新時代のソーサリアンを提案する

30周年を越えたソーサリアンの夢と妄想を語り続ける

前提

 上と重なる部分もあるが、本ドキュメントの立ち位置をまとめておく。

ソーサリアンの3つの本質

  1. 世界観のない世界観
    • 日本でも宇宙でもどんとこい、七星神と言ってながら初っ端からギリ○ャ神話的神様が出てきてしまう懐の深さというか、緩さと言うかいい加減さと言うか
  2. 膨大なデータで構成された底無しの世界
    • データの無限の組み合わせに分け入り、個々人が新たな戦略をハックできる&楽しみ方を作り出せる深さ
  3. 無限にシナを受け入れるプラットフォームとしての可能性
    • イデアを制限しないシステムとしての自由度や中性さ

次世代ソーサリアン展開の可能性

 「次世代のソーサリアン」を展開するならば、その力点はシナリオ拡張そのものではなく、システムとコンストラクションセットに置かれるべきと考える。言うなれば、「素人が作り、プロが裏方で支える」(http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140319/261409/)基盤の準備である。

 シナリオ拡張ももちろんあって良いが、それは徹底的に部品化され、ユーザーによって再利用されるべき素材や、あるいは、むしろアイデアなどを提供する手段となるべきだろう。たとえば、かつて「アマゾンの剣」などはAVGに特化したシナリオの可能性を示し、「戦国〜」でなんでもありの世界観を具体化し、「ピラミッド〜」ではユーティリティによるシステム拡張の可能性、「宇宙からの〜」以降ではサードベンダーとの連携、「セレクテッド〜」ではユーザーによるシナリオ拡張の可能性など、それぞれに挑戦的な試みを含んでいた。

 システムもアイデアを制限しない自由度、中性を重要視したい。あらゆるジャンルのシナリオを包括するという意味で、GURPShttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%97%E3%82%B9)の世界に近いかもしれない。世界観はあくまでシナリオに委ねられるもので、ソーサリアンシステムで実現されるのはルールのみで構わない。

 本ドキュメントでも以上の前提でもって各論を展開していくものとする。

 以上、2014/04に追記。以下、それ以前の旧内容も残しておく。

ソーサリアンARPG

 ソーサリアンのゲームとしての分類は、アクションRPGである。
 しかし、上でも述べたように、アクション/戦闘が大味であったため、むしろAVGと言われることも多かったのが実情だ。

 そこで、本ドキュメントでは改めてソーサリアンの原点は「アクション」であるという前提に立ち、アクションRPGとしてどのように進化を遂げるべきかという観点で改善案をまとめていくものとする。

 よって、たとえば横視点のアクション形式は崩さない(アクションで視点が変化するのは、そのまま難易度やゲーム感覚の違和感に直結するためだ)。その前提の中で、如何にアクションを細かく制御できるようにするのかについて重点を置く。

 なお、この方針は、ソーサリアンのアクションを難しくすることを意味しない。アクション初心者であればレベル上げによって易しくもなるし、難関に挑戦したいユーザであればレベルの低いままでも、「うまくやれば」敵と互角に戦いうるような緻密さを可能にすべきである。

無限に広がるシナリオシステム

 ソーサリアンにはさまざまな要素があるが、その本質は
「無限にいつまでも新しいシナリオを自分の育てたキャラで楽しめる」
である。

これを実現するために必要な要素は、

  1. レベル上げによってゲームバランスを崩さない成長システム
  2. さまざまなシナリオを受け入れられるイベントシステム
  3. ゲーム性に直結しない複雑さの解消

という3本柱であると考える。

 各論は以降で述べるが、特に3.については要注意と考えている。

 既存のソーサリアンユーザにはそれぞれに自分の「ソーサリアンらしさ」があると思われるため、無制限に要素を廃止するのは避けるべきであろう。本ドキュメントでも、できるだけ現状を維持(もしくは、代案で補いつつ)しつつ、代案を見いだせないものについてのみ、廃止という提案を示している。

MORPGMMORPGは採用しない

 ソーサリアンの進化系としてMORPGMMORPGが提案されることもあるが、本稿ではその立場は採らない。もともとのゲームシステムが複数人数の参加を前提としたものでないため、世界設定が同じだけで、ゲームとしてまったく別ものになってしまうおそれがあるためだ(そこまでやるならば、それこそソーサリアンでなくとも良いだろう)。

 もちろん、昨今の風潮としてネットワークの活用や、それに伴う協力型のイベントを完全に排除するものではない。ただし、あくまで補助的な役割にのみとどめる。

[補足]
同じ理由から、本案では課金要素も追加シナリオとアバターのみと、ごく限定している。そもそも旧来のソーサリアンのユーザ層を考えた時に、課金に抵抗が大きいと予想される(旧ファン層がメインターゲットでないにせよ、無視することはできない)。追加シナリオが多少高額になっても、課金を前提としたゲームイベント、しかけは最大限避けるべきだろう。