の知っている事を教えてくれないかな?」

レーシャ「ソーサリアン…。ペンタウァの、勇者様…?」

ソーサリアン「そう、ペンタウァのソーサリアンさ。
       私達も先ほど仲間が1人行方不明になってしまって
       困っていたんだ。
       それ以前にも沢山の同胞が犠牲になっていて、
       このまま解決出来なければ犠牲者は増え続けてしまうだろう。
       私達は仲間も助けたいし、君の力にもなりたい。
       だから、話を聞かせて欲しいんだ」

ナレーション
 少女はコクリと頷くと、神妙な表情のまま口を開いた。

レーシャ「今から20年ほど前、私はこのお屋敷に暮らすエレイアという
     女の子とよく遊んでいました。
     私には家族がいなかったから、
     エレイアの事は本物のお姉ちゃんのように思っていたんです。
     でも、お屋敷でエレイアとかくれんぼをしていた私は、
     階段から足を滑らせて…気が付いたら今の姿に…」

レーシャ「神父様にも生き返らせる事が出来なかった私の体は、
     この地下室に運ばれました。
     そしてエレイアは毎日ここに来て私に謝っていたのです。
     お人形が沢山あるでしょう?
     これはエレイアが毎年私の誕生日に
     お人形を持ってきてくれるからなんです」

ソーサリアン「そうだったのか…」

レーシャ「でも、ある日エレイアがおかしな事を言い始めたんです。
     『待っててねレーシャ、私が頑張ればザレム様が
      貴方を生き返らせて下さるのよ!』って…。
     私は嫌な予感がしてエレイアを何度も止めました。
     でも、私の姿はエレイアには見えていなかった…」

ソーサリアン「ザレム…? 聞いた事がない名前だな」

レーシャ「私にもザレムが誰なのか分からない…。
     だけど、エレイアがそう教えてくれた日から、
     このお屋敷には恐ろしい空気が流れるようになりました。
     その恐ろしい空気はますます酷くなるばかり…
     きっとエレイアは何か恐ろしい事をしているに違いないわ…!」

レーシャ「お願い、勇者様!
     エレイアが何をしているのか調べて下さい…!
     此処に縛られている私には、
     勇者様だけが最後の希望なのです!!」

ソーサリアン「よし、その役は私達がしかと引き受けた。
       この屋敷の呪いと君の話は繋がっている可能性も
       高いだろうからね。直ちに調べてこよう」

レーシャ「ありがとうございます!!
     エレイアはいつも日誌を付けていましたから、
     きっと日誌を読めば何か解るはずです。
     3階にある彼女の部屋で日誌を読んだら、私に教えて下さい。
     お願いします!」

ソーサリアン「あぁ、任せてくれ」

レーシャ「それと…抜け殻になった私の髪飾りをお持ち下さい。
     この髪飾りには魔を払う力が込められているので、
     きっと何かのお役に立つでしょう」

ナレーション
 『レーシャの髪飾り』を手に入れた!

 ※『レーシャの髪飾り』入手。

ソーサリアン「ありがとう、それでは行ってくるよ!」

エレイアの屋敷・廊下(3階)

 ※寝室B(エレイアの部屋)の扉を調べる。

ナレーション
 レーシャの髪飾りを扉の前にかざすと、髪飾りが微かに発光した!
 すると扉に掛かっていた魔法が打ち消され、奇妙な感覚もなくなった。
 これで部屋の中に入れるだろう。

 ※寝室B(エレイアの部屋)に入る。

エレイアの屋敷・寝室B(3階)

 ※机の上を調べる。

ソーサリアン「えーと、日誌は…。 あぁ、これだろうか?」

ナレーション
 分厚い本を開いてみると、そこには日付と共に文章が書かれていた。
 どうやらこれがエレイアの日誌に違いない。
 ソーサリアンはペラペラとページを捲り、
 ようやく気になる文章を見付けた。

ナレーション
 「あぁ、ごめんなさい!! 私の所為で貴方は死んでしまった!!!」

 これはレーシャが亡くなってすぐの頃に書かれた記録のようだ。
 紙も円形状のシワが幾つも出来ており、
 その部分の文字はインクが滲んでしまっている。

ナレーション
 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
  ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
  ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
  ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・」

 ページ一面にびっしりと謝罪の言葉が書かれている。
 よほど強い質圧で書いていたのだろう、所々が紙が破けてしまっている。
 …何年もの間の記録は、これと似たような文章で何ページも続いていた。

ナレーション
 「引き篭もりがちな私が心配だと言い、
  お父様とお母様が知らない男の人を連れてきた。
  誰とも話したくないと言ったけど、
  私の為だと言ってお父様は私を部屋から無理やり引きずり出した。
  やめてよ、何をやったってレーシャは帰ってこないんだから…!!」

 今から10年ほど前の記録には、珍しく謝罪以外の言葉が書かれていた。
 知らない男という言葉がやけに引っ掛かる。

ナレーション
 「教祖様は『ザレム様を心から信仰すれば、
  君の大切な人はきっとザレム様がこの世に引き戻してくれるだろう』
  と仰ったわ!
  最初は信じられなかったけど、今日、
  夢のお告げでザレム様が私と約束して下さったのよ!
  レーシャを生き返らせてくれるって!!
  私、少しでも早く貴方を生き返らせてもらえるように頑張るわ!!」

 …話がきな臭くなってきた。
 知らない男というのはザレム教団という組織の教祖のようで、
 エレイアはその男に…いや、ザレムに心酔している様子だ。
 明るさを取り戻したらしい彼女は、暫くはザレムという神についての
 素晴らしさや日々の鍛錬についての記録を綴っている。

ナレーション
 「ザレム様は仰ったわ。『力が足りない』と。
  ザレム様の力が足りなくては、
  レーシャを生き返らせてもらう事は不可能。
  だから私は教祖様に訊ねたわ、
  ザレム様が力を取り戻すにはどうしたらいいのかを…」

ナレーション
 「鶏を1羽。足りない。鶏を3羽。足りない。
  羊を1匹。足りない。羊を2匹。まだ足りない」

 …一体何が足りないのだろうか?

ナレーション
 「庭師を1人。足りない。給仕を2人。足りない。
  足りない足りない全然足りない!」

 ページを捲る度に人数が増えてゆく…。

ソーサリアン「まさか…!?」

ナレーション
 「昨日はお母様。今日はお父様。
  だけど、まだまだまだまだ足りないの。
  そうですね、教祖様。お茶会でも開きましょうか。
  沢山のお菓子に美味しい紅茶。きっといっぱいお客様が来るわ…」

ソーサリアン「!!!」

ナレーション
 背筋を駆け抜ける悪寒に、
 ソーサリアン達は堪らず本を投げ出してしまった!
 いつの間にか手足は震え、胸の鼓動も激しい。とても息苦しかった。

ソーサリアン「……もう十分だな。
       気は進まないが、彼女に報告しに行かないと…」

エレイアの屋敷・地下室

 ※レーシャに話し掛ける。

ナレーション
 ソーサリアン達は言葉を選びつつ、レーシャに日誌の内容を伝えた。
 レーシャは最後の方では泣き出してしまったが、
 何とか泣き止むとソーサリアン達を見据える。

レーシャ「……そう、でしたか。
     調べて下さり、どうもありがとうございました…。
     エレイアは私を生き返らせようとして沢山の人を……」

ソーサリアン「レーシャ、自分を責めてはいけないよ。
       部外者の私達が知ったような口を、
       と感じるかもしれないが、
       例え君の死が切っ掛けでエレイアが多くの人を
       殺めたのだとしても、それは彼女にそうするよう仕向けた
       ザレム教団の教祖という男が一番の原因なのだからね」

レーシャ「でも…!」

ソーサリアン「厳しい事を言うようだけどね、レーシャ。
       君は自分を責める為に私達に依頼をしたのかい?」

レーシャ「……」

ナレーション
 レーシャは出かかった言葉を呑みこみ、そのまま俯いた。
 光の粒となった涙がぽつりぽつりとベッドに落ちては消えてゆく。
 だが、レーシャは涙を拭うと首を横に振り、
 再びソーサリアンの顔を見つめた。
 その表情からは強い決意が窺える。

レーシャ「そうですね…ごめんなさい、勇者様。
     その男がエレイアに酷い事をさせたのを、私は許せません。
     でも、エレイアが操られていただけだったとしても、
     彼女のやっている事はとても許される事ではありません。
     これが…これが最後のお願いですから…
     教祖と、エレイアを止めて下さい……!!」

ソーサリアン「……」

レーシャ「エレイア1人だけに罰を受けさせません…
     こんな事をお願いする私も一緒に罰を受けますから…!」

ソーサリアン「……君の最後の依頼、引き受けたよ。
       ここで教祖とエレイアを止めなければ、
       きっと悲劇は終わらないだろうから。
       …でも、最後に確認しておくよ。本当に、いいんだね?」

ナレーション
 こちらを見つめるレーシャは強く頷いた。
 二言はない。
 ソーサリアンも彼女の意思を認めて頷き返した。

ソーサリアン「解った。私達は全力で教祖とエレイアを止めよう」

レーシャ「……はい! お願いします、勇者様…!!」

ソーサリアン「して、君はエレイアの居場所に心当たりはあるかい?」

レーシャ「空気の流れから、大体の想像は付きます。
     ですが、そこはとても恐ろしい気が溢れています。
     きっと魔に打ち勝つ武器が必要になるでしょう。
     まずはこのお屋敷の家宝『浄炎剣レーヴァテイン』
     を手に入れて下さい。
     家宝が置いてある場所は、昔エレイアに教えてもらったので
     私も知っています」

レーシャ「最初に『2階の書斎』へ行って下さい。
     本棚に『金色の竜帝』という本がありますから、
     その本を抜き取って奥のボタンを押して下さい」

レーシャ「2番目に、『1階の中庭』の端っこにある色の違うタイルを
     3つ探して下さい。
     それからそのタイルを『左・真ん中・右』の順で踏むのです」

レーシャ「3番目に、『地下1階の食糧貯蔵庫』に向かいます。
     そこでは色の違うタイルを4つ探し、
     『真ん中・左・左・右』の順番に踏みます」

レーシャ「すると『1階の武器庫』に家宝が置いてある
     隠し部屋への階段が現れるでしょう。
     でも、もし手順が間違っていた場合は、
     『恐ろしい罠が仕掛けられた部屋』に導かれてしまうでしょう。
     もし自信がなければ、
     『階段が現れてから』全ての手順をやり直すのも手です。
     では、くれぐれも注意して下さい。無事を祈ります…」

 ※『浄炎剣レーヴァテイン』を入手するまで、話し掛ければ何度でもヒントを訊く事が出来ます。

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