新時代のソーサリアンを提案する

30周年を越えたソーサリアンの夢と妄想を語り続ける

世界名作童話ソーサリアン(グリム童話編)

上様さん執筆作品

世界名作童話ソーサリアン(勝手略:メイソン)は、日本昔話ソーサリン(勝手略:ジャクソン)をきっかけに派生したシナリオ。ジャクソン同様、シンプルな粗筋の構成を、お気軽にお楽しみください。
上様(@)さん、掲載のご快諾、本当にありがとうございました!

シナリオ No.1〜5 目次
シナリオ SPECIAL No.1〜8(みんなの応募作品)目次

世界名作童話ソーサリアン 第1話:偽りの仮面(カエルの王様)

プロローグ

 近隣の国王から依頼が寄越された。娘をカエルの姿から元に戻して欲しい、と。カエルの姿から人の姿を現した王子の元へ嫁いで行ったのだが、まさか娘がそんな姿になるとは思っていなかったらしい。そもそもなぜ娘はそのような姿になったのであろうか?

ストーリー

 ソーサリアンはロロ王子の住む城へと向かう事にした。

 道中の小さな村で老人に呼び止められる。
「それ以上先へ進んでも廃城しかないぞ」と。

 たどり着いた城は廃城ではなく豪華なたたずまいをしていた。
 しかし、人の気配は感じられない。
 ロロ王子が出て来て、二人慎ましく暮らしているだけだ、とソーサリアンを追い返す。

 城の裏側には沼地が広がっているだけであった。
 ふと見ると巨大なカエルが鎮座していた。頭には王冠が!
 その正体はゾマーシェーン王女であった。

 ロロ王子の元へ嫁ぎ、一夜明けるとこのような姿になっていた。
 この姿でも王子は変わらず愛情を注いでくれるので、このままでも良いかも、と。
 そう話すと、もう私の事は放っておいて、と取り合ってくれない。

 おずおずと引き返して来たソーサリアンを見かけた老人が話しかけてくる。
「なんと!修復され人も住んでいたとな!?」

 老人は語る。
 以前、あそこを含めここらは蛇神様の恩恵を受けた土地であったと。
 何もなかったこの土地に白蛇が現れ、人が住める土地にしてくれたと言う伝承が残っており、先の城にはそれを受けて蛇の紋章が伝わっていたと言う。また、沼地の奥には祠もあったはず、だとも。

 沼地の奥へと行ってみると、ただ岩が点在しているだけと思っていた場所は、破壊された祠が散らばっていたのであった。そして、その先はけもの道から通じる洞窟が広がっていた。

 入り口の方こそ動物や魔物が巣食っていたが、奥は広間になっており、ソーサリアンが部屋に足を踏み入れると声が聞こえてきた。
「おやおや、こんな所にまでお客さんとは珍しいね」
 そこには年老い傷付いた白い大蛇が寝そべっていた。

 突如現れた王子に傷つけ追いやられたんだそう。
 奴はただの人にあらず、もう老い先短いわが身、力を集約したこれを持ってお行き、と自らの左眼を差し出して来た。

 もう一度、王宮へと向かい、姫の事など話しかけると、
「うるさい奴らめ!これでも喰らえ!」
 そう言うと火柱をあげて攻撃してきた。

 あまりの火炎攻撃に何の手立ても無いうちは引き下がるを得ないが、「白蛇の瞳」を持っている場合は瞳が光を放ち、ロロが悲鳴をあげる。苦しみ倒れたかと思ったら、次第にその姿は巨大なアカガエル(ジャイアントトード)へと変わっていった。

「おのれ!あのくたばりぞこないめ…!」
 そう言いながらもジャイアントトードは飛び跳ね周りながら火炎を吐き出して攻撃をしてくる。火炎は着地点を中心に広がり周辺をも焼き尽くす威力を持っていた。

「ははは!不思議だろう?なぜカエルが火炎を操るのか!死ぬ前に教えてやろう!俺様はあの老レッドドラゴンフラジオレが倒される際、そばにいて血を浴び、この力を得たのだ!」
 また、この沼地はカエルにはもってこいの土地なので、蛇には勿体無く奪ってやったとの事。一眼見かけた王女気に入り彼女こそ自分の妻に相応しいと思い迫った事なども語り出し、さらなる攻撃を繰り出してきた。

 激闘の末、ソーサリアンはロロを倒す。

 場内へ向かうと、ロロが放っていた魔力が切れたため、城は廃墟の姿をさらし、姫は人間の姿を取り戻していた。
「私の力で村の人々と共にこの土地を再興してみるわ」

世界名作童話ソーサリアン 第2話:魅惑の舞踏会(灰かぶり姫)

プロローグ

 古城にて毎夜のごとく行われる舞踏会。
 その豪華絢爛な宴と館の主に女性たちは虜にされていた。
 そこへ通う女性たちは仕事も家事も忘れ、挙句の果て帰らなくなる者まで出てきた。
 事態を重く見た王宮はソーサリアンに調査を依頼した。

 ※このシナリオは女性しか参加できません。
 ※このシナリオは3人までです。

ストーリー

 古城の建つ城下町へ訪れたソーサリアン
 城へ向かう道中で、着飾った母娘が家を出ようとする場面に出くわす。

「いいかい。あんたはしっかりと家の用事をしておくんだよ」

 そう家の中へ言い放つと、そそくさと母娘は足早に出かけて行った。

 そのまま城へ向かってみるも、ソーサリアンは正装で無い事から門番に追い返され中には入れない。どうしたものかと城下町へと戻っていると、先ほどの娘、シンデレラが話しかけて来た。「いったいどうなされたのですか」と。

 事情を話すと衣装など一式を貸してくれるとの事。ただし、彼女から頼まれ仕事を幾つかこなす事と、お城へは彼女も同伴する事を条件に。

 凶暴な野獣や魔物が住む森の奥へと往復し、一連のお使い用事を無事終えると、衣装一式と共にシンデレラがパーティーに加わった。

 夜空には大きな満月が輝いている。

 今度は難なく場内へ入る事が出来た一行。
 シンデレラより、舞踏会場へ行く前に城内探査を頼まれ同行。

 城の地下にはなぜか魔物が多く巣食っていた。

 魔物と幾重にも仕掛けられたカラクリをくぐり抜けた先の部屋で、シンデレラはある確信をする。

「ただの噂話かと思っていたけど、本当に復活していたとはね…」

「おっと、いけませんね。勝手に人様の部屋に入り込んでは。」

いつの間にか部屋の出入り口に執事風の男が佇んでいた。

「悪い子にはお仕置きの必要がありますね。」

 そう言うと空中に大きなカマを出現させ、ソーサリアンを攻撃してきた。

 大小、数々のカマを操る執事風の男を倒すと、シンデレラは城主の元へと急ごうとうながしてきた。

 舞踏会場へたどり着いた時に12時を告げる鐘が鳴り響いた。

「伯爵。もう魔法は解ける時間よ。」

 シンデレラはそう言うや否や、ソーサリアンに集めさせた朝露の入った小瓶にハーブを浸し、周囲に撒き散らした。

 するとそれまできらびやかだった室内の様相は様変わり。
 朽ち果てた古城の姿を現した。

 また、魅入られた表情だった女性たちも正気を取り戻し、シンデレラの指示通り退出して行った。

 怒りをあらわに伯爵はこう告げる。

「おのれ。小賢しい小娘らめ!私を誰だと思っておるのだ!?」

「ふふふ。高貴な眷属の者、とでも言いたいんでしょ?
 あなたこそこの紋章を知ってるかしら?」

 そう言うとシンデレラは手に持つ鞭の握り手にある紋章を高々と掲げて見せた。

「!?…その紋章は…貴様!」

 バンパイアロードは先程とはうってかわり余裕を失ったように見える。

「うふふ。うちは分家筋なんだけどね。それでも由緒正しい"ベルモンド家"の血族よ!」

 死闘の末、ようやくバンパイアロードを倒したかのように見えたが、奴は「まだまだ!」と怖ろしい気迫を見せ再び襲いかかってこようとした。

「しかし…魔法は終わりの時間よ」

 シンデレラが柱に一撃を与えると、壁面が崩れ落ち朝陽が差し込んで来た。

「この時期には太陽はいっときしか沈まないの」

 バンパイアロードは声も無く灰と化して行く中、シンデレラはそう告げる。

 辛くもバンパイアロードを倒したソーサリアン
 街は平穏を取り戻した。

「さて、私もここにいる必要がなくなったわ。またどこかで出会えたらよろしくね」

 そう言うとシンデレラはパーティーを外れ、ソーサリアンとは別の道を1人旅立って行ったのであった。