脱出(冒険の書)
SORCERIAN for iOSシナリオコンテスト ガッツリ投稿 応募作品の第2作目です。2012/02/24投稿。
Nextシナリオ 目次:[id:sorcerian:20120801]
ソーサリアンNext案 目次:[id:sorcerian:20120605]
- 冒険の書/シナリオデータ:[id:sorcerian:20120811]
- ストーリー(前半):[id:sorcerian:20120812]
- ストーリー(後半):[id:sorcerian:20120813]
脱出(冒険の書&シナリオデータ)
マップ/設定資料ダウンロード
オフラインで参照したい方はこちらから(PDF版)
プロローグ
中天には、新月に限りなく近づいた細い月が冷ややかな笑みを浮かべている。
いったい、ここに囚われてから何度、月の満ち欠けを見ただろうか。最初は、壁に刻んでいた月日の数も、とうとうここ数日は刻むのを辞めてしまった。刻んだ壁の傷が、夜になると、「もう、お前は助からないよ」と嘲笑っているように見えたからだ。明日になったら、もう消してしまおうかとも思っている。
いったい、どうしてこのようなことになってしまったのか、それすらももはや思い出すことはできない。いや、思い出したくないだけか――
◇ ◇ ◇
…彼の故郷、ペンタウァ北端の自治都市ザールは、その地理的な性質上、隣国との抗争絶えず続けていた。それでも都市を守る4人の魔導士がなんとか都市の守りを固め、危ういながらも僅かな均衡を維持していたのだ。
しかし、危うい均衡は魔導士のひとりザラハーンが隣国ローデシアと内通したことで、呆気なく崩れ去った。ザールの結界は破れ、ローデシアの兵士たちが一時はザール市内を占拠するに至ったのだ。ペンタウァ王の迅速な援軍派遣によってザールの一方的な敗北は免れたものの、ザールの守護神たる3人の魔導士ザムル、グラハン、エルフィンは虜囚の身となってしまう。
後日、ローデシア軍が去った瓦礫の中からは、裏切者ザラハーンの屍がひっそりと発見されたという。ザールの護りは、その日、完全に喪われたのだ。
もっとも、ペンタウァ軍も四囲の情勢を考えれば、一都市のためにいつまでも軍を駐留させておくわけにはいかない。そもそも自治都市たるザールにペンタウァ正規軍が長く駐留することは、これまで長くに亘って保たれてきたペンタウァ−ザール間の均衡も崩すことになるだろう…
◇ ◇ ◇
そのような情勢からも隔離されて。
囚われの身となった彼――魔導士グラハンは、今なおローデシアの王都に護送されることもなく、獄中から満ち欠けする月を眺めている。思い出したくもない裏切りの日の記憶は、明日もまた月の出と共に甦るのだろうか…
冒険の目的
ペンタウァ暦720年、自治都市ザールは隣国ローデシア王国に対して、歴史に残る大敗を喫した。守護神たる4魔導士も、ひとりは落命し、残る3人もローデシアの虜囚となってしまった。現在はペンタウァ正規軍の派遣によって、辛うじて国境地帯の安定は守られているが、それも長くは持たないだろう…
そこで、ペンタウァ国王は、ソーサリアンたちを緊急招集し、密命を下すこととなる。ローデシア王国に囚われた3人の魔導士を急ぎ救出し、ザールの安定を取り戻せ、と。密偵の報告によれば、魔導士たちはまだ敵国首都には護送されず、辺境地方に一時的に囚われているらしい…
- 本シナリオでは、パーティは3人編成である必要があります。
- NPCである魔導士が死ぬと、即座にGame Overとなります。
- パーティに「コック」「歌うたい」がそれぞれひとりはいなければなりません。
- 想定難易度は、シナリオレベル 4(高い)を想定しています。
- プレイ時間は1〜1.5H程度を想定しています。
本シナリオのポイント
- 一般的なシナリオでありがちな魔導士を<救けるまで>ではなく、<助けてから脱出するまで>に重点を置いたシナリオです。お荷物となる魔導士を補助しながら進んでいく展開を楽しんでください。
- NPCは異例の3人(魔導士たち)ですが、一度に仲間にできるのは一人のみ、魔導士はすべて同じ格好(デザイン+装備)をしていますので、ソーサリアンのシステム的にも問題ない…と思います。
- iOS版ならではのシカケを鏤めています(従来とは違う、新たなスマホソーサリアンにできればと)。当然、ソーサリアンのシステムそのものに影響を及ぼす機能もあるかと思いますが、それらの機能が実装できなくても、シナリオの流れそのものには影響は及ぼさないようにも配慮しています。
舞台
全体のマップ構造は、map.ppt P.1を参照してください。
以下に、それぞれの舞台のポイントとなる点をまとめます。
個別マップ(map.ppt P.2〜9)の見方は、以下のとおり。
- 四角ひとつで1マップを表しています(繋がっている四角はスクロール移動)
- それぞれのマップのつながりは赤丸の数字(ページ連番)
- ステージを跨ったつながりは緑丸の数字(PPT全体で連番)
- イベントなどの発生場所は、青菱形の数字(PPT全体で連番)。ストーリ側のマップ番号と対応しています。
- マップ内の網掛け&モンスター名は、その場所での登場モンスター
国境地帯&分岐点(map.ppt P.2)
冒険のスタート地点。
スタート近くには、打ち捨てられた教会があり、パーティの拠点となる。3人の魔導士をすべて教会まで連れて行くことができれば、まずはミッション完了。
山岳部、地下ダンジョン、砦への分岐点もある。山岳部→地下ダンジョン→砦の順にしか移動できない。
山岳地帯&森(map.ppt P.3〜4)
<迷いの呪い>をかけられた魔導士ザムルがいるエリア。それほど広くはないが、木の上から飛び降りなければ行けない場所などもあるので、要注意
地下ダンジョン(map.ppt P.5)
<空腹の呪い>をかけられた魔導士エルフィンがいるエリア。モンスターを斃し、食材を取得しながら、指定された料理を作って魔導士に食べさせる必要がある。
砦(map.ppt P.6〜9)
ひ弱な魔導士グラハンがいるエリア。最上階から侵入し、番兵やトラップから体力の少ない魔導士を守りながら最下層まで下りてくる必要がある。