新時代のソーサリアンを提案する

30周年を越えたソーサリアンの夢と妄想を語り続ける

はじまりのゼロ(冒険の書)

共同執筆作品(リオ担当)

SORCERIAN for iOSシナリオコンテスト ガッツリ投稿 にて入賞したときのじさん(@)、Salvadorさん、リオ(@)による共著作品です。共著にご賛同&ご協力頂いた皆さま、本当にありがとうございました!

シナリオ No.1〜5 目次
シナリオ SPECIAL No.1〜6(みんなの応募作品)目次

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はじまりのゼロ(冒険の書&シナリオデータ)

プロローグ

 はるかな昔。

 もはや伝承も真実を定かにせぬ古の時代に、<かの国>はあったという。七惑星神の加護によって栄華を極めたかの国が、何故に滅びの憂き目を見たかは知らぬ。ただ、かの国が亡びた後、北の大地は寒く深く、そして無色彩の濃い霧で覆われた。霧は秘密を懐深くに包み込み、何も語らぬ。ただ、近づく者を死の腕(かいな)で掻き抱き、そして、何事もなかったかのように黙するのみだ。

 誰も近寄らぬ、貪欲な列強も侵略の手を伸ばさぬ死の大地を、人々は畏怖の代名詞として、こう呼んだ。僅かな伝承のみが教える古代王国の名、そう、その名はペンタウァ。

 ★ ★ ★

 ザウリア。気候は厳しく貧しいものの、その日の暮らしはなんとか凌げる程度には豊かな北辺の寒村。それが私の村だ。争いごとも、それこそ諍いすらなく、今日の夕餉だけが関心事の、そんな毎日が明日も保証されていると信じていた。

 しかし今、私の生活が脅かされている。パウタワ――ペンタウァという忌み名を嫌って、この地方ではそう呼ばれているのだ――の死の霧が、及ばぬはずの私の村を、私の生活を徐々に浸食しつつある。

 800年もの間(といわれている)、端然と北の大地に腰を下ろしているだけに思えた<霧>は、何ゆえか数ヵ月前からゆっくりと、なめくじのような鈍さで、しかし、確実に版図を伸ばしている。既に北辺のいくつかの村は霧に飲み込まれた。

 なぜ逃げないのか、そう思う者もいるだろう。

 だが……逃げられないのだ。<霧>の浸食は人々の心を、双眸を掻い潜り、いつの間にか人の足元に忍び寄っている。そして、人々が気づいた時は既に飲み込まれているのだ。

 いや、そうかどうかは判らないが、恐らくその推測は当たっていると思う。なぜなら今まさに私の足元にも<霧>が忍び寄っているからだ。霧の中から溢れ出る気味の悪い悪魔(のような奴ら)を、錆びた剣で、腐った木の盾で追い払いながら、私は気づいたのだ。

 あぁ、そういえば隣の村からの物売りがここ数週間ほど来ていなかったな、と。

冒険の目的

 忍び寄る<ペンタウァの霧>に呑みこまれた「私」は、己の身を護るためにただただ、霧の中から追いすがる妖を掃い、逃れるしかない。冒険の目的などない。ただ、目的は己の命を護り、元の世界へと、元の平穏な生活に帰ることだけだ。

  • 本シナリオでは、パーティは3人編成である必要があります。
  • ただし、スタート時点では先頭の1人で冒険が始まります。
  • 本シナリオの時点では、人間・戦士しか選択できません。
  • 本シナリオは、オープニング・シナリオです。本シナリオクリアによって、他のシナリオが解禁されます。

本シナリオのポイント

  • エイプリルフール(0401)企画で作成したシナリオで、PCE版「ビフォアダーク」的なオープニング・シナリオを目指しています*1
  • 但し、ただのチュートリアルシナリオになるのも面白くなかったため、他14シナリオのキャラ、登場人物、設定などを随所に鏤め、全シナリオにも繋がる「すべてのはじまり」ともなる展開を狙っています。
  • また、話中話(第1〜3ステージ)の構成とすることで、本ブログとしては初めての共著に挑戦してみました。
  • 14シナリオの著者が、それぞれ原作以外のシナリオを担当することで、オリジナルとは違った雰囲気を目指しています。0401企画ならではの、一風変わったお祭りシナリオをお楽しみ頂ければ幸いです。
  • それぞれの著者が、とりたてて摺り合わせなどせずに、全体ストーリーから膨らませたイメージでもって自分の世界を構築しているのも、本シナリオの特徴です。ステージごとに矛盾や世界観の食い違いもありますが、今回はあえて著者独自の解釈/個性として統一はとっていません。

担当シナリオ

全体ストーリーは本ブログの管理人(リオ)が担当致しました*2。最初に作成した全体ストーリーに沿って、あとから各担当者が各ステージのストーリーを嵌めこむという流れを採用しています。

因みに、各ステージ対象の14シナリオは乱数でランダムに振り分けた後、「自分の作品が含まれていないもの」という前提で担当決めしています*3

担当者 担当箇所 含まれるシナリオ
リオ 冒険の書&導入
ときのじさん FS 脱出/時の封土/クロノスの歯車/喜びの歌
リオ SS 奪われし我が友よ/少女は英雄を語りて/最後の巨神
??? TS 剣と魔法の都ペンタウァ/こえるべきもの/怒りの追撃
Salvadorさん 4th イース/深き森の魔女/天の神々たち/いにしえのダンジョン
リオ エンディング

[補足]
TS(Third Stage)は、現在空白です。執筆メンバーが3人に確定した時に、各メンバーに残りのシナリオを振り分けようとも思いましたが、<空白>というのもお祭りらしいゆるさで良いかなと思い、敢えて埋めませんでした。気が向けば、あとで誰かが追加するかもしれませんし、そのまま空白で終わるかもしれません*4
因みに、全体ストーリーとしてはTSがない状態で成り立つように構成していますので、是非最後までお楽しみ頂ければと思いますm(_ _)m

→導入ストーリーへ

*1:PCE版は知らないので、あくまで位置づけとして(^^;

*2:プロローグ/エンディングの他、各ステージのエティスの台詞までがリオの担当分です

*3:あえて無作為にシナリオを決めて、その中で、どんなストーリーが生まれてくるかに挑戦してみました

*4:勿論、どなたか我こそは、という方がいらっしゃれば大歓迎でございます^^