新時代のソーサリアンを提案する

30周年を越えたソーサリアンの夢と妄想を語り続ける

新・天の神々たち(ストーリー前半)

シナリオコンテスト後に、ソーサリアンNext 向けに書き下ろした唯一の作品です。第5作目、2012/07/17投稿。

Nextシナリオ 目次:[id:sorcerian:20120801]
ソーサリアンNext案 目次:[id:sorcerian:20120605]

新・天の神々たち(ストーリー前半)

[1]スタート地点(ふもとの村)にて

村の人々から情報収集を開始。

◆酒屋のおやじ

おやじ「やあ、こんにちは。こんな辺鄙な村にようこそ。
    わしは、この酒屋の主人だが、あいにく売るものはなにもないよ。
    大いなる神ユイターが怒って以来、
    酒がなかなか手に入らなくなってね……」

◆ドロで汚れた幼女(道端にて)

少女「神様がお怒りになったの。
   お酒や食べ物をあげたのに怒ったままなの。
   巫女さんは、あたし達の心が曇ってるから
   お怒りになったんだって言うの……」

◆民家(ベッドに横たわった老爺&老婆)

老爺「大いなる神ユイターの怒りは、疫病をも振りまいたのじゃ……
   60年の連れも、昨晩、ひと足先に逝ってしまったよ。
   すまんが、最期くらいはそっとしておいてはくれんかの……」

解説「黒い斑点が顔中に浮かびあがっている。
   もう手のほどこしようはなさそうだ」

傍らのベッドを調べると…

解説「老婆の方は、呼びかけても反応はない。
   もう死んでいるようだ。死臭が軽く鼻をついた」

◆宿屋の主人

主人「よそ者がうちになんの用だ!?用がないなら、早く出ていきな!」

宿の奥には、大きなガマガエルが座っている。近づくと…

ガマ「なによ、おまえは!ひとのうちに勝手に入らないで!」

ソーサリアン「ガマが喋った…!?」

主人「俺の、娘に近寄るな!」

ソーサリアン「娘……!?」

主人「娘は、リーザは…神に貢ぎ物を届けに行っただけなんだ。
   それなのに、
   帰ってきたときにはガマの姿に変えられてしまっていたんだ……
   いったい、神々に娘がなにをしたっていうんだ……」

ガマ「帰って!帰ってちょうだい…!」

ガマがソーサリアンに<大鍋>を投げつける。

ソーサリアン「……ッ!」

解説「<大鍋>を手に入れた」

主人「さあ、分かっただろう。
   俺たちは、もう誰とも話したくないんだ。
   帰ってくれ…なぁ、頼むよ…」

◆空家

解説「家の中に人影はない。
   家具もほとんど残っており、
   持ち主はよほど慌てて出ていったようだ。」

◆空家2

解説「空家……ではないようだ。
   奥に、戦士らしい男が血を流しながら、苦しそうに蹲っている」

近づいて話しかけると。

戦士「ユイターが怒りに我を忘れて以来、
   聖地たる<神々の庭園>も荒れ果ててしまった。
   魔性が巣食い、民草を襲う危険な版図と化してしまったのだ。
   神の怒りを解かんと、最後のお勤めのつもりでやってきたが…
   仲間たちは散り散りとなり、私もこのありさまだ」

戦士「もしも<神々の庭園>に向かうならば、
   魔物どもには気をつけるがいい。
   神々の恵みが溢れた<神々の庭園>も、
   いまや魔の巣窟となっておるでな。
   …死ぬで、ないぞ……」

◆麦畑

麦は枯れて畑は荒れ果てている。畑の隅に農夫が呆然と立っている。

農夫「収穫の季節なのに、すべての麦が枯れちまっただ。
   これも神の怒りだというのかね。
   冬を越す食料もなければ、ここを逃げ出す金もねぇ。
   ここに残っているのは、そんな奴らばかりよ」

麦畑の隅を探すと…

解説「<赤い種>を見つけた。」

農夫「ん? なんだ<ユイターの杖>か。
   ああ、もってけもってけ。
   <ユイターの杖>などとたいそうな名前はついてるけどよ。
   油断してると、天まで伸びて作物をみんな薙ぎ倒しちまうのさ。
   忌々しい植物さ」

◆巫女

巫女「神は怒っておられます。
   日頃の邪な行いに、業を煮やしてしまったのです。
   祈りは既に通じません。
   欲を捨て、私のもとにすべての財産を預けなさい。
   そして神への忠誠を誓うのです」

[2]村の端にて

村の端まで来ると、突然雷が落ちて、ソーサリアンの行く手を遮る。

ソーサリアン「空は晴れあがっているのに、落雷だと……
       これも大いなる神ユイターの怒りなのだろうか」

[3]酒場に戻ると…

(発生条件)落雷のイベントを見ること。すべての人と話していること。

おやじ「おぉ、旅の方、いいところへ来なすった。
    じつは、さっき倉庫の奥から最後の葡萄酒が見つかってね。
    <神々の庭園>まで何本か届けてほしいんだ。
    最後の酒まで貢いだとなれば、
    神々の父も哀れみを催し賜うはずだよ。
    なあ、そうは思わないかね?」

解説「<葡萄酒>×5を手に入れた。」

おやじ「これまでもありったけの酒を貢いだのだが、
    なぜ機嫌は直らないのだろう…
    シャーマンは、わしが貢物を渡して以来、何も言ってこないし…」

[4]巫女の家の前まで来ると…

(発生条件)<葡萄酒>を入手していること

巫女「…<神々の庭園>に向かう?
   やめておきさない。
   祈りも貢ぎ物も、人の願いはもはや神には通じないのです。
   命を無駄にすることはない。
   貢ぎ物は私に預け、ペンタウァに帰るのです。
   今ならば、まだ間にあう」

[5]村の端にて

(発生条件)<葡萄酒>を入手していること

解説「青天の落雷はやんでいる。今ならば、<神々の庭園>に入れそうだ。」

[6]山岳地帯に入ると…

解説「魔物の攻撃が激しくなってきた。
   <葡萄酒>の瓶が割れないよう、気をつけて進め。
   敵の攻撃や地形のダメージを受けるたびに、瓶は割れてしまうぞ」
  • 手持ちの<葡萄酒>は5本。
  • すべての瓶が割れる前に、山岳地帯を抜けなければならない。
  • ジャンプを繰り返して岩棚を飛び移りながら、上に登っていく。
  • 岩棚の一部には、逆さつららもあり、落下すると大ダメージ。
  • 逆さつららのない箇所も一定以上高いところから落ちると、<葡萄酒>が割れる原因になるので要注意。
  • 不定期に竜巻や雷が発生し、ソーサリアンを襲ってくる。
  • 村の入り口ではまた落雷が復活しており、戻ることはできない。

[7]山岳地帯の途中

 ところどころに神々の石像が立っている。
 像を調べると、体力/魔法力を回復できる。ただし、ユイターの石像だけは瘴気が登っており、触れると<呪いのトラップ>にかかるので要注意。
 以下は、石像を調べた時のメッセージ。

解説(共通)「神々を祀った石像だ。石像の足元には文字が刻まれている。」

解説「ノーネーム。ユイターの居城を護る門の神」

解説「デュオン。美酒と美女を好む酒の神にして、博学の王」

解説「ペトス。<神々の庭園>を造りし、鍛冶の神」

解説「フェリス。太陽の神にして、ユイターの息子」

解説「ビヌス。天地全ての美を司る女神」

解説「ユイター。大いなる神にして、すべての神の父たる至高の存在」

[8]山岳地帯、中間地点。

崖の陰に女の子が倒れている。近づいてみると…

解説「人間の女の子が倒れているようだ。
   魔物に襲われたのだろうか。怪我をして意識を失っているようだ」

ソーサリアン「このままにはしておけない。連れていこう」

解説「<怪我をした女の子>を背負った。」

以降、山岳地帯の後半は、<怪我をした女の子>(アイテム扱い)の重量によって敏捷性が低下した状態で進まなければならない。

[9]山岳地点、終盤。ある地点を通り過ぎると…

ソーサリアン「あ……!」

解説「<赤い種>を落としてしまった。
   種は岩場の中へ吸い込まれるように消えていった。」

[10]山岳地帯、終盤(2)

解説「ふと登ってきた辺りを見下ろすと、岩の間から樹が生えている。
   さっき落とした種が芽を出したのだろうか。」

[11]山岳地帯を抜け、天上への門

 門の前には、門の神ノーネームが立っている。

門の神「大いなる神ユイターは、お心がすぐれぬのだ。
    ここから先は、何人たりとも通すわけにはいかん。
    さっさと帰れ!
    ……と言いたいところだが、いいものをもっているじゃないか。
    その葡萄酒のことだよ」

残っている葡萄酒の本数によって、以降のイベントは変化。

◆2本以上

門の神「それをくれたら、特別にこの門を通らせてやるが、どうするかね?」

解説「<葡萄酒>を渡しますか?」

[はい]を選択すると…
 門の神「殊勝な心がけだな!では、門を開いて進ぜよう…」

[いいえ]を選択すると…
 以降、「1本」の場合と同じイベントが発生。

◆1本

門の神「なんだと、ユイターへの供物だと?
    わしへの供物がないとは、なんという不心得な者どもではないか!
    供物を捧げに来たとあれば、
    通さぬわけにはいかぬがタダとも言えぬ。
    なに、いくら払えば良いかだと。
    よもや神たる身が人の子から金をとるわけがなかろう!
    そうさな、
    儂と軽く運動してくれれば、それで良いことにしてやろう。
    ここは寒くてかなわんのだ……参るぞ!」

解説「門の神が襲い掛かってきた!」

門の神と戦闘開始!

 >勝利すると…
 門の神「うむむ、わしも鈍ったか…
     だが、十分に暖まらせてもらった。
     では、門を開いて進ぜよう…
     ああ、待て待て。
     これは楽しませてもらったお礼だ。また遊びに来るが良いぞ」

 解説「10Goldをもらった」

 >敗北すると…
 門の神「ん、悔しいか?末席とはいえ、神の椅子に座すもの。
     まだまだ人の子には敗けぬよ。
     とはいえ、わしが暖まるには十分な戦いであった。
     では、門を開いて進ぜよう…」

◆0本

門の神「なんだ、供物の<葡萄酒>をすべて割ってしまっただと?
    気の毒だが、それではこの門を開くわけにはいかんな。
    下界に戻って、出直してくるが良いぞ」

画面は切り替わって、下界の村。酒場に向かうと…

おやじ「おや、早かったね。神々の父には会えたかね。
    え、なんだって?魔物に全部割られてしまったって?
    …まあ、仕方がないさ。
    俺たちはもう神に見捨てられてるんだからな。
    あぁ、お前さんがたにもご苦労をかけたね。
    少ないが、これはお礼だ。持ってってくれよ」

解説「1 Goldを手に入れた。」(Game Over)

[12]門の神に門を開いてもらい、先に進むと…

強風が吹きあがる断崖絶壁に出る。

解説「そのとき、
   颶風の轟きとも山の唸りとも知れず、低い苛立った声が響いた。」

ユイター「なんだ貴様は…!
     ここはお前のような者の来るところではない、立ち去れ!」

ひときわ大きな竜巻が崖下から吹き上げ、空中に放り出される。画面暗転。

[13]山岳地帯の中間地点(地面から聳える高い樹木の枝)

 <赤い種>を落とした地面から高い樹が伸び出ている。
 地面(木の根元)からスクロールして、樹木の途中に引っかかっているソーサリアン

解説「これは…
   あの<赤い種>から生えてきたものだろうか。
   天にも届かんばかりの樹木に育っている。
   どうやら無事に助かったのも、
   この樹がクッションになってくれたおかげのようだ。」

ソーサリアン「それにしても高い樹だな…上には、何があるんだろう…?」

大木を登っていく。
途中、左右に枝が伸びているが、現時点では以下のように表示されて進めない。

解説「怪しげな虫がウヨウヨしているようだ。
   ひとまずは無視して、先に進んだ方がよさそうだ」

[14]樹木を上に登り、厚い雲を抜けると<神々の庭園>

ソーサリアン「雲の中に神殿が……これが、<神々の庭園>なのだろうか?」

 以降、神殿に住まう神々を訪れる。
 前作と異なり、天上界は荒れ果てており、床が抜けているところ、壁の一部が崩れているところがあったり、魔物が断続的に襲って来たりするので、ある程度、アクション的な操作が必要となる。

[15]酒の神デュオン

酒の神「なんだお前は…!
    ここを酒の神デュオンさまの部屋と知って、入ってきやがったのか。
    挨拶代わりもなしでくるとはふてえ野郎だ。」

酒の神「なんだと、貢ぎ物の<葡萄酒>があるだと…?
    ふん、酒の神にそんな安っぽい酒を呑ませようってのか。
    とんでもねぇ、とんでもねぇ話だとは思わねェか??」

酒の神「いいか!?庭園の東の泉で<葡萄酒>を捧げて来い。
    泉の力ならば、そんなチンケな<葡萄酒>でも
    <黄金の酒>に変えてくれるだろうぜ。」

酒の神「そうだ、酒を持ってくるまで、その女は預かっておくぜ。
    さあ、さっさと行ってきな。」

解説「<怪我をした女の子>を奪われた。」

[16]神々の庭園東。泉への入り口の架け橋

解説「橋げたには<魔法の泉へ>と書かれている。
   しかし、橋は何ものかによって壊されており、
   渡ることはできそうにない」

[17]鍛冶の神ペトス

(発生条件)橋が壊れていることを確認済み

鍛冶の神「誰じゃ、お主は…!?
     ここは人間の立ち入るような場所ではないぞ。」

鍛冶の神「なに、<魔法の泉>に行きたい、じゃと?
     ふむ……ふむ……
     本来ならばお前たちが立ち入って良いような場所では
     ないのじゃが……
     渡りに船とはこのことなのかもしれんな。
     よし、ひとつ頼まれてはもらえんじゃろうか」

[はい][いいえ]を選択。

◆[はい]を選択すると…
鍛冶の神「お前たちも知ってのとおり、神々の父ユイターが怒り賜うてから、
     <神々の庭園>もすっかり荒れ果ててしまった。
     天上界に妖が現れるなど、
     それこそ以前には想像もできなんだことよ。
     <魔法の泉>への架け橋も、妖が破壊してしまったのじゃよ。
     じゃが、修復しようにも<炎の種>がなくては、
     釘の一本も鍛えられぬ。
     そこで、どうじゃろう。
     庭園の最上層にいる太陽の神フェリスに伝えてほしいのじゃ。
     鍛冶の神ペトスにひとつ<炎の種>を分けてはもらえんかとな。
     もし持ってきてくれたら、
     お前たちが<魔法の泉>の立ち入ることも許してやらんでもない」

◆[いいえ]を選択すると…
鍛冶の神「お前たちのような人間に頼んだわしが、愚かであったよ……」

[18]太陽の神フェリス

解説「太陽の神フェリスがため息をついて立っている。
   何か悩んでいるようだ。
   どうすればいいのだろう……
   そんな言葉を繰り返し言っている。」

太陽の神「なんだそなたは…?どこから来たのだ!?
     もしや…あの忌々しい大木をつたってきたのか。
     ここは人間の……
     なんだと、ペトスに頼まれて<炎の種>を…?
     わかった。好きなだけやろう。
     用がすんだら、さっさと出ていけ」

解説「<炎の種>をもらった。
   そのままでは持てそうもないので、
   とりあえず<大鍋>に入れていこう。」

太陽の神「なんだ、神界の神器を粗末な鍋に入れるのか。
     ……まあいいさ、
     特別に<天蜘蛛の糸>で取っ手に括ってやろう。
     しばらくは持つはずだが、
     炎が鍋に触れたりすると、燃えてしまうはずだ。
     気を付けろよ」

ソーサリアン「ありがとうございます」

以降、鍋の取っ手に吊り下げられた<炎の種>が画面の右上にウィンドウ表示
(map.ppt P.2)。

解説「<炎の種>は激しくジャンプしたり、魔物からダメージを受けると
   振り子のように振れるので注意しろ。
   大きく種が振れて、鍋の壁面に当たってしまうと、
   そのまま燃え尽きてしまうぞ!
   <ヴィイタ>を左右に傾けることで、
   鍋を傾け、振動を抑えることができる」

以降、ミニゲームスタート。
鍋が<炎の種>によって燃えないようにバランスを取りながら、
鍛冶の神のところまで戻ること。
鍋が燃え尽きて、<炎の種>を失ったらGame Over。

太陽の神「待て!
     出ていく前にひとつだけ頼みたいことがある。
     わたしは美の女神ビヌスに惚れておってな……
     彼女の好きなもので気をひこうかと思っておるのだが、
     それがなにかわからんのだ…
     そこで、それとなく他の神々に聞いてほしい。
     いいか、頼んだぞ。」

→ストーリー(後半)へ