新時代のソーサリアンを提案する

30周年を越えたソーサリアンの夢と妄想を語り続ける

少女は英雄を語りて(ストーリー後半)

ときのじさん執筆作品

SORCERIAN for iOSシナリオコンテスト ガッツリ投稿 にて優秀賞を受賞されたときのじ(@)さんが、コンテスト終了後に書かれた書き下ろし作品です。ご本人の許可を頂いて、掲載させていただいております。掲載のご快諾、本当にありがとうございました!

シナリオ No.1〜5 目次
シナリオ SPECIAL No.1〜5(みんなの応募作品)目次

http://www.web-deli.com/sorcerian/next/images2/gallery/d33.gif

少女は英雄に語りて(ストーリー後半)

異次元塔ディ・メンジェス14

 ※画面が元に戻り、ソーサリアンが出現する。

ソーサリアン「なるほど…月と太陽と星というのは、
       どうやら敵の数と関係していたようだな。
       おや、この部屋にも石版があるぞ。
       何か重要な事が書かれているかもしれないな」

 ※石版を調べる。

ナレーション
 石版には「真実は闇の中」と刻まれている。

 <表示されている3つの扉を開けた場合(どの扉を開けても同じ結果)>
 ※画面がフラッシュ。「ガタンッ」というSEも入る。

ナレーション
 ソーサリアンが足を踏み入れた瞬間、部屋は跡形もなく消えてしまった!

ソーサリアン「しまった! 罠か!!」

 ※画面暗転。
  異次元塔ディ・メンジェス1まで落とされる。


 <部屋の隅の陰を調べた場合>
 ※部屋の隅の陰を調べる。

*ナレーション*
 部屋の陰を調べると、床石の1つが若干飛び出しているのに気付いた。

 ※もう一度調べる。
 ※「ガタンッ」というSEが入り、部屋の隅の壁が消えて階段が出現する。

ナレーション
 飛び出した床石を押し込むと、壁が消えて階段が現れた!

ソーサリアン「今度は本物でありますように…」

 ※異次元等ディ・メンジェス15へ進む。

異次元塔ディ・メンジェス15

ソーサリン「ふぅ、今度は本物だったようだな。
      また落とし穴なんてなければいいけど…」

 ※水晶柱を調べる。

ナレーション
 この水晶柱には魔力が流れているようだ…。魔法の紙を使いますか?(Y/N)

 ※Nを選ぶと何も起きない。
 ※Yを選ぶと「魔法の紙にポーラスの名前を書いて貼り付けた!」
  というメッセージの後にイベント発生。

ナレーション
 魔法の紙の魔力と水晶柱の魔力がぶつかり合い、辺りは光に包まれた!

 ※画面がフラッシュしてソーサリアンが消える。画面暗転。
  異次元塔ディ・メンジェス16へ移動する。

異次元塔ディ・メンジェス16

 ※画面が元に戻り、ソーサリアンが出現する。
 ※石版を調べる。

ナレーション
 石版には「映し身を7の鏡へ。映し身は右に1進む。
      ただし、左が2以上空けば、左へ2進む。」と刻まれている。

ソーサリアン「鏡が並んでいるようだな。とりあえず全部調べてみようか」

 ※全ての鏡を調べる。

ソーサリアン「この鏡、姿が映るものと映らないものがあるぞ!
       これもグリメルムの魔力の影響だとすると、
       魔法の紙の力も必要かもしれないな…」

 ※謎解きスタート。
  この謎解きでは、ソーサリアンの姿(映し身)が映っている鏡を調べ、
  映し身を他の鏡に移動させなければならない。
  映し身は魔法の紙を貼り付けた鏡を越える事が不可能な為、
  鏡を調べる順番と魔法の紙を使う順番を考える必要がある。

 ※映し身が映る鏡を調べると「写し身は○番目の鏡に移動したようだ」
  というメッセージが入り、
  次に「魔法の紙を使いますか?(Y/N)」というメッセージが入る。

  Yを選ぶと「魔法の紙にポーラスの名前を書いて貼り付けた!」
  というメッセージが入り、
  次に「魔法の紙は淡く輝いている。どうやら映し身はこの光を
  嫌がっているようだ!」というメッセージが入る。
  (Nを選ぶと何も起きない)

 ※鏡1→鏡2(紙)→鏡3→鏡4(紙)→鏡5→鏡6→鏡7の順で調べ
  つつ、同時進行で『紙』と書かれた鏡に魔法の紙を使うとフラグ成立。
  映し身が点滅しながら消える。

ナレーション
 映し身が7番目の鏡の中に移動したか見てみると、
 映し身は苦しみの表情を浮かべながら消えてしまった!
 それと同時に鏡がまばゆく輝き出す!

 ※画面がフラッシュしてソーサリアンが消える。画面暗転。
  異次元塔ディ・メンジェス(箱庭)へ移動する。

異次元塔ディ・メンジェス/箱庭

 ※画面が元に戻り、ソーサリアンが出現する。

ナレーション
 突然明るい場所に出た。
 ガラス張りの壁や天井からは青空が見え、
 宙を浮く透明な玉には玩具のようなものが入っている。
 遠く離れた扉までの道には見た事もない美しい花が植えられていて、
 今までの部屋とは明らかに雰囲気が違う。

ソーサリアン「なんだ此処は…? 空に花にと美しい光景ではあるのだが…」

 ※画面中央まで進む。

ソーサリアン「こっ、これはまさか、小さくされた村や町だというのか!?
       これがあるという事は、
       もしかしたらグリメルムも近いのかもしれないな…。
       よし、気を引き締めて行こう!」

 ※奥の扉を開ける。

ナレーション
 扉を開けるとそこには一羽の光る蝶が暗闇の中を舞っていた。
 まるでこちらを誘っているかのようだ。

ソーサリアン「そこにいるというのかグリメルム!
       待っていろ、お望み通り行ってやるぞ!!」

 ※画面がフラッシュし、ソーサリアンが消える。画面暗転。
  異次元塔ディ・メンジェス(最上階)へ移動する。

異次元塔ディ・メンジェス/最上階

 ※画面が元に戻り、ソーサリアンが扉の前に出現する。

ナレーション
 気が付けばソーサリアンは全面ガラス張りの大部屋に立っていた。
 晴れた空では白い小鳥が飛び、
 部屋中を飾るようにして生える草木はみな美しい。
 神聖さすら感じる此処は、まるで楽園のようであった。

若い男の声「異界から遥々会いに来てくれたんだね。
      ありがとう、そしてお疲れ様、ソーサリアン君」

ソーサリアン「!」

 ※自動的にソーサリアンが部屋の中央まで走って行き、
  テーブルでお茶を啜る若い男から少し離れた所で止まる。

ソーサリン「お前がグリメルムか?」

ナレーション
 若い男が立ち上がり、そのマントでテーブルと椅子を覆うように広げた。
 そしてマントを引くと…

 ※画面がフラッシュし、テーブルと椅子が消える。

若い男「あぁ、そうだよ。私が時空を操る魔族、収集家グリメルムだ。
    彼の地で有名な勇者君と会えるなんて光栄だよ」

ソーサリアン「グリメルム…何故お前は村や町を襲うんだ!」

グリメルム「言っただろう、収集家だって。私はね、人間達が知識を得、
      新しいものを作り出す姿を何百年と見てきたんだ。
      人間観察は私を飽きさせない唯一つの楽しみだからね、
      君達人間の事はとても愛おしく思っているよ」

ソーサリアン「なっ…!?」

グリメルム「だけど人間は愚かだ。同じ種同士で醜く争い、
      せっかく作り上げたものを滅茶苦茶にしてしまうんだからね。
      そんなの勿体無いだろ?
      だから私は人間達が作り上げたものを
      『保存』しているんだよ、異次元に存在するこの塔にね」

ソーサリアン「くっ…確かに人間は争いもする。
       時には人を殺し、
       築き上げてきたもの全て破壊する事もあるだろう。
       …だが、お前の言うその愚かな行いを悔い、
       正しくあろうと新たに歩み出すのもまた人間なんだ!
       その機会すら奪い、
       自らの欲を満たす為に建設物ごと人々を襲うお前の行為、
       ソーサリアンの名に懸けて認める訳にはいかない!」

グリメルム「まあ、人である君がそう言うのも無理はないと思うよ。
      私にとってみれば大切なのは人間が作り出した物のみで、
      収集物ごと人間も保存するのは、
      あくまでも『ついで』だからね。
      現に、消費した魔力を回復させる一環として、
      保存した人間の魂を幾つか頂戴してしまっている事も
      否定するつもりはないよ。
      人間は愛おしいが、この感情は慈悲ではない。好奇なんだ」

ナレーション
 グリメルムはそう言うと肩をすくめて溜息をついた。

グリメルム「さぁ、気は済んだかい?
      遠くまで来てもらってなんだけど、
      ようやく次の収集物が決まってね、
      君の相手をしている時間はなくなってしまったんだ」

ソーサリアン「…問おう、次の収集物とは何だ?」

グリメルム「剣と魔法の王国…と言えば、分かると思うけど」

ソーサリアン「まさか、ペンタウァか!?」

グリメルム「ご名答っ!
      じゃあ機会があったらまた会おう、ソーサリアン君!」

ソーサリアン「待て! そうはさせないぞ!!」

 ※画面がフラッシュする。

ナレーション
 ソーサリアンが叫んだ瞬間、
 持っていたポーラスのリボンがまばゆい光を発する!
 気が付けばリボンはグリメルムの片方の角に巻き付いていた!

ソーサリアン「ポーラスのリボンが…!」

グリメルム「うっ…力が、抜ける…だと!?
      は、ははっ、はははは! これは予想外だったな!
      まさか私の魔力に干渉してくるとはね!
      分かった、分かったよ、
      私は異界に行く魔力を取り戻す為に君の相手をしよう。
      これで君が望む展開になった訳だが、文句はあるまいね?」

ソーサリアン「ああ、お前が此処で足を止めてくれるならばそれで十分!
       おしゃべりはここまでだ、行くぞッ!!」

グリメルム「この戦い…ただの封印解除の作業にだけはしてくれるなよ、
      ペンタウァの名高き人の子よッ!!」

 ※収集家グリメルムとの戦闘開始。
 ※収集家グリメルム討伐後、トドメを刺した位置で止まる。

グリメルム「ぐっ…流石ソーサリアン君…
      いや、誇り高き者ソーサリアンだ…。
      力の一部を封印されていたなど…
      敗者の言い訳にしかならない…な。
      いいだろう…収集物は全て解放しよう」

ソーサリアン「その言葉、嘘ではないな?」

グリメルム「高位魔族の誇りに誓って。
      私をそこらの魔族と一緒に…しないでもらおうか…」

 ※指を鳴らすSEが入り、画面がフラッシュする。。

ナレーション
 グリメルムが指を鳴らすと、
 彼の周囲に現れた小さな村や町の入った球体が光を放ち、
 そのまま消えて行った。

グリメルム「これで…元の位置に戻っている筈だ…」

ソーサリアン「…解った。ん…? な、なんだっ!?」

ナレーション
 ソーサリアンが持っていた魔法のペンが宙に浮き、
 それが一冊の本を形作った!
 本が開くと、グリメルムに向かって幾つもの光の帯が伸びてゆく!

 ※『魔法のペン』を失う。

グリメルム「封印…か。まあ、それもいいだろう。私も長く生き過ぎた…。
      最期を飾る戦いの相手が…
      ソーサリアンであった事は…幸運だったよ。
      これを持ってゆけ…私からの餞別だ…」

ナレーション
 『折れた片角』を受け取った!
 ○○EXPを入手!

 ※折れた片角入手。経験値も得る。

ソーサリアン「グリメルム…」

グリメルム「私を失う事で塔は混沌へと還るだろう…。
      さあ往け、勇敢なる人の子よ!」

 ※画面がフラッシュし、グリメルムが消える。
  その後に画面の端から徐々に白くなってゆく。

ソーサリアン「光が…溢れる!!」

 ※画面が完全に白くなり、無音になる。
  少女の部屋に移動する。

少女の部屋

 ※画面が元に戻り、ポーラスの前にソーサリアンが出現する。
  BGMも鳴り出す。自動的にイベントが発生する。

ポーラス「おかえりなさい!」

ソーサリアン「ただいま、ポーラス。
       君がいるという事は、私は無事に戻れたんだね」

ポーラス「ええ…。良かった、本当に良かった…!」

ソーサリアン「ポーラス、君との約束を果たしたよ。
       グリメルムは封印され、
       今頃は君の住む大陸には村や町が戻っている筈さ」

ポーラス「!! あぁ…これで…これで私は帰れるんだ……」

ソーサリアン「そうさ、君にはもう帰る場所があるんだよ」

ポーラス「私、ソーサリアン様ならきっと村や町を取り戻して下さる
     と信じてました!
     この胸の内を絵本を書く時のように表せられないのが
     もどかしいのですが…本当に、ありがとうございました…!!」

ナレーション
 ○○EXPを入手した!

 ※経験値を得る。BGMがシナリオクリア専用BGMに変わる。

ポーラス「それでは、ソーサリアン様を元の世界に戻します。
     これで…お別れですね…」

ナレーション
 帰るべき大陸の名を口にしたポーラスは、
 寂しそうに笑いながら泣き出してしまった。

ソーサリアン「泣かないでおくれ、ポーラス。
       私が君の住む大陸に渡った時は、君が暮らす村へ必ず往くよ。
       そして君の名を呼ぼう、ポーラスと!」

ポーラス「あっ……。はっ、はい!
     いつでも綴り手の村を訪ねてきて下さいね!
     私、待ってますから…!」

ソーサリアン「あぁ! 待っていてくれ!」

 ※画面がフラッシュし、画面の端から徐々に黒くなる。
  それから画面が完全に真っ暗になる。
 
ポーラス「さようなら…さようなら、ソーサリアン様…。
     また、いつか会う日まで…!」

 ※草原に移動する。

草原

 ※画面が元に戻る。ソーサリアンが草原に立っている。

ソーサリアン「うっ…此処は…
       そうか、私は元の世界に帰ってきたんだな…。ん?」

ナレーション
 妙な違和感に気付いて手元を見ると、いつの間にか一冊の本を持っていた。
 どうやら絵本の世界に行く前に持っていた本とは違うようだ。

 ※『英雄の絵本』入手。

ソーサリアン「えっと…『英雄の絵本』と書かれているな」

ナレーション
 本を開いてページを捲ってゆく…。
 そこには自分と同じ名前の勇者が角を持った魔族と戦い、
 一つの大陸と多くの人を救ったという物語が綴られていた。
 著者の名前は言うまでもないだろう。

ソーサリアン「…いつの日か、この絵本のお礼を言いに往くよ。
       だけど、今此処でも言わせておくれ。
       最高の絵本をありがとう、ポーラス!」

 ※そのままペンタウァに戻る。

(End)