剣と魔法の都ペンタウァ - ヴァンパイア伝説 -(ストーリー後半)
[22]育った<赤い種>の木を登って、東の塔に入っていくと…(マップ番号 <13>)
(発生条件)初期状態
東の塔の階段で、どうしても開くことのできない扉を見つける
解説「魔法の鎖で、扉が封印されている」
<地属性の力>を持つ場合は、以下のメッセージが表示される。
解説「力任せに引きちぎろうとしたが、さすがに無理のようだ」
[23]東の塔頂上イベント(マップ番号 <14>)
(発生条件)初期状態
解説「向こうに西の塔が見える。 途中に足場らしき浮遊物もあるが、 とてもジャンプして届く距離ではない」 グロス「風の精霊がいるようだが…様子が変じゃ… もう自分の意思は喪っているようだの」
(発生条件)<風属性の力>を持っていること
解説「<風属性の力>によって、周囲につむじ風が舞い上がる。 この風に乗れば、なんとか足場を辿って、 西の塔に飛び移れるかもしれない」
以降、普段の二倍ほどの距離をジャンプできるようになる(途中の足場を踏み外すと、中庭に落ちてしまう)。
[24]塔(下り)のイベント(カレン。マップ番号 <15>)
(発生条件)中庭の<カレン>イベントを通過済みであること。
ソーサリアン「……!」
塔の階段で落とし穴が開き、そのまま、中に落ちてしまう!
落とし穴の中。
解説「落とし穴は既に閉じてしまっているようだ。閉じ込められてしまった! …暗がりに目が慣れてくると、部屋の上方には、 妖精や魔物の絵が飾ってあるようだ。 左からノーム、ウンディーネ、サラマンダー、シルフ、スケルトン が描かれている」 ソーサリアン「気味の悪い部屋だ。なんだろう…」 カレン「このロープで上がってきな!」 解説「…その時、天井から女の声が響き、ロープが下ろされてきた。 外に出られそうだ」
上にあがると、落とし穴の脇にカレンが立っている。
カレン「良かった、無事だったようだね」 解説「ソーサリアンが礼を言うと、カレンは首を振った」 カレン「…うん、それはいいんだけどね。 ひとつ気になることがあるんだ。 ヴァンパイアの居城という割に、 ヴァンパイアご本人の気配が感じられない… ただ、瘴気だけがますます強く立ち上ってくる感じ。 ちょっとあたいの手には余るような気がするし、 ここいらで逃げとこうかなって思ってるんだ。 あたいの気のし過ぎだったらいいんだけど、 あんたたちも気を付けた方がいいよ。 …あ、そうだ。 城の中で手に入れたんだけど、何かの役に立つかもしれないし、 あたいにはもう用がないから、あげるよ」 解説「<水晶のビン>を手に入れた」 カレン「気を付けていきなよ」
その後、カレンは姿を消してしまい、同じ場所では出会えない。
[25]塔内の下り階段イベント(グーラン&クレリアソード。マップ番号 <16>)
(発生条件)初期状態。最初に塔の一室に入った時
部屋の奥には、白骨化した屍と、うすぼんやりとした光のかたまりが見える。
解説「屍のあたりに、微かな霊魂の気配を感じる。 何かを語りかけたいようにも見えるが、このままでは理解できない」
(発生条件)<霊属性の力>を持っていること
解説「<霊属性の力>が脳内を突き抜けると共に、 霊魂が目の前で実体化していく」
うすぼんやりとした光のかたまりが戦士グーランの姿に変わる。
ソーサリアン「グーラン!」 解説「『消えた王様の杖』事件で、ソーサリアンを支えた戦士だ。 なんと変わり果てた姿になったのだろう」 グーラン「久しぶり…というのもおかしいか。 とうとう死んでしまったよ… 『王様の杖』事件から何度も危険な目にあってきたが。 しかし、世の中はどんどん戦士の生きる場所を奪っていく。 ここいらで引退できたのも、むしろ幸せであったのかもしれぬな」 ソーサリアン「……」 グーラン「そうだ、旧知のよしみにひとつ良いことを教えてやろう。 私の背後の壁の奥に、 <クレリアソード>と呼ばれる聖剣があるそうだ。 ヴァンパイア退治には役立つはずだ。 私には行きつけなかったが、探してみるといい」 解説「ソーサリアンが礼を言うと、グーランは薄らと笑った」 グーラン「…旅は、冒険は、いいな」 ソーサリアン「はい」 グーラン「…死ぬでないぞ」 解説「グーランの屍の後ろにある壁を調べた。 微かに入った罅からは風が漏れている」
(発生条件)<地属性の力>を持っていること
解説「マントが輝き、身体中に<地属性の力>が漲ってくる」 ソーサリアン「はっ…!」 解説「腕に力を籠めると、壁は粉々に砕け散った。 どうやら先に進めそうだ」
奥の通路に進むと、今度は瓦礫の山にぶつかる(マップ番号 <17>)。
解説「瓦礫はかなり奥まで続いているようだ。 自分たちだけで運び出すのは難しいだろう」
(発生条件)<風属性の力>を持っていること
解説「<風属性の力>が瓦礫に吸い込まれていく。 そこだけが長い時間を経過したかのように、 瓦礫が風化しているようだ。 やがて砂となった瓦礫は風にたなびき、跡形もなくなった」
瓦礫のなくなった通路を進んでいくと、砂地にぶつかる(マップ番号 <18>)。
踏み込もうとすると…
ソーサリアン「…!?」 解説「かなり地盤が緩いようだ。砂地に足が沈んでしまい、 先に進むことができない」
(発生条件)<水属性の力>を持っていること
解説「<水属性の力>に反応して、 大気中の水分が砂地に吸い込まれていく… 水分を吸いこんだことで、地面がだいぶ固まってきたようだ」
固まった砂地を進んでいくと、広くなった場所に剣が安置されている。
近づいて調べる(マップ暗号 <19>)。
ソーサリアン「これが…<クレリアソード>か…?」 グロス「待て、ソーサリアン、触るでない!」
画面がフラッシュする!
ソーサリアン「うわ…!」 解説「<クレリアソード>に触れた瞬間、 強力な電撃がソーサリアンの身体を駆け巡る」 グロス「その剣からは激しく禍々しい力を感じる。 どうやら呪いで封印されているようじゃな」
(発生条件)<火属性の力>を持っていること
解説「<火属性の力>によって焔が燃え上がり、 <クレリアソード>を覆い包む。 焔によって、呪いの気配は弱まっていくようだ」 グロス「火は浄化も意味するからの。…これでまずは安心じゃ」 解説「<クレリアソード>を手に入れた。 長いこと呪いの影響を受けていたせいか、 微妙に傷んでいるようだが、まだまだ戦いには使えそうだ」
[26]西の塔最下層イベント(マップ番号 <20>)
(発生条件)初期状態
解説「扉は固く閉ざされている。 扉には、次のような文句が刻まれているようだ。 肉体を持つ精霊は、最初 天空に生きる精霊は、熱き心の精霊よりも前 黄泉を司る精霊は、泉に住まう精霊のすぐ前 天空に生きる精霊は、泉に住まう精霊のすぐ後 熱き心の精霊は、最後」
その後、落とし穴(マップ番号 <15>)のところに行き、<風属性の力>を使って、地→霊→水→風→火の順で絵を押し込むと(<風属性の力>を持った状態で絵を選択すれば良い)、扉が開くようになる。間違えた場合はいったん画面を切り替えると元に戻る。
解説「<風属性の力>によって、突風が額に吹き付ける! 絵画がわずかにくぼみに押し込まれたようだ」 解説「すべての絵画を押し込んだ時、どこかで扉が開くような音が聞こえた」
※不便ではあるが、東の塔へ戻れば城へは戻れるので、本イベントは必須ではない。
[27]地下ダンジョン西区画イベント(ウンディーネ。マップ番号 <10>)
(発生条件)水晶の瓶を入手した後
解説「<水晶の瓶>をウンディーネに見せた」 ウンディーネ「いいわね。 ちょっと狭いけど、泉の水を入れておけば、 これで私も移動できるわ」 解説「泉の水を<水晶の瓶>に入れると、ウンディーネが瓶に吸い込まれた」
[28]地下ダンジョン東区画イベント(サラマンダー。マップ番号 <11>
(発生条件)<水晶の瓶>にウンディーネを入れた後
サラマンダー「性懲りもなく、まだやってくるか」 解説「その時、<水晶の瓶>の中からウンディーネの声が聞こえた」 ウンディーネ「瓶を彼に投げつけなさい。 私が彼の力を抑えましょう…早く!」 解説「ソーサリアンは、 ウンディーネの入った瓶をサラマンダーに投げつけた」 サラマンダー「うおおぉぉ! ウンディーネ、か…!? なぜ、貴様がこの者たちに手を貸す!?」 ウンディーネ「古き同胞が変わり果てていくのが美しいとは思えないから… それではダメかしら?」 解説「ウンディーネがうっすらと笑い、 サラマンダーの火勢が僅かに弱まったようだ。 今のうちだ!」
サラマンダーとの戦闘再開。
勝利すると…
サラマンダー「うおおぉぉ!」 ウンディーネ「……!」 グロス「ウンディーネ!」
小さくなったウンディーネと、炎の剥げたサラマンダーが地面に横たわる。
サラマンダー「なぜ…なぜだ」 ウンディーネ「よくやったわ、冒険者たち」 ソーサリアン「さあ、ウンディーネ。バケツに入ってください!」 ウンディーネ「バケツはイヤ」 ソーサリアン「そんなことを言っている場合ではないでしょう」 ウンディーネ「いいえ、いいの。 サラマンダーも独りで逝くのはお嫌でしょう。 私がお供しますわ…どうせ、泉までは持たない」 ソーサリアン「……」 ウンディーネ「哀しまないで。 私が私でいられたことこそが幸せなのだから…」 サラマンダー「…愚かな。人が変わるのであれば我らも変わるが道理。 それがなぜ判らぬ」 ウンディーネ「あなたは変わったのではない、変えられただけよ」 サラマンダー「…そんなことは、とうにわかっておるよ。 ただ、我は火の化身。 このまま滅びるのであれば、 激しく燃えて燃えて、そして燃え尽きたい… それだけだ」 解説「ウンディーネがひっそりと笑い、 サラマンダーが微かに火の粉を散らし… そして、消えた。 水と火の精霊は逝ったのだ」
ウンディーネ&サラマンダーは薄れ、消える。
ソーサリアン「……」 グロス「…これもまた、彼らが選んだ道であろう。さあ、行こう」
以降、サラマンダーから分離したファイアーエレメントが、ダンジョン東区画で発生するようになる。
[29]東の塔イベント(オーサー。マップ番号 <13>)
(発生条件)ダンジョンで既にオーサーに出会っていること/<火属性の力>を持っていること(=サラマンダーを斃している)
解説「<火属性の力>が鎖に集中すると、鎖が燃え落ちていく…」
部屋に入ると、オーサーが奥で倒れている。オーサーに駆け寄る。
ソーサリアン「老師…!」 解説「老いた魔法使いからはいらえはない。 怪我もひどく、命脈が尽きかけている」
(発生条件)<水属性の力>を持っていること
解説「<水属性の力>がオーサーの身体に注ぎ込まれる。 見た目にも、尽きかけてきた生命が満ち満ちてくるのが感じられる」 オーサー「…おぉ、ソーサリアンか…無事で良かった。 見てのとおり、ダークストーカーに不意を突かれ、この有り様よ。 …儂の力では、ここまでのようじゃ。 なに心配はいらぬ。 お主らに救ってもらった命、 なにがなんでも生き延びてみせようて」
(発生条件)<クレリアソード>を持っていること
オーサー「ひとつだけ言い忘れていたことがある。 ダンジョンの奥底に火山口があったであろう。 そう、サラマンダーがいた場所じゃ。 どうも瘴気の源が、あの奥底にあるようなのだ。 先に進むつもりであれば、あの周辺を調べてみると良いじゃろう」
その後、火山口を調べると、奥底から瘴気が湧き上がる場所を発見できるようになる。
[30]サラマンダーのいた火山口を調べると(マップ番号 <21>)
(発生条件)オーサーから瘴気の存在を訊いた後
解説「火山口を調べると、確かに異様な瘴気が湧き上がっている箇所がある。 奥には通路らしきものが見える。 しかし、マグマの中に入るには相応の準備が必要だ」
(発生条件)<火属性の力>を持っていない場合(任意)
グロス「今の儂らでは、火山口には入れまい。手立てを考えねばな」
(発生条件)<火属性の力>を持っている場合
グロス「ここに入ってしまったら、ヴァンパイアを斃すまでは、 もう戻ってこられぬかもしれん。準備は良いのか?」
[はい][いいえ]の選択で、[はい]を選択すると…
グロス「よし、それでは行こうか」
[31]火山口を抜けると、そこには昏い炎と荒波と竜巻とが同時にたゆたつ異界に出る。
ソーサリアン「グロス。顔色が悪いようだが…大丈夫なのか」 グロス「瘴気がいよいよ強まってきたで…精霊の身にはちときついかの。 じゃが、もう少しの辛抱じゃ。 さあ、行こう」
[32]その後、霊、水、火、風の魔性との連戦(マップ番号 <22>)
ソーサリアン「<クレリアソード>が…!」 解説「おそらく、もともとが封印で弱まっていたのだろう。 <クレリアソード>の刃こぼれがひどくなっている」 ソーサリアン「こんな状態で、ヴァンパイアとまともに戦えるのか…」 グロス「やむを得んな…」 ソーサリアン「……?」 グロス「土の精霊は鍛冶の精霊とも呼ばれることがある。 剣を鍛え直すのであれば、<地属性の力>がいるであろう」 ソーサリアン「まさか…」 グロス「儂を討て。そして、儂の力でもって剣を鍛え直すのじゃ」 ソーサリアン「馬鹿な、そのようなことができるわけが… いったん、ノームの村に戻る方法を… いや、そもそもあなた自身で剣を鍛えることはできないのか」 グロス「ダメじゃな…儂はあくまで戦士。剣を鍛える業は持たぬ。 しかし、純粋な<地属性の力>を取り出し、 五元素のマントで増幅できれば、こんな儂の力でも役立つであろう。 …さあ、<地属性の力>を儂から奪い取るのじゃ!」 解説「ノームが力尽きたように目を閉じた。 すると、それまで防いでいた瘴気が一斉に注ぎ込まれたのだろう。 次に開いた時、ノームの目には狂気が宿っていた」
グロスとの戦闘を開始!
斃すと…
ソーサリアン「グロス!」 グロス「…気にするな、ソーサリアンよ。 我ら精霊は、いずれにせよ、この瘴気の中では長くは持たなんだ。 あるいは、大事なところでお主らを傷つけてしまったかもしれぬ。 最後に役立ったのであれば、それで良い。 …すまんが、クルトン――我が息子のことを、頼むよ…」 解説「グロスの姿は薄れ、あとに<地属性の力>が残った。 <地属性の力>を得た。 <地属性の力>が迸り、クレリアソードの欠けた刃が元通り、 いや、以前よりも鋭い切っ先となって甦った。 それは、不屈の精神を持ったノームの老人の精神を、 そのまま表しているかのようだ」
[33]更に連戦。異世界の最奥部に辿りつくと…(マップ番号 <23>)
ソーサリアン「あ…!」 解説「刹那――灼熱を孕んだ突風がソーサリアンの脇を駆け抜ける。 風は<五元素のマント>を浚い、上空に舞い上げた!」 ソーサリアン「<五元素のマント>が…!」
炎と波のうねりがソーサリアンの行く手を遮る。
解説「その時、上空に悪意が凝縮したような気配が立ち込め、哄笑が響いた」 ヴァンパイア「ご苦労だったな、ペンタウァの冒険者たちよ。 魔性の力を存分に吸った<五元素のマント>は、 我の力を十分に高めてくれる。 我は、もはや無敵だ!」 ソーサリアン「ここまで我われを放置していたのも、それが目的か…!」 ヴァンパイア「さもなくば、どうしてどうして貴重な宝具を無防備に 地上に晒しておくものか。 晒しておけば、必ずやこれを用いて嬉々と妖どもから 元素の力を吸ううつけ者は出てこよう。 我は、ここでただ力を運んでくる者どもを 待っていれば良かったというわけだ。 さあ、貴様たちは用済みだ。消えてもらおう!」
[34]ヴァンパイアとの戦闘開始!
斃すと…
ヴァンパイア「おぉぉぉぉ…馬鹿な、馬鹿な… <五元素のマント>は無敵ではなかったのか…!」 解説「<五元素のマント>が床に滑り落ちた。 そして、そこから現れたのは…」 ソーサリアン「ノーム!?」
マントの剥がれ落ちた下からは、ノームの若者の姿が現れる。
ノーム「そうだ…俺は、クルトン…ノームの子倅だ。 これが、世間を騒がせたヴァンパイアの、 本当の正体というわけだ…」 ソーサリアン「クルトン、だと!?…グロスの、息子か…??」 クルトン「…お前たち、親父を知っているのか…」 解説「ソーサリアンは、これまでの顛末をクルトンに話して聞かせた」 クルトン「そうか…親父は死んだのか…」 ソーサリアン「グロスは、君のことを勇敢で芯のある若者と話していた。 その君が、なぜこのようなことを…」 クルトン「なぜ?なぜだと!? それをお前らが訊くのか、この俺に」 ソーサリアン「…!?」 クルトン「俺たち、幻想と伝承の中で生きてきた者たちにとっては、 現のものたちの記憶がよすがだ。 奴がいる、そう思ってもらって初めて、 存在できるうつろいの生物。 だがどうだ、 ペンタウァではもはや完全なまでに魔性を駆逐しようとしている。 科学とやらが跋扈し、 魔導すらもが過去に追いやられようとしている。 強力な力を持つ魔性であればいざ知らず、 俺たちのような卑小な者は一人消え、二人消え、 滅びるのを待つだけだ。 記憶と共に消えるべき存在、それが俺たちだ」 ソーサリアン「…それで自分たちの存在を示すために、 こんなことをしでかしたと」 クルトン「愚かか?愚かでもいい。 このまま忘れられて消えるだけならば、 愚かでもここに俺がいる、 そう覚えておいてくれる者がいれば、それでいい」 ソーサリアン「……」 クルトン「…さあ、さよならだ。 <五元素のマント>の力を、 所詮は卑小なるものが使えるわけもない。 親父に愚か者と叱られてくるさ…」 解説「クルトンの身体は灰となって地に落ちた。風がそれを浚った」 クルトン「忘れるな、忘れないでくれ…」 ソーサリアン「……」
ソーサリアンがその場から離れようとすると…
解説「その時、地の底から低い哄笑が湧きあがった」 謎の声「…死んだか。所詮は卑小なる生物、余興にもならぬな」 ソーサリアン「何ものだ!?」 謎の声「我は、キングドラゴン=ガルシス。暗黒界の、王なり」 ソーサリアン「キングドラゴン…=ガルシス!? なぜこのようなところに、貴様が出てくる」 ガルシス「申したであろう。余興である、と。 卑小なる者が足掻くその姿。おろかしくもいじましい。 その姿を愉しむのが余興でなく、なんとする」 ソーサリアン「では、<五元素のマント>をクルトンに与えたのも貴様か…」 解説「ガルシスは再び哄笑し、肯定した」 ガルシス「卑小なる者よ、滅びよ。 滅びに抗うその姿で我を愉しませよ。 そちらが我を愉しませる限り、 我はその力を闇の奥深くに鎮めておこうぞ。 善哉、善哉」 解説「ガルシスの声は、いずこへともなく消えていった」 ソーサリアン「暗黒王は、忘れられゆく者たちの叫びさえも余興と呼ぶか。 しかし、忘れるな。 貴様もまた、所詮は幻化にすぎぬ。 クルトンの哀しみを貴様もまた近いうちに味わうはずだ。 その時、忘れられゆく者たちの哀しみと、 さげすむ彼らと同列に堕ちる我が身を思い知るがいい。 …もっとも」 解説「ソーサリアンはひとりごちた」 ソーサリアン「もっとも、我々自身も、 所詮は幻想と伝承の存在にすぎぬのかもしれないが」
[35]奥に、青白い炎が立ち上る。そこを抜けると、城の外にワープできる。
解説「振り返ってみると、城は寂れ、 何百年も放置されているかのような佇まいであった。 もはや、そこには魔性のものたちの気配も感じられない」 ソーサリアン「…さあ、帰ろう。我々の町、剣と魔法の都ペンタウァへ」
背景に機関車が通り抜けていく。
(End)