剣と魔法の都ペンタウァ(冒険の書&シナリオデータ)
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プロローグ
(近代歴史家の記述より)
ペンタウァ暦724年12月1日、キングドラゴン=ガルシス斃れる
ソーサリアンの最大の、そして最後とも言える功績だ。無論、暗黒王たるガルシスが完全に消滅したわけではない。しかし、この事件がペンタウァの転機になったことは間違いないだろう。各地の妖も一斉に息を潜め、この後、いわば「冒険と神秘の時代」は終焉へと進んでいったのだ。
ペンタウァ暦728年5月14日、科学文化省が設けられる
ほんの10年前には、<科学>のような得体のしれないものが、どうして国家の礎を担う地位を占めようと思ったろうか。翻って、魔法省はすっかり閑散としてしまった。もちろん、今なお魔法省の一員であることは名誉あることであるが、もはやそれは名前だけのものだ。
ペンタウァ暦730年7月27日、ペンタウァ北部の魔族掃討が完了
以前であれば、華々しく号外で飾られたであろう偉業も、ここ数年は人々にとってあまり顧みられるものではなくなっているようだ。一般の都民にとって、冒険も魔族も別世界のお伽噺のように感じられているのかもしれない。
私がそのような出来事に注目したのも、むしろ<偉業>の扱いが世間ではあまりに小さかったためだ。その日、王都新聞の一面はガス灯によって王都が不夜城となったことを華々しく扱っていた。
ペンタウァ暦735年6月28日、蒸気機関車がペンタウァ大陸を縦断する
わずか10年足らずで、奇っ怪な鉄のおもちゃがまさかペンタウァの大地を駆けることになろうとは。まだ貴族だけの乗り物ではあるようだが、いつかはすべての民が機関車に乗って旅する時代がやってくるのではないだろうか。
最近では、飛行機なるものも開発されようとしているらしい。
ペンタウァ暦736年12月4日、辺境にヴァンパイアが現れる
久々に大きな事件だ。辺境地方であるため、ペンタウァの民に対する被害はほとんど出ていないようだが、ここしばらくなかったほどに強い魔力を持ったヴァンパイアであるようで、周辺の生物や妖精たちが狂暴化しているという話も聞く。
王の招集に応じて、このところ出番もなかった冒険者たちが続々と旅立っているようだ。もっとも、色めきだっているのは冒険者や一部の者たちだけで、人々の興味は専ら、今夜開演のオペラ「仮面の貴公子」の出来栄えにあるようだ。実際、今回の事件も王都の人間にはさほど知られることなく収束していくのだろう。
そう、もう妖と幻獣の時代は終わったのだから。
冒険の目的
近代への扉を開いたペンタウァを久々に襲うヴァンパイアの出現。ヴァンパイアは打ち捨てられた古城サラヴィエールに居を構え、瘴気を次第と強めているらしい。既に、周辺の生物や妖精にも影響が及んでいるようだ。
近辺には人里もないことからさほどの影響はないと考えられたものの、魔法省の「危険度大」との報告に、王もソーサリアンを招集し、辺境への派遣を決める。
王都にヴァンパイアの瘴気が達する前に、ヴァンパイアを狩れ、と。
- 本シナリオでは、パーティは3人編成である必要があります。
- 「モンスターの知識」を持っているのが望ましいでしょう。
- 想定難易度は、シナリオレベル 5(最高)を想定しています。
- プレイ時間は1.5〜2H程度を想定しています。
本シナリオのポイント
- <五元素のマント>というアイテムを利用することでモンスターの力を取り込み、ダンジョンの仕掛けをクリアしていきます。ミッションをどの力で解決できるかを考える、一種のパズル型シナリオです。
- 基本シナリオでの登場人物もちりばめていますので、それぞれのシナリオをプレイ済みの方は、それぞれの人物との絡みも楽しめると思います。
- 「剣と冒険の時代」も終末に差し掛かったこの舞台で、敵味方を交えた<消えゆく者>の悲哀を感じ取っていただければ嬉しいです。
舞台
全体マップ(map.ppt P.2)を参照してください。ストーリーとしては、
荒地 → 城下層(中庭) → 地下ダンジョン
→ 東の塔 → 西の塔 → 火山口 → 異界
の順で進みます。
以下に、それぞれの舞台のポイントとなる点をまとめます。
個別マップ(map.ppt P.3〜10)の見方は、以下のとおり。
- 四角ひとつで1マップを表しています(繋がっている四角はスクロール移動)
- それぞれのマップのつながりは赤丸の数字(ページ連番)
- ステージを跨ったつながりは緑丸の数字(PPT全体で連番)
- イベントなどの発生場所は、青菱形の数字(PPT全体で連番)。ストーリ側のマップ番号と対応しています。
- マップ内の網掛け&モンスター名は、その場所での登場モンスター
荒地(map.ppt P.3)
冒険のスタート地点。空家には最初はだれもいないが、グロスを仲間にしたのち、ノームの村人が現れる。
湖の上にかかった橋&湖底(map.ppt P.3)
ヴァンパイアの城に繋がる道。ギルマンが現れ、湖底に引きずり込もうとするので要注意。
城下層(map.ppt P.4)
ヴァンパイア城の中核。塔や地下ダンジョンに繋がる道があるが、最初の状態では隠されているか、閉ざされており、先に進むことはできない。
- 地下ダンジョンへの道は<地属性の力>を得ることで発見できる
- 東の塔へは<赤い種>を大樹に育てることで入れるようになる
- 西の塔への道は、城側からは開かない。西の塔で、絵画のイベントをクリアすることでロックが外れ、城側からも行き来できるようになる。
序盤には、モンスターに襲われているグロスを助け、仲間にすることになる。
中庭(map.ppt P.5)
城下層の奥に位置し、東の塔への通過点。<赤い種>と<地属性の力>によって大樹ができた後、塔に入れるようになる。
地下ダンジョン(map.ppt P.5〜7)
ヴァンパイア城の地下に広がる広大なダンジョン。西区画にはウンディーネ、東区画にはサラマンダーが住まう。比較的一般的な構造のダンジョンであるが、西区画には広大な水路もあり、1画面1マップ構造になっているため、マッピングは必須(通過には、<水属性の力>が必須)。
東区画は、サラマンダーを斃した後、ファイアーエレメントが現れるようになる。
東の塔/西の塔(map.ppt P.8〜9)
物見の塔。物語中盤で、中庭から東の塔に入れるようになる。二つの塔の間を行き来するには、<風属性の力>が必要となる。
※のちに下層の扉が開くと、城下層経由でも行き来できるようになる。
火山口(map.ppt P.7)
異世界に通じる唯一の道(物語終盤に発見できる)。通過には<火属性の力>が必要
異界(map.ppt P.10)
ラストダンジョン。これまでに登場した敵がほぼ総登場。連戦となるので、回復系の薬/魔法は必須。最奥部には、最後の敵ヴァンパイアが待ち受ける。