新時代のソーサリアンを提案する

30周年を越えたソーサリアンの夢と妄想を語り続ける

ソーサリアンNext(模擬提案書)


このドキュメントはアップデートしました。新しい内容はhttp://d.hatena.ne.jp/sorcerian/20120605から参照してください。

■はじめに

本文書は、「リメイク版ソーサリアンを作るとしたら」という命題に対して、個人的な見解をまとめたものである。

ソーサリアンは名作であるが、初版1987年から既に25年が経過しており、ゲームシステムとしてはあまりに古臭くなっている。実際、昨今の移植では旧作の回顧層が購入の中心となっていると思われ、新規ユーザが積極的に参入しているように見受けられない。
問題の本質は、以下の点にあると思われる。

 ・ゲーム性に直結しない、システムの不要なまでの**複雑**さ
 ・アクション、戦闘、イベントのシステムがいずれも**大味**
 ・結果、ゲームそのものが**単調**であるか、**理不尽に難しい**ことが多い

これを解決するには、ゲーム性に直結しない複雑さは最大限破棄し、逆に、アクション/戦闘/イベントの3要素について、より細かな制御を可能にするための改善が必要であると思われる。

以下では、上記を前提に、「現状システムの問題点」と「解決の方策」をまとめるものである。


補足(というか言い訳):
あくまでお遊びで書いたドキュメントですが、他の方の意見にも興味があるので、反論/追加意見は大歓迎です。コメントなどでお願いします。
でも、批判はできればなしでお願いします(^^)

■前提
上と重なる部分もあるが、本ドキュメントの立ち位置をまとめておく。


ソーサリアンのゲームとしての分類は、アクションRPGである。
しかし、上でも述べたように、アクション/戦闘が大味であったため、むしろAVGと言われることも多かったのが実情だ。

しかし、本ドキュメントでは改めてソーサリアンの原点は「アクション」であるという前提に立ち、アクションRPGとしてどのように進化を遂げるべきかという観点で改善案をまとめていくものとする。

よって、たとえば横視点のアクション形式は崩さない。その前提の中で、如何にアクションを細かく制御できるようにするのかについて重点を置く。

これは、ソーサリアンのアクションを難しくすることは意味しない。アクション初心者であればレベル上げによって易しくもなるし、難関に挑戦したいユーザであればレベルの低いままでも、「うまくやれば」敵と互角に戦いうるような緻密さが重要。


ソーサリアンにはさまざまな要素があるが、その本質は
「無限にいつまでも新しいシナリオを自分の育てたキャラで楽しめる」
である。

これを実現するために必要な要素は、
 1. レベル上げによってゲームバランスを崩さない成長システム
 2. さまざまなシナリオを受け入れられるイベントシステム
 3. ゲーム性に直結しない複雑さの解消
という3本柱であると考える。

各論は以降で述べるが、特に3.については重要である。
既存のソーサリアンユーザにはそれぞれに自分の「ソーサリアンらしさ」があると思われるため、無制限に要素を廃止するのは避けるべきであろう。本ドキュメントでも、できるだけ現状を維持(もしくは、代案で補いつつ)しつつ、代案を見いだせないものについてのみ、廃止という提案を示している。

■種族について

問題:
現在のFighter/Wizardというのはむしろ職業であり、種族と職業が混在している。

解決:
Fighter/Wizardは人間としてまとめ、人間/ドワーフ/エルフとして再構成。
種族選択時に、合わせて性別、職業を指定できる。以上の情報によって、以下の点が変動する。
 ・選択できる職業(制限しなくても良いかも?ドワーフの魔法使いがいても良い?)
 ・成長ツリー(パラメータの成長パターン。後述)
 ・初期パラメータ(ドワーフはIntが低いなど)

補足:
キャラ作成時には、種族/性別/年齢(後述)に応じて見かけを設定&カスタマイズ可能とする。具体的には、以下のパーツを選択可能に。
 ・肌/髪/目の色
 ・顔パターン
 ・髪型
見かけのパーツは、あとからアバター的に追加拡張できるのが望ましい。

■年齢(寿命)/時間について

問題:
寿命は、ソーサリアンの主な要素のひとつであるが、現在は世代交代含めて、キャラ成長の制約にしかなっておらず、発展的に解決する術が思い当たらない。

解決:
実際、ほとんどのやりこみユーザが不老不死を前提としていることを考えると、年齢/世代交代の概念はカットでも良いのではないか(年齢/世代交代の概念はリアルであるが、成長させた自分のキャラクターを殺してしまうことに、多くのユーザは抵抗を感じている)。
伴い、キャラ選択時に青年、壮年、老人という大枠でのみ年齢を選択できるようにし、それも「見かけ」にのみ影響を与えるものとする。

※年齢が、初期パラメータ/成長ツリーに影響を与えるのもありかもしれないが、あまりメリットはなさそうだ(老人は初期パラメータを高く、成長しにくくとした方がリアルだが、最初から「できあがった」キャラを提供するのは、成長の楽しみを奪うだけのようにも思える)。

解決2:
伴い、時間の概念ももう少し緩くしても良いのではないだろうか。
たとえば、シナリオごとに経過期間(クール)を設け、シナリオクリアごとに時間が経過するなど(短いシナリオでは1クール、長いシナリオでは3クール経過など)。

補足:
時間はあくまで、魔法をかけてもらう、ハーブ調合などの期間を測るために利用するものとする(たとえば魔法をかけるのに5クール必要など)。
※Gold消費で魔法をいくらでもかけられるようになると、成長バランスを崩す惧れがあるため。

シナリオ内のイベントとして、町に戻ってある一定時間が経過したら次のイベントが発生する、パラメータの減退(後述)などにも利用もできるかも。
その他、時間の有効利用については要検討。

■職業について

問題:
現在、職業については年収や成長具合を決めるのみで、シナリオとの関連性は薄い。一部、職業を制限したシナリオも必ずしも有効に職業を利用できているわけではない。

解決:
これまでの職業を廃止し、冒険者としてのクラスに置き換える。
具体的には、以下のような。カッコ内は装備できる武器/防具。

 ・ファイター(剣、斧、槍、斧槍、鎧、兜、盾):接近戦を得意とする
 ・闘士(ナックル、扇、モーニングスター、兜、衣、指輪):格闘戦を得意とする
 ・レンジャー(弓矢、鉄砲、兜、衣):遠隔攻撃を得意とする
 ・ウィザード(杖、衣、指輪):攻撃/防御魔法を得意とする
 ・プリースト(メイス、衣、指輪):治癒/強化魔法を得意とする

成長ツリー(後述)も、種族/性別/職業によって決定する。

解決2:
特定の職業(クラス)で一定のレベルに達すると、クラススロットが増えて、他のクラスも選択できるようになる。ただし、レベル/パラメータはクラスごとに持つものとし、追加したクラスについてはレベル1(パラメータも初期状態)からの開始となる。

複数のクラスを備えたキャラは、<城>でのみ使用するクラスを変更できる(シナリオ内では固定)。ただし、しばらくクラスを利用しないで放置しておくと、クール単位にレベル/パラメータが落ちてゆくので、ある程度バランスをもって順繰りに利用する必要がある。

■パラメータについて
現在は、総じて、成長によって「長くプレイしているとキャラクターが強くなりすぎる」「キャラクターに特徴がなくなる」などの問題があり、ソーサリアンの本質である「無限に〜楽しめる」を阻害している。
キャラクターが成長していくのは当然のことであるが、長きにわたってゲームバランスを崩さない成長システムの見直しが必要である。


問題:
現在、種族は初期パラメータの違いがある程度で、ほとんど特徴的な違いがない(Wizardでも強力な戦士になることが可能)。

解決:
レベルアップするたびに、一定の<星力>(成長ポイント)を得られるものとする。
この星力を<城の謁見室>で成長ツリー(レベルアップ時の成長パターン)に割り当てることで、キャラクターを成長させられるが、種族/性別/職業ごとに成長ツリーは決まっており、たとえばウィザードはファイターに比べて、INTやMGRの成長は早いが、STR、PTRの成長は少ない。また、種族/職業によって、成長ツリーの途中で新たなスキルを得られる。
成長ツリーは分岐しており、ある程度どのパラメータ、スキルを優先して得られるかを選択できる。
FF13のようなクリスタルシステムのようなイメージ。

補足:
スキルは、種族/職業によって得られるものが決まってくる。
 ・ハーブの調合
 ・モンスターの知識
 ・罠を外す
 ・アイテムを知る
など、従来のスキルに加えて、
 ・クリティカル確率Up(ファイター)
 ・神の加護=回避率Up(プリースト)
 ・全体マップを見渡す(レンジャー)
 ・モンスターからのアイテム入手確率Up(レンジャー)
のような種族/職業ごとのスキルも設置。
また、連携スキルがあっても良いかもしれない。
 ・2人一閃(ファイター+ファイター)
 ・纏い=ウィザードの力を籠めて、闘志が拳を出す(闘志+ウィザード)
など。※キャラ2人のMPを最大消費

スキルは、以下の種類に分類できるものとする。
 ・パラメータに影響を及ぼすもの(クリティカル率Upなど)
 ・あらかじめショートカットキーに割り当て、明示的に発動するもの(2人一閃など)
 ・メニューなどを増やすもの(モンスターの知識など)


問題:
年齢(寿命)の概念をなくすと、お金さえかければいくらでも道場で成長できるため、成長バランスを崩す可能性がある。

解決:
パラメータ成長の場としての道場は廃止。
あくまでレベルUpによる成長ツリーでのみパラメータを成長できるものとする。

代わりに、モンスターとの戦闘練習、アクションの練習を行うプラクティスモードとしての道場を残すと良いかもしれない。以下のような分類もありだろう。

・初心者の間(案内役の先輩ソーサリアンにダンジョンを案内してもらいながら、ハーブやモンスター、魔法などの基礎を説明してもらう)
・戦闘の間(戦闘重視で経験値やGoldためにも役立つ)
・体技の間(アクション重視でよくある基本的なシカケをこなしていく)
・魔法の間(すべての魔法をお試しで利用できるステージ)


問題:
現在、VITによる扉の開閉可否は、煩わしい制限にしかなっておらず、ゲーム性の向上にはあまりなっていない(むしろ低いレベルで高いレベルのシナリオに挑戦しにくいだけ)。

解決:
以下のように、パラメータを再構成する(変更のあるのは*)。
 火星STR:物理攻撃の強さ(剣、槍、斧などによる攻撃に影響)
 水星INT:魔法力。攻撃力、防御割合、回復(成功)率などに影響
 木星PRT:物理攻撃に対する耐久力
 月MGR:魔法攻撃に対する耐久力
  地/水/火/風/霊それぞれに対する耐久力はMGRをベースにアイテムなどで付与する?
 *太陽AGL(Agility):素早さ(敵に対する相対的な速度)。VITに代わって新設
 *金星DEX:器用さ(罠の解除確率、武器ごとの取得経験値の多寡に影響)
 *土星KRM:魅力、運の良さ(クリティカルヒットや回避、大技の出やすさ、購入時の売買価格に影響)

■戦闘について
ソーサリアンではアクション(戦闘)は重視されていないという意見もあるが、自分は「ユーザがクリアしたシナリオを何度でもやりこみたいという動機づけ」という点で、アクションという要素は欠かせない(サブイベント要素だけではやらされている感が拭えない)――そうした意味で、戦闘/アクションシステムの正当進化がソーサリアンの未来形であると考える。


問題:
現在は、パーティ全員が団子状に連なる状態であるため、細かなアクションに対応できない。そのため、単に剣、魔法を乱射して進むのが基本となってしまう(ボス戦でも本質的に変わらない)。

解決:
パーティ内でのメンバ切替方式――画面上は一人だけが表示され、操作する方式とする。メンバの切り替えは自由に可。これによって、細かな操作も可能となり、頑張れば敵の攻撃を防げるはず(より高度な戦闘を期待できる)

解決(代案):
可能であれば、Ys 7的なAIでの操作切り替え方式もありかもしれない。
ただし、複雑なしかけを伴うようなシナリオで、横視点の状態で複数キャラが動くのは(見た目的に)操作しにくいかも。
※斜め上視点にすれば解決するかもしれないが、ソーサリアンらしさのひとつは横視点ビューにあると思われ、あまり変更したくはない。

また、汎用的なシナリオシステムで、ここまでの制御が矛盾なくできるかはよく解らない。とすると、あまり重視すべき代案でないかもしれない。


問題:
現在、HP/MPともに自動回復が可能となっているため、シナリオ全体での戦闘の緊張感がない(一つの戦闘で死にさえしなければあとから回復すればよい)。
難しくしようとすると状態異常に頼るしかないが、これも解消してしまえばよいだけなので、本質的な解決ではない。

解決:
シナリオ内でのHP/MPの自動回復は不可とする(城では全回復)。
ただし、シナリオ内で以下のような回復イベントを設ける。
 ・青水晶/緑水晶:一度だけHP/MPを回復できる
 ・SavePoint(七惑星の石像):シナリオ内セーブ&全回復
 ・その他特殊イベント:村の宿屋で一晩過ごすなど


問題:
剣や斧、杖のリーチがすべて同じであり、しかも、動きのパターンも同様であるため、攻撃に変化がない。

解決:
武器ごとに特徴を設ける(以下は、威力/リーチ/速度/基本動作)
また、武器によっては両手持ちのものを設けても。
 ・剣:普通/普通/普通/斬る
 ・斧:強い/普通/遅い/兜割
 ・槍:強い/長い/激遅/突く
 ・ナックル・扇:弱め/短い/速い/殴る
 ・弓矢:普通/激長/普通/飛ばす
 ・メイス:普通/普通/遅い/殴る
同じく、攻撃操作にも普通に斬る、匍匐前進で突く、防御(盾ありのみ)を追加

解決2:
上記に伴い、武器/防具種類の単位に「経験値」を設ける。
Xanaduはアイテム単位であったが、これをもう少し荒くするイメージ。
ex. 剣に慣れたファイターが斧を使おうとしてもすぐには思った攻撃力が出せない。
これによって、剣の得意なファイター、盾の扱いに長けたファイターなど、キャラの特徴を出しやすくなる。

解決3:
武器/防具の経験値に応じて、動きにバリエーションが出る。
剣であれば、突き、回転斬り、斬り上げ、薙ぎなど。
※また、最大値になったら、武器固有の大技が付与されても良いかも
※いずれも自動発動とし、あまり操作が複雑にならないようにする。


問題:
現在は、前面/後背いずれから攻撃を受けても関係ない(未確認)。

解決:
自キャラ/魔物ともに、前面/後背で防御率に違いを持たせる。

■魔法について


問題:
七惑星の星の組み合わせパターンは複雑であり、攻略まとめなどなしで目的の魔法を作成するのは困難であった。実際、後には「魔法学院」が設けられ、直接に目的の魔法をかけてもらう救済策が提供されている。

解決:
あくまで武器/防具にかけられた七惑星はパラメータに影響するものとし(たとえば火星はSTRをUpさせるなど)、直接の魔法とは関連しないものとする。
なお、星を掛けるときの干渉は維持する。

補足:
寿命の廃止に伴い、一個の武器/防具にかけられる星は10個まで等、制限を課す。
極端に強い武器/防具ができてしまうのを防ぐため。


問題:
120種類の魔法は現実的にあまり利用できているとは限らない(多すぎる)。

解決:
せめて30種類くらいに絞り込んだうえで、以下のような方策を採る。
また、魔法はスキルのひとつとして覚えられるものとする。

 > 攻撃魔法:
  発射方向を水平(Fireなど)、垂直(Thunderなど)、円周(LIGHT CROSSなど)、
  全体(地震)などで分類し、それぞれ3種程度にまとめる。
  すべての魔物に効く万能魔法は設けない
  五象それぞれに対してただ有効/無効ではなく、
   強く効果/有効/あまり効かない/無効/逆効果の5パターンを設ける
 > 防御魔法
  物理防御、地/火/水/風/霊の魔法防御Upなどにまとめる
 > 治癒魔法
  HEAL、CURE、STONE FRESH、MELT、UN-CURSE、RESURECT、ADD TO LIFE
  ※ほぼ現状維持
 > 補助魔法
  素早さUp、敵の素早さDownなど、パラメータに直接影響を与えるものに限定

後々に、システムUpdateで魔法の拡張を可能な余地も残しておく。

補足:
効果的には、魔法と一部被った概念として、薬(ハーブの調合)があるが、こちらはラインナップを見直せば継続しても良いと考える。
具体的には、
 ・回復・補助系を中心に整理する
 ・直接的な攻撃/防御系は、魔法にないようなものにする(利用回数が薬の方が限られるため、より効果のあるものにすることで、魔法との使い分けにもなる)
   ⇒ ex. 一時的に無敵(CHANGE-AIR)、画面の敵すべて全滅(浄化)など
などが考えられる。


問題:
現在は凍結や石化などでも画面を切り替えると死亡扱いになってしまうため、MELT、STONE FRESHなどの必要性が弱かった。

解決:
凍結、石化の状態を画面切り替え時も維持する。凍結、石化のキャラは操作切替不可。
※死亡の扱いについては後述。

■アクションについて

問題:
現在、ジャンプや泳ぐなどの動作が不自然。
たとえば、水の中でも動きが変わらないか、極端に動きが遅くなるなどの制御しかされていない(機種によって違う?)。
結果、アクション重視のしかけもあまり難易度を高くできないか、高くすると、理不尽に難しくなってしまう。

解決:
ジャンプ、泳ぐなどを現代のゲーム並みにはリアルにする必要がある。

■イベントについて


問題:
現在は、パーティの人数は3 or 4人上限?、NPCは1人という制限があり、シナリオの展開に制約がある。

解決:
パーティの最大人数は、4人までで従来と変わらず。
ただし、シナリオによって1〜4人上限まで、3人固定、2人以上など、人数指定を柔軟にできるようにする。人数固定にすれば、現在はソーサリアンはパーティひと塊で「ソーサリアンのセリフ」にしかならないが、キャラごとに台詞を持たせることも可能になる。

また、NPCの人数も3人まで入れ替えを可能とし、パーティの上限4人を超えなければ同時に2人以上を仲間に加えることも可能とする(仲間にするキャラを選択することも可能)。


問題:
現在はNPCが死亡してしまうと、シナリオのクリア自体が不可能になってしまうことがある。

解決:
死亡という概念を取り払い、「戦闘不能」というステータスを設ける(RESURECTは「先頭不能」を解消する魔法になる)。
これによって、人数が厳密なシナリオでもイベントに支障をきたさないようにする。
※全員が戦闘不能になったところでGame Over。


問題:
現在は、アイテムを持っているだけでイベントが発生するため、謎解きも単調になりがち(=よく解らなくても、なんとなくイベントが発生して話が進んでしまう)。
また、アイテムを発動させるためにフラグ(情報)が必要など、イベントがそのものが冗長になる原因にもなっている(お使いイベントが多発する原因)。

解決:
シナリオ中で入手したアイテムの利用+装備を可能にする。
これによって、「どれを利用(装備)する」というアクションが一つ増えるため、プレイヤが判断して話を進めることが可能になる。


問題:
選択肢が[はい][いいえ]に限られるため、イベントの分岐などにも限界がある。

解決:
複数選択や、そもそも任意の文字列入力も可能とする。


問題:
謎解きが単調で、基本はアイテムを持ってきてイベント発生のようなものがほとんど。本質的に、パズル的なイベントは少ない(or あっても、大まかなので妙に難しくならざるを得ない)。

解決:
別ウィンドウで、ミニゲームを追加できるようなしくみ(インターフェイス)を設ける。たとえば、パズル、スロット、すごろくのような機能を別ウィンドウで追加できるようになれば、「絵合わせすれば扉が開く」など、謎解きにもバリエーションを持たせられる。
ミニゲームの結果は成功/失敗だけでなく、得点も戻せるようにする。

補足:
ソーサリアンARPGであることを考えれば、あまり趣旨が分散するのは望ましくないが、シナリオの自由度を考えれば、これによってシューティングやアドベンチャー、シミュレーション系のシナリオにも一定対応できるようになるものと期待できる。


問題:
罠が、現在はあまり有効に働いているとは言い難い。罠に「石化」「凍結」など、致命的なものが多すぎるため、罠の解除判定もあまりに大味すぎる(DEXが高ければ、ほぼ確実に回避できるし、低ければかなりの確実でかかる)。

解決:
罠にバリエーションを持たせる。具体的には、「**一時的な**攻撃力や防御力パラメータの低下」をメインとする。
その上で、DEXによる罠解除判定はシビアにし、DEX値が高い場合にも回避率は下げる。
バランスを考えるならば、「石化」「凍結」などの回避率は、「パラメータ低下」系に比べると高くなるようにすべきだと考える。

補足:
新しく「操作不能のトラップ」など、一時的に左右操作ができなくなる罠があっても面白いかも。ジャンプ、攻撃/魔法などは操作可能にしておけば、ランダムに動くソーサリアンを見つつ、敵や落とし穴を回避していくなど、ちょっと風味の違うアクションを楽しめるかも。


問題:
(現時点で必ずしも問題というわけではないが)

解決:
会話シーンでキャラクターの立ち絵や、シナリオの途中で、イベントアニメーションを挿入できるしくみがあっても良いかもしれない。あまり多用すべきでないが、ポイントポイントでの盛り上げには役立つ場合もあるかもしれない。

立ち絵は、現在のドットキャラでも想像力は掻き立てられるのだが、やはりキャラの見かけ、表情があった方が、特にストーリ重視のシナリオでは盛り上がると思われる。

■シナリオそのもののしくみについて


問題:
シナリオレベルは現在、1(簡単)〜5(難しい)まで設けられているが、シナリオを拡張していくと、キャラのレベルも上がっていくため、追加シナリオはおしなべてシナリオレベルを高く設定せざるを得ない。
一方、ユーザ側もいきなり追加シナリオを遊ぶということはしにくい(基本シナリオをすっとばして、ピラミッド〜を遊ぶことは、現実的には無理)。

解決:
デフォルトでのシナリオレベルは1〜5で維持するが、難易度モードを変更できるようにする(実績にはクリアした最高難易度を記録)。
難易度モードによって変動するのは、以下の情報。
 ・モンスターのパラメータ値
 ・罠の多寡
 ・イベントの多寡
イベントについては、難しいアクションを伴うイベントを間引きする。特にサブイベント(任意のイベント)を間引きすれば、いったん簡易モードでクリアしても、再度、困難モードで挑戦しようというインセンティブにもなる。


問題:
シナリオは一度抜けると、そのまま初期化されてしまう。そのため、途中で装備などの不足でペンタウァに戻った場合にも、常に最初からシナリオを再開しなければならない。

解決:
ペンタウァに戻る際に、現在の状態を維持するか、初期化するかを選択できるようにする。これによって、いったんペンタウァに戻って、何クールか経過したら新規イベントを発生させるなどの展開も可能になるかも。


問題:
戦国〜のような連作ものでは、シナリオとして選択できるにも拘らず、条件を満たしていないキャラでシナリオに入ると、「門が閉じています」などのガードで実質シナリオを進められない。
また、最後までストーリの大枠が見えてしまうため、先の見えないというワクワク感には欠ける。

解決:
シナリオに開始条件を設け(あるシナリオをクリアしている、など)、開始条件を満たしていない場合には、そもそもタイトルそのものが表示されないようにする。
タイトルが表示されなければ、シナリオ側で奇妙なガードをかける必要もないし、先のシナリオをあらかじめ参照できないため、長編も先の展開を伏せた状態で提供できる。


問題:
隠しアイテムがある程度で、シナリオを繰り返し楽しむという要素は少ない。

解決:
(この辺は、反対意見も多そうだが)やりこみ要素の設置。
隠しアイテムだけでなく、ミニイベントも多分に入れていく。
伴い、達成率を管理し、マップ横断率、モンスター討伐率、アイテム入手率、イベント達成率は、システム全体として管理できるものとする。

補足:
そもそもソーサリアンのシナリオは限りなく一本道であるので、最低でも、ミニゲームなど任意のイベントを随所に鏤めてよいかと思われる。

■展開について


問題:
従来の移植作品は、シナリオも旧作の純粋な移植に留まってきていた。そのため、旧作をもう一度、という人を除いては、「昔と同じならば」と購入しない層も多かったと思われる。

解決:
リメイクでは原則新作を。15シナリオをすべて新作にするのが難しいならば、以下のような方策があっても良いのではないだろうか。

 ・5シナリオは完全オリジナル
 ・5シナリオは旧作で人気のあった「天の神々たち」や「時の神殿」などを(そのままではなく)現在風にリメイク
 ・5シナリオはリメイクシステムの仕様を公開した上でシナリオコンテストで公募

システムに対する意見公募の場にもできるし、事前宣伝にもなるのでありなのではないだろうか。
ソーサリアンはプレイヤ一人一人が「ソーサリアンらしさ」のイメージを持っていると思うので、システム自体を意見公募することは一定意味があると考える(調整は大変そうだが)。

補足:
コンストラクションセット(自作シナリオ作成の開発環境)、ツールセット(既存シナリオで利用した背景やキャラクターのパターン&サウンド集)と、その完成物を公開するためのマーケットプレイスまで展開できれば、シナリオはいよいよ無限に広がるし、サードベンダーの参入も期待できる。
#オンラインが当たり前の時代なので、以前と違って、5シナリオ1セットの制約が外れるのも大きい(1シナリオ単位での提供が当たり前になるだろう)。

■その他

問題:
城のメニューや、アイテム(武器/防具を含む)の一覧表がほとんどテキストベースで、いかにも古風である。些細な事ではあるが、モダンなゲームを中心にプレイするユーザには、まず違和感を感じるところだと感じる。

解決:
城のメニュー => すごろくのようなペンタウァマップの上で移動できるようにし、宿屋や道場などの上でコンテキストメニューを出せるようにする(街を歩き回るようにするのは、おそらくうざいだけなので、あくまで最低限のGUI対応で十分かと)

アイテム(武器/防具なども) => 武器、防具、アイテムにはイメージ画像を持たせる。名前を自分で変えられるのは既存のママとしても、少しでも「格好いい武器、防具はを手に入れたい」とユーザに思わせるためには、それぞれに独自の画像を提供するのは意味があるはず。

攻撃魔法 => 種類に応じてより魅せられる、なにかが明確に判るビジュアルに改める(ライトゲーマーの相方にPC版をやらせたら、「ファイアーの魔法が鉄砲か何かだと思った」と言われたので; )。

■最後に

こうしてまとめてみると、ソーサリアンは(現在の仕組みが古いため)さほど目新しいしくみを設けなくても、格段にレベルアップする余地があるように思われる。

汎用的なシナリオ拡張のシステムであるため、あまり凝ったしくみを提供するのは、却ってゲームバランスを崩す惧れがある。しかし、上で述べた程度の整理、強化だけでも、大幅にゲーム性を強められるのではないだろうか。

本ドキュメントが妄想に終わらず、なにかのきっかけになってくれればと願う。